ダイエットを始めてみたけどなかなかうまくいかず、どうしても食欲を抑えられないとお悩みのあなたに伝えたいことがあります。
あなたの食欲が収まらないの科学的な根拠があることをご存知ですか?
「タンパク質がしっかりと満たされていれば、無駄な食欲は湧かない!」
あなたの食欲が止まらないのは、タンパク質が不足していることが原因かもしれません。
タンパク質が足りないと食欲が収まらずにモリモリ食べてしまいます。
逆に、タンパク質をしっかりと補っておくと腹持ちがよく、無駄な間食や食べ過ぎを抑えてくれます。
この記事ではオックスフォード大学の研究結果を参照しながら、タンパク質をしっかりと補っておくと腹持ちがよく、タンパク質が足りないと食べ過ぎてしまう科学的根拠を解説し、ダイエットに使える豆知識をご紹介します。
この事実を知らないと、あなたは食べ過ぎの呪縛から解放されずにブクブクと太り続けてしまうでしょう。
この記事でわかること
- ダイエット中の空腹感を和らげるコツを知ることができる
- 無駄な食欲を抑えることであなたのダイエットを加速できる
- タンパク質による満腹感を高める効果を知ることで、総摂取カロリーの低下につながり、減量に結びつきやすい
タンパク質とは?
タンパク質とは何でしょうか?
誤解を恐れずに言えば「タンパク質がカラダを作っている」と言えます。
私たちが食べ物から摂取する栄養素のうち、とくに重要な役割を持っている「タンパク質」「脂質」「炭水化物」を三大栄養素といいます。
三大栄養素 | 内容 | 多く含まれている食材 |
タンパク質(Protein) | カラダを構成するためのありとあらゆる部分の材料となる。筋肉、骨、爪、髪、皮膚、内臓、ホルモン、神経伝達物質など、カラダのほとんどすべてのパーツを構成する大切な栄養素。 | 肉類、魚介類、豆・種実類、 乳製品、卵など |
脂質(Fat) | 脳のはたらきや関節のスムーズな動き、ホルモンの分泌や脂肪燃焼にも使われる大切な栄養素。 | ごま油、オリーブオイル、チーズ、ナッツ類など |
炭水化物(Carbohydrate) | 主にカラダを動かすためのエネルギーとして使われる栄養素。過剰に摂取するとほとんどが体脂肪として蓄積されてしまう。 | 穀物、いも類、麺類、果物など |
この中で最も重要な栄養素がタンパク質です。
なぜなら、私たちのカラダは頭の先からつま先まで、すべてタンパク質によって構成されているからです。
タンパク質の主なはたらき
- 筋肉・骨・歯をつくる
- 皮膚・髪の毛・爪をつくる
- 血管・血液をつくる
- 酵素をつくる
- ホルモンをつくる
- 抗体(カラダに入ったウイルスや細菌をカラダから追い出すための物質)をつくる
私たちのカラダは、細胞が集まってできた集合体です。
この細胞を作るための材料となるものがタンパク質です。
カラダを家に例えてみましょう。
家を建てる場合、屋根の材料、柱や壁、土台の基礎など、木材やコンクリート、釘や接着剤、塗料といった材料が必要です。
カラダも同様に筋肉や骨、内臓や血液、ホルモン(カラダの必要な部位で化学反応を起こすために使われる物質)や酵素(カラダの中で起こる化学反応のときに使われる触媒)、ウイルスや細菌からカラダを守ってくれる抗体など、すべてのカラダを構成する物質にも材料であるタンパク質が必要です。
材料がなければ家が建たないのと同じように、タンパク質がなければ私たちのカラダは機能しません。
タンパク質はカラダにとって必要不可欠で大切な栄養素なのです。
タンパク質が足りないと、食欲が収まらない
タンパク質がカラダにとって大切な材料であることがわかりました。
私たちのカラダを構成する細胞もタンパク質の重要性について本能的に認識しています。
そのため、タンパク質が足りないと食欲が収まりません。
なぜなら、タンパク質が足りないと細胞は本能的に危機を感じ取りますので「もっと食べてタンパク質を補給しろ!」と脳に命令を送り続けます。
カラダにとって必要十分なタンパク質が満たされると「もういいよ」と細胞レベルで満たされますから「もう食べなくていいよ」と脳に信号が送られます。
つまり、ダイエット中の空腹感はカラダ(脳)によって支配されているのです。
その結果、次のようなロジックが成り立っています。
【タンパク質が満たされていると腹持ちがよくなる理由】
タンパク質が体内に十分に満たされている
↓
これ以上補給する必要がないと脳が判断
↓
空腹を感じない
↓
腹持ちがよい
たとえば、料理をする食材が足りないとき「食材買ってこなくっちゃ」と自分で買い物に行ったり、他の人のお願いしたりして食材を確保します。
必要十分な食材が集まれば「食材全部そろったから、もう買わなくていいな」と認識します。
これを科学的に証明したものが、オックスフォード大学が発表した「プロテインレバレッジ説」です。
ダイエットするならプロテインレバレッジ説を知っておこう
2005年5月にオックスフォード大学から1つの仮説が提唱されました。
それが“Obesity: the protein leverage hypothesis(*1) ”「肥満:タンパク質の影響力説」です。
これはプロテインレバレッジ説と呼ばれています。
プロテインレバレッジとは「人間の食欲とタンパク質の摂取量は逆相関関係にある」という仮説です。
わかりやすく言えば「タンパク質が足りないと食欲が続き、タンパク質が十分に足りると食欲がなくなる」ことを表しています。
「レバレッジ」とは、てこのチカラのことです。
てこを使うと小さなチカラで大きな作用を得ることができます。
小さなチカラで大きな結果を生み出すことを「レバレッジを効かす」と表現します。
つまり、「少量のタンパク質が大きな食欲を生み出すことを左右する」と言えます。
プロテインレバレッジ説は仮説として提唱されましたが、その後さまざまな研究結果が報告され、タンパク質の摂取量はカラダの全エネルギー摂取量と逆相関関係にあったことが証明され、プロテインレバレッジ説が正しかったと結論づけています。
その例をいくつか紹介します。
プロテインレバレッジに関する研究結果
事例1
オックスフォード大学が2005年にアメリカ臨床栄養学会に報告した高タンパク質ダイエットが食欲の減少を誘発する研究結果(*2)では、日常のタンパク質摂取量を15%から30%に変えるだけで摂取カロリー、体重および体脂肪において、すべて減少したことが確認されています。
事例2
22人の被験者において食事のタンパク質摂取量を変えた(*3)ところ、タンパク質の比率を下げると総摂取カロリーの増加が確認され、タンパク質の割合が炭水化物や脂質によって希釈されると、潜在的な体重増加のリスクを高めることを示しています。
事例3
16歳から52歳の男女79名を対象に行った研究結果(*4)では、高タンパク質の食事を行った人は通常の食事、および低タンパク質な食事を行った人に比べて顕著な総摂取カロリーの減少が確認されました。
事例4
シドニー大学の研究報告(*5)によると、過去38件の研究結果からタンパク質の摂取量が増えると総摂取カロリーの減少傾向が確認されています。
事例5
2017年にコスタリカの女性135人を対象に行われた調査結果(*6)から、タンパク質の総摂取量は全エネルギー摂取量と逆相関関係にあったことが確認されました。
このように、タンパク質の摂取量が十分でないと食欲が増し太るリスクが高くなってしまいます。
太るリスクを下げて効果的にダイエットを行うには、タンパク質の摂取量を十分に確保することが大切であることが証明されています。
どのくらいタンパク質を摂取すればよいのか
タンパク質が食欲に関係していることはわかりました。
では、ダイエットに効果的なタンパク質の摂取量はどの程度なのでしょうか。
ロジックダイエットでは、体重1kgあたり2gのタンパク質を摂ることをおすすめしています。
以下のように計算すると、簡単に1日のタンパク質摂取量を求めることができます。
1日のタンパク質摂取量 = 体重 ×2(g)
たとえば、体重が60kgの人であれば、60×2で120gのタンパク質を摂取することで、ダイエット効果を高めることができます。
なぜ1日に体重×2gのタンパク質摂取が効果的なのかについては、論文を参照し、実際に自分のカラダでも検証した結果をまとめた次の記事をご参照ください。
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タンパク質の摂取方法
それでは、具体的にタンパク質をどのように摂取すればよいのか、いくつかコツをお伝えいたします。
タンパク質を多く含む食品
タンパク質を多く含む食品は、次のような種類があります。
タンパク質を多く含む食品
- 肉類
- 魚介類
- 豆類・種実類
- 乳製品・卵
- プロテイン
これらの食品をうまく組み合わせることで、上手にタンパク質を摂取することができます。
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タンパク質を摂るときのコツ
「タンパク質を多く摂ればいいんだろ?」と何も考えずにバクバク食べてしまうと、必要以上にエネルギー(カロリー)を摂取してしまうため、そのエネルギーを消費しきれずに体脂肪となって蓄積されるリスクが高まります。
たとえば、買い物などで使ったレジ袋や紙袋。
あとで使えそうだからともらった袋をすべて取っておくと、気づくと袋だらけになっていたことはありませんか?
いくら便利なものだからといって必要以上にため込んでしまうと、ただのごみにしかなりません。
タンパク質もただ闇雲に摂っていたのでは太るリスクを増やしてしまいます。
そこで、タンパク質を多く摂るためには押さえておきたいコツがあります。
タンパク質を摂り方のコツ
- 食品選びのコツは、高タンパク質・低脂質なものを選ぶ
- 肉を選ぶときのコツは、脂身の少ない部位を選ぶ
- 調理するときのコツは、余分な脂を落とす調理法を選ぶ
- プロテインを活用する
高タンパク・低脂質な食材を選ぶ
いくらタンパク質が大切だといっても、タンパク質を摂ったことで太ってしまっては本末転倒。
そこでおすすめが「高タンパク・低脂質」な食材を選ぶことです。
タンパク質が豊富でかつ低脂質な食材であれば余分なカロリーを摂らずにすむため、ダイエットに効果的です。
以下に高タンパク・低脂質な食材の例を記載します。
<出典:出典:改訂 見て覚える食品の栄養価 食品80キロカロリーガイドブック、香川綾、女子栄養大学出版部より一部をグラフ化、ホエイプロテインについてはBULK SUPPLEMENTS.COM CLEAN & PURE BULK SUPPLEMENTSより栄養素を抜粋>
肉を選ぶときは脂身の少ないものを選ぶ
肉は全般的に高タンパクな食材です。
しかし、どの部位を食べるのかによって摂取するカロリーが変わってきます。
なぜなら、タンパク質も豊富ですが、部位によっては脂身(脂質)も多く含まれているからです。
たとえば、豚肉なら「豚ばら」よりも「豚ロース」、「豚もも」といった部位を選ぶことで余分な脂肪をとらずにすみます。
おおよその目安として、脂肪分が少なるなる肉の部位は以下のような順番になります。
ヒレ[高タンパク・低脂質]
↑
むね(皮なし)
↑
もも
↑
かた
↑
ロース
↑
ばら[高タンパク・高脂質]
調理するときは余分な脂を落とす調理法を選ぶ
たとえ同じ食材を使ったとしても、どのように調理するのかで摂取するエネルギーも変わってきます。
たとえば、同じ鶏もも肉で料理を作る場合、唐揚げで食べるよりも焼いたり茹でたりしたほうが余分なカロリーを抑えることができます。
一般的に、調理方法は以下の順で摂取するエネルギーが少なくなります。
調理法によるエネルギーの変化
プロテインを活用する
タンパク質を自分に必要な量(体重×2g)摂ろうとすると、意外と大変なことに気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たとえば、体重が60kgの人であれば、体重1kgあたり2gで計算すると1日に120gのタンパク質を補う必要があります。
これは、ステーキに換算するとおよそ600g前後、たまごなら18個以上、牛乳であれば4L程度に相当します。
これらの食材はタンパク質だけで構成されているわけではなく脂質も含まれていますので、簡単にカロリーオーバーとなり、使い切れなかったエネルギーは体脂肪として蓄えられてしまいます。
そこでおすすめなのがプロテインを活用することです。
簡単に言えば、プロテインは必要な栄養素だけをギュッと詰め込んだ超濃厚なタンパク質食品です。
<出典:BULK SUPPLEMENTS.COM CLEAN & PURE BULK SUPPLEMENTSより栄養素を抜粋>
プロテインをおやつ代わりに飲んだり、寝る前に飲んだりすることで、余分なカロリーを摂らずにタンパク質を手軽に補うことができます。
プロテインを使うメリット
- 高タンパク・低脂質な食品なので、余分なカロリーを摂取せずにタンパク質を補給できる
- 1回の利用でどのくらいのカロリーを摂取したのかが簡単にわかるため、摂取カロリーの管理がしやすい
- 水や牛乳などに溶かして飲むだけなので、手軽に飲むことができる
- 間食やおやつ、運動前や運動後、起床後や就寝前など小分けにタンパク質を補給しやすい
- 消化・吸収がよいので、胃腸にかかる負担が少ない
まとめ:タンパク質をしっかり補給して腹持ちを良くさせよう!
「よし、痩せるぞ!」と気合を入れて食事制限をしても、かえって太るリスクを増やしてしまいます。
仮に痩せることができたとしても、リバウンドすることが目に見えています。
私も「食べなきゃ痩せるんだろ」と過度な食事制限をして、たしかに痩せましたが、気合を抜いた瞬間に「アッ」という間にリバウンドした経験があります。
気づいてみれば、ダイエットをすればするほど以前の体重よりも増えてリバウンドをしてしまうことを12年間も続けてしまいました。
これは何かおかしいと、片っ端から本を読み漁り、カラダが痩せる仕組みやタンパク質の重要性についてしっかりと学びました。
食事の大切さを知り、プロテインを食事とうまく併用することで、今までにように悩まされることなく、苦痛を感じることなくダイエットに取り組むことができるようになりました。
ダイエットに初めて成功してから8年の歳月がたちましたが、タンパク質とうまく付き合うようになってからは、リバウンドもなく、体脂肪率を10%台で維持できるようになりました。
私の実体験からも、プロテインレバレッジの有効性を実感しています。
結論
ダイエットに取り組むなら、タンパク質を不足させないこと!
どうせ痩せるなら、健康的に、かつ苦痛なくダイエットに取り組みたいですよね。
そうであれば、プロテインレバレッジを有効に活用し、あなたのダイエットを成功させてください。