これらの疑問を解決します。
最近では、健康ブームからコンビニやドラックストアなどでも手軽に買えるようになったプロテイン。
運動する人や筋トレをする人はもちろんのこと、健康的なカラダづくりの一環として、美容やアンチエイジングのためにもプロテインを活用する人が増えてきました。
ただ、これからプロテインを始めようとしても「どの種類がいいの?」「いつ飲めばいいの?」「1日にどのくらい飲めばいいの?」などとわからないことも多いと思います。
そこでこの記事では、プロテイン歴14年目のロジックがプロテインに関する素朴な疑問を解決していきます。
そもそもプロテインって何?
「プロテイン」と聞くと「マッチョになるサプリメント」「筋肉を増やすための薬のようなもの」といったイメージがあるかもしれません。
しかし、プロテインは英語のProteinをカタカナ読みしたもので、実は私たちが普段から摂取している三大栄養素「タンパク質」「脂質」「炭水化物」のひとつ。
プロテインはタンパク質のことです。
タンパク質の役割
私たちのカラダは、頭の先からつま先まで、すべてタンパク質によって構成されていることをご存知ですか?
人の体は約60%が水分でできているのですが、約20%はタンパク質でできています。
このタンパク質によって私たちのカラダを構成する細胞を作っているのです。
タンパク質の主なはたらき
- 筋肉・骨・歯をつくる
- 皮膚・髪の毛・爪をつくる
- 血管・血液をつくる
- 酵素をつくる
- ホルモンをつくる
- 抗体(カラダに入ったウイルスや細菌をカラダから追い出すための物質)をつくる
タンパク質は筋肉を作るだけでなく、皮膚や爪、髪の毛をはじめとしたカラダを構成するための材料となり、免疫力や酵素のはたらきなどにも関わっており、私たちにとってなくてはならない栄養素です。
プロテインの種類
一般的に販売されているプロテインは大きく分けると次の3種類に分類することができます。
プロテインの種類
- ホエイプロテイン
- カゼインプロテイン
- ソイプロテイン
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳に含まれるタンパク質の一種で母乳の成分に近いです。
ヨーグルトを食べるときに透明な液体が浮いているのを見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
あの液体のことをホエイ(乳清)といいます。
ホエイプロテインはその作り方によって次の3種類に分けることができます。
ホエイプロテインの製法 | 特徴 |
WPC製法 (Whey Protein Concentrate) | 濃縮膜処理法とも呼ばれている。原料となる乳清をフィルターでろ過処理して得られた液体を濃縮して作る。 ろ過処理のため、乳糖(牛乳を飲んでお腹が緩くなる原因となる物質)が完全には取り切ることができない。 タンパク質含有量は80%前後。 |
WPI製法 (Whey Protein Isolate) | イオン交換法とも呼ばれている。WPC製法で分離されたタンパク質をさらにイオン交換して作られるため、乳糖の割合が非常に低く、タンパク質含有量も90%前後と高くなる。 牛乳でお腹を壊してしまう方にでも安心して飲める。 ただし、その工程数の多さから、WPC製法よりも製造コストがかかるため、価格は若干高めになる。 |
WPH製法 (Whey Protein Hydrolysate) | 加水分解ペプチドとも呼ばれていて、微生物に含まれる酵素などを用いて、WPCをペプチド状態(タンパク質の大本の材料であるアミノ酸が10~数十個につながった状態)に分離したプロテイン。 プロテイン含有量は95%程度と最も高く、その分価格も高い。 |
ホエイプロテインの効果
ホエイプロテインには、筋肉の合成に欠かせない必須アミノ酸、とくにBCAA(Branched-Chain Amino Acids:分岐鎖アミノ酸)が豊富に含まれています。
他のプロテインに比べて体内に吸収されるスピードが速い特徴があります。
アミノ酸スコアとは食品に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数字で表した、いわばタンパク質の点数のようなもの。
必須アミノ酸の数値が100に達しているものが質の良いタンパク質で、ホエイプロテインはアミノ酸スコアが100で満点です。
参考
アミノ酸スコアとは、必須アミノ酸(カラダの中では作り出せず、カラダの外部(食事)から取り入れることが必須であるアミノ酸)がどの程度含まれているかを表す指標のことで、よく桶(バケツ)に水を入れることに例えられています。
<画像出典:「アミノ酸スコアとは。スコアが高い食品はどれ?」/ 江崎グリコ株式会社>
ホエイプロテインの優れているところ
- ダイエット効果がある(*1), (*2), (*3)
- 空腹感を和らげる効果がある(*4),(*5)
- 血液中のアミノ酸を一気に上昇させ、筋肉の成長を促す作用がある(*6),(*7)
- ラクトフェリン・ベータラクトグロブリンなどの免疫力アップ成分(*8),(*9)が含まれている
牛乳でお腹がゴロゴロしやすい人はホエイプロテインを飲めるの?
牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなってしまうかたもいらっしゃるかと思います。
これは牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素(乳糖分解酵素=ラクターゼ)が少ないか、そのはたらきが弱いためだとわかっています。
ホエイプロテインは牛乳が原材料のため若干の乳糖が含まれています。
そのため、体質や体調によってはホエイプロテインでもお腹の調子が悪くなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は乳糖を限りなく除去したWPI(ホエイプロテイン アイソレート)を選ぶことで安心して飲んでいただけます。
ホエイプロテインはこんな方におすすめ
- 運動やトレーニング前後にプロテインを飲まれる方
- 飲みやすく味がおいしいプロテインを探している方
- 本格的にダイエットに取り組もうとしている方
- 筋トレなどで強い肉体を手に入れたい方
カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく牛乳を主成分とするプロテインです。
ホエイプロテインとの違いは、カゼインプロテインはチーズやヨーグルトを固める成分(一般に乳固形分と呼ばれるもの)をベースに作るプロテインです。
カゼインプロテインの効果
カゼインプロテインはホエイプロテインに比べて体内に吸収されるスピードが緩やかな特徴があります。
吸収速度がゆっくりしているため、腹持ちを良くしたいときに活用されます。
カゼインプロテインのデメリット
カゼインプロテインのデメリットはホエイプロテインに比べてアミノ酸のシステインの含有量が少ないことが挙げられます。
そのため、免疫力に対するメリットがホエイプロテインよりも少ないことです。
ゼインにはシステインが少ないことです。システインが多いとグルタチオンが増えるため、システインを多く含むホエイを飲むと免疫が高まるという話を前にしました。そのためカゼインには免疫向上のメリットが少ないのです。
システイン摂取によるグルタチオン産生量増加は、窒素バランスを改善して筋肉量を増やすことにつながります。(※49,※50)
この面からもホエイはカゼインに勝っていると言えます。
引用:山本義徳 著 『アスリートのための最新栄養学(上)~三大栄養素編』
49:Abnormal glutathione and sulfate levels after interleukin 6 treatment and in tumor-induced cachexia. FASEB J. 1996 Aug;10(10):1219-26.
50:Effect of supplementation with a cysteine donor on muscular performance. J Appl Physiol (1985). 1999 Oct;87(4):1381-5.
また、カゼインプロテインは必須アミノ酸「ロイシン」の含有量がホエイプロテインよりも低いです。
そのため、ホエイプロテインと同じ効果を得るためには摂取量を増やす必要があります。
カゼインプロテインはこんな方におすすめ
- ゆっくりとタンパク質を吸収したいと考えている方
- いろいろな種類のプロテインを試してみたいと考えている方
- 「とろみ」のあるプロテインが好きな方
ソイプロテイン
ソイプロテインの原料は、名前の通りソイ(大豆)のタンパク質だけを粉末にしたものです。
ソイプロテインの効果
ソイプロテインは大豆が原材料なので、大豆に含まれているイソフラボンの効果があり血流改善などが期待できます。
また、カゼインプロテインと同様に体内への吸収スピードが緩やかなので満腹感が持続します。
大豆を粉末状にしたものですので、ホエイプロテインよりも価格が安いのも特徴の1つです。
ソイプロテインのデメリット
ソイプロテインのデメリットは、大豆を粉末状にしたものなので他のプロテインに比べて粉っぽくなりやすく、溶けにくいためダマになりやすいことが挙げられます。
最近ではコストを抑えるために遺伝子組み換え大豆を使用しているケースもあり、安全性に問題がある場合がありますので、ソイプロテインを選ぶ場合は信頼のおけるものを選びましょう。
ソイプロテインはこんな方におすすめ
- 腹持ちの良いダイエットに向いたプロテインを探している方
- 宗教上の理由などから動物性タンパク質を摂取できない方
- コストパフォーマンスのよいプロテインを探している方
- ホエイプロテインでお腹が緩くなってしまう方
プロテインの効果
プロテインを飲むとどのような効果が得られるのでしょうか?
プロテインを飲むとタンパク質をしっかりと補給することができますので、次のような効果が期待できます。
プロテインを飲むメリット
- カロリーを抑えてタンパク質をしっかりと補給できる
- 運動と合わせて筋力アップ
- ダイエット効果
- ストレス解消
- 免疫力アップ
- 疲労回復
- 安眠効果
詳しくは下記記事で具体例を挙げて解説しています。
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プロテインの飲み方
1日に摂取するプロテインの量
1日に摂取するプロテインの量は、タンパク質が1日にどのくらい必要なのかによって変わってきます。
1番簡単な方法は、現在の体重から1日に必要なタンパク質量を求める方法です。
体重の数値 × 2 (g)
ここから、食事から摂取するタンパク質を考慮して、足りない分をプロテインで補給してあげます。
例えば、体重が70kgの人の例を見てみましょう。
体重70kgの人は、1日のタンパク質摂取量が70×2=140gであることがわかります。
朝食から20g、昼食から30g、夕食から30gのタンパク質を摂取する場合で考えてみます。
食事からは合計80gのタンパク質を摂取できますので、足りない分は140-80=60gです。
そこで、足りない60gを2回に分ければ、1回30gのタンパク質をプロテインで補給してあげればよいことになります。
詳しくは下記記事で解説していますので、合わせて確認してみましょう。
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プロテインを飲むタイミング
プロテインを効率よく飲むタイミングは大きく分けると4つあります。
プロテインを飲むタイミング
- 起床後~朝食時
- 間食時
- 運動の前後
- 就寝前
プロテインを飲むタイミングについて詳しくは下記の記事で解説していますので、合わせて確認してみましょう。
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まとめ:自分にあったプロテインの種類を選ぼう!
プロテインの種類や効果など、プロテインに関する疑問にお答えしてきました。
プロテインを活用することでカラダに必要な三大栄養素のタンパク質を手軽に補給することができます。
あなたの目的に合わせてプロテインの種類を選びましょう。