これらの疑問を解決します。
「HMBってよく見かけるけど、ホントに効果あるかな…?」
「HMB、試してみたいけど失敗したくないし…」
「HMBがダイエットに効果的って、なんで?」
これらは私がダイエットを始めてしばらくしたあと、HMBサプリメントの存在に気づいたときに抱いていた疑問と不安です。
HMBの口コミを見ると「効果なし!」「痩せない!」挙句のはてには「HMBはお金の無駄!」とコメントする人もいます。
残念ながらHMBに関しては誇大広告があちらこちらで出回っているのも事実。
その情報を鵜呑みにしてHMBを摂ってもダイエット効果はもとより、筋トレの効果も現れません。
結論から申し上げます。
HMBは正しく活用すればダイエットも筋肉の成長も効果的に促進してくれます。
これは徹底的に論文資料を読み漁り、そこから得た知見で実際に自分のダイエットにHMBを活用した結果だと確信しています。
この記事では、医学誌や学会で掲載された論文を参照しながらHMBに関連する詳しい情報を紹介し、それに基づいて私が実際にHMBでダイエットに成功した際の体験談や事例を含めて、ダイエットにもHMBが効果的である真相に迫ってみたいと思います。
HMBの飲み方やタイミング、プロテインとの違いや私が実際にHMBを試して気づいたことなど、HMBのダイエット効果について徹底解説いたします。
HMBが人気な理由とは?
バリっと割れた腹筋やキュッと引き締まったウエスト、プリっと持ち上がったヒップは、筋肉をつけて理想のカラダを作りたいと願う人にとっての憧れです。
今日では肉体美を持つ人もアスリートや芸能人でさえもHMBを摂取していると公言しながらインスタグラムやツイッターに写真をアップしていることもあり、HMBは人気が急上昇中です。
関連
HMBを愛用しているスポーツ選手といえば、メジャーリーガーのダルビッシュ有投手が有名で、自身のTwitterでもHMBについて言及しています。
HMBに効果なしみたいは研究論文が発表されたと目にしました。
ですが自分にとってはテアニン、グルタミンに次いで体感できたサプリメントです。
色々な事、モノを試しまくってきた自分にとっては"最新の研究"に説得力はあまりないです。続
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) August 14, 2018
第一線で活躍しているアスリートのダルビッシュ有選手が愛用していることからも、筋力アップ・筋肥大・運動パフォーマンスの向上に効果的であることがわかります。
HMBはどんな効果が期待できるの?
HMBがもつ効果とはどのようなものなのでしょうか。
HMBは筋肉を作るのを助けるのと同時に筋肉が分解されて失うのを制御するはたらきがあります。
筋肉は筋タンパク質が合成されて作られた筋細胞が集まってできた集合体で、巨大なゴムのような構造をしています。
筋肉はいくつもの筋細胞が集まって「ひとつの巨大な細胞」のように振る舞う、いわば巨大なゴムのようなものだと言えます。
この巨大なゴムは、小さなゴムが集まってできたもので、小さなゴムの1つ1つは「筋原繊維」と呼ばれるタンパク質でできた繊維です。
(A)は筋肉の構造とサルコメアとの関係。(B)はミオシンとアクチンの形
引用:武村政春著 『たんぱく質入門』、ブルーバックス、2011
筋肉は使うことによって筋線維(小さなゴム)が壊れてしまいます。
壊れた筋線維は修復されますがまた壊れてしまうので、破壊と修復を繰り返しながら大きく成長していきます。
この破壊と修復を繰り返す過程で必要となるものが筋タンパク質です。
筋タンパク質は筋肉の材料で、いわば小さなゴムの材料と言えます。
筋タンパク質の合成が進めば筋肉は増えますし、逆に筋タンパク質が分解されると筋肉量が減ってしまうのです。
この筋タンパク質の合成と分解にHMBが作用します。
HMBが筋肉を形成する仕組み
- 筋タンパク質の合成を促すmTORと呼ばれる酵素を介入した経路を活性化する(*1)
- 筋タンパク質の分解を促すユビキチン・プロテアソーム経路を抑制する(*2, 3)
簡単にいえば、HMBは筋タンパク質を合成するmTORのスイッチをONにし、筋肉を分解するユビキチン・プロテアソーム系経路のスイッチをOFFにします。
これにより、HMBを摂取することで筋肉の合成が筋肉の分解よりも多くなり、筋肥大が起こりやすく、筋力アップができるのです。
そもそもHMBって何?
そもそもHMBとはどのようなものなのでしょうか?
HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸:βHydroxy-βMethylButyric acid)は、日本では「3-ヒドロキシイソ吉草酸」と呼ばれています。
HMBは必須アミノ酸である分岐酸アミノ酸(BCAA:Branched Chain Amino Acid)の1つ「ロイシン」から生成される物質です。
ロイシンが材料となって体内でHMBを産生することができます。
ところが、その生成量は少なく摂取したロイシンのおよそ5%しかHMBに変換されない(*4)のです。
食事から摂取したロイシンでHMBを体内で作り出すこともできますが、その生成量はわずか5%しかないため、HMBは直接摂取する方が効率がよいことがわかっています。
HMBは1996年にアイオワ州立大学Steven L Nissen教授の指導によって実施されたHMB摂取時における筋力の変動を調べた実験(*5)で人体に対する効能がアメリカで立証され、サプリメントとしてHMBが普及し始めました。
日本でも2010年ころから販売されるようになり、厚生労働省が5年に1回更新する各栄養素に対する見解をまとめた「日本人の食事摂取基準(*6)」で2015年にHMBについて高齢者に対する筋肉量低下・身体能力低下の予防効果を発表して以来、HMBはサプリメントとして人気を集めています。
参考
日本国内でHMBと言われるものは、HMBとカルシウムを結合させたHMBカルシウム(カルシウムビス-3-ヒドロキシン-3-メチルブチレ-トモノハイドレート)として配合されています。
また、HMBカルシウムは筋肉の維持にはたらきかけ、運動と併用することで、自立した日常生活を送る上で必要な筋肉の維持・低下制御に役立つ機能が消費者庁に報告(*7)され、機能性表示食品としてサプリメントが販売されたことも人気を拡大させています。
参考
機能性表示食品とは事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。
販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。
HMBが向いている人と向いていない人
HMBはどんな人に向いているサプリメントなのでしょうか?
HMBサプリメントが向いている人
HMBが向いている人は次のような方です。
こんな方におすすめ
- 筋トレを始めた
- スポーツが好きだ
- 筋肉量を増やしたい
- 運動は嫌いじゃない
- カラダを引き締めたい
- 美容にも気をつけている
- ダイエットしても痩せなくなった
- 運動もやりがいを感じにくくなった
- 健康的な美ボディにあこがれている
- 最近体力が落ちてきたと感じている
- 筋肉量は落とさずにダイエットしたい
- 筋トレしてもなかなか筋肉がつかない
- 運動を併用したダイエットを始めたい
- 続けられるサプリメントを探している
このような方にはHMBが向いています。
とくに、これからカラダを作っていこうとしている筋トレ初心者の方々はHMBによって筋肉の増加と体脂肪率の減少で効果を得やすいです。
なぜなら、筋肉が発達していない分だけ「伸びしろ」があるので、筋肉が成長しやすく「筋肉をつくりなさい」とスイッチを押してくれるHMBを活用すると高い効果が期待できます。
せっかく筋トレや運動をはじめてみよう思っても「理想のボディになれるかな」「ダイエットもうまくいくかな」「続けられるかな」と思っていては、心配と不安でストレスがたまってしまいます。
ストレスはダイエットの天敵!
ストレスがある状態でダイエットやボディメイクは長続きはしません。
どうにかしたいと思っても、何も続けられずに挫折してしまいます。
HMBは筋肉を作るのを助けるのと同時に筋肉が分解されて失うのを制御するはたらきが確認されていますので、HMBをうまく活用して体質改善を図りながらストレスの少ない楽しくなるダイエット・ボディメイクを実践してみてはいかがでしょうか。
HMBサプリメントが向かない人
こんな方には向いていない
- サプリメントはどれも同じでしょと思っている
- HMBを飲むだけで効果があると思っている
- とにかく楽して痩せたいと考えている
- 食事のバランスがかなり崩れている
- 体を動かすことがおっくうだ
- 短期間で結果を出したい
- 運動しないで痩せたい
- 汗をかくのが嫌いだ
HMBはいわゆる「アミノ酸系サプリメント」です。
HMBは筋肉の維持にはたらきかけ、運動との併用で自立した日常生活を送る上で必要な筋肉の維持・低下抑制に役立たせ、健康的な生活を送るためのサポートをしてくれます。
適度な運動と組み合わせることで効果が最大限に発揮されますので、運動が嫌い、汗をかくのが嫌いといった方には向かないサプリメントです。
また、トレーニングが足りない人も効果を感じづらいです。
筋肉量は適度なトレーニングによって筋線維が傷つき、それを修復することで回復しながら大きく成長しますから、筋線維が傷つくほどの負荷をかけてあげなければHMBを摂っても効果はありません。
筋肉の成長もダイエットも体質改善を図る必要がありますから、体質改善を図るなら最低でも3ヵ月は必要です。
飲むだけですぐに効果があると思っている人や、中・長期的にサプリメントを活用してしっかりと運動と併用しながら試せる方以外は、HMBを購入しない方が良いでしょう。
HMBの実証された効果
ここからは、国際スポーツ栄養学会で発表された論文や各研究機関によって実証されているHMBの研究結果を参照しながら、HMBの効果について紹介いたします。
参考
国際スポーツ栄養学会(ISSN: International Society Of Sports Nutrition)は、スポーツ栄養学に関する世界最大の国際非営利団体組織です。
ISSNではさまざまな研究論文が取りまとめられ、誰でも閲覧できる公開された学術誌 “The Journal of the International Society of Sports Nutrition” を発表しています。
HMBに関する研究報告も数多く掲載されており、80件以上の研究論文を網羅しています。
HMBは安全性とエビデンスが示されたサプリメント
国際スポーツ栄養学会が2018年にサプリメントに関する報告(*8)を行いました。
これまでに報告された筋トレとサプリメントの研究結果をまとめ、それぞれのサプリメントの効果をエビデンスに応じて3つのレベルに分類しています。
その中で、HMBは筋肉を増強するサプリメントとして「明らかに安全で、効果のある強力なエビデンスを示すもの」に分類されています。
<引用:ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations, Journal of the International Society of Sports Nutrition2018より抜粋>
HMBの4つの効果を知っておこう
HMBに関する研究論文は多く発表されていますが、国際スポーツ栄養学会が2013年に発表した報告書(*9)で、ダイエットやボディメイクにおけるトレーニングに対するHMBの効果として次の4つを示しています。
HMBの実証された4つの効果
- 筋肥大の増加
- 筋損傷の回復
- 加齢による筋肉減少の予防
- 体脂肪量の減少
筋肥大の増加
筋肉の成長は筋肉のもととなる筋タンパク質の合成作用が分解作用よりも多くなったときに生じます。
この記事の冒頭でも紹介しましたが、筋細胞はトレーニングなどにより「タンパク質を合成せよ!」と指令が伝わることで増えていきます。
指令を受けた筋細胞は、細胞の外にあるアミノ酸を材料にして筋タンパク質を合成していきます。
このときに筋細胞の内外に情報の伝達を行う必要があり、この情報の伝達経路を担っているのが「mTOR: mammalian target of rapamycin」と呼ばれる酵素です。
mTORが活性化することでタンパク質の合成が増えるのです。
HMBはmTORを活性化する作用があるため筋肉の合成が促進(*1)されるのです。
HMBを摂取する
↓
シグナル伝達回路「mTOR」が活性化
↓
タンパク質合成酵素が活発化
↓
筋肉の合成が増える
筋肉の合成に関する検証は、アイオワ州立大学Steven L Nissen教授の指導によって実施されたHMB摂取時における筋力の変動を調べた実験(*5)が有名です。
行われた実験は3つのグループに分けた被験者に3週間のレジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)を行い、それぞれのグループでの筋力変動量を確認しHMBの効果について検証するものでした。
分けられたグループと実験結果のグラフは以下のとおりです。
- HMBの摂取なし(コントロール群)
- HMB 1.5g/日を摂取するグループ
- HMB 3.0g/日を摂取するグループ
<出典:Change in muscle strength (total of upper and lower body exercises) from week 1 to week 3 in subjects supplemented with Ca-β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB). Each set of bars represents one complete set of upper and lower body workouts. *** P < 0.01; ** P < 0.02; * P < 0.03 (significant linear effect of HMB supplementation).>
HMBを摂取したグループと摂取しなかったグループでの筋力変化量は明らかで、1日にHMBを3gを摂取したグループは、摂取しなかったグループに対しておよそ2倍の伸び率を示しています。
ポイント
HMBを摂取しながら筋トレを行うと、HMBを摂取しなかった場合に比べて筋力量がアップすることが確認されています。
筋損傷の回復
私たちのカラダは筋肉だけでなく、細胞や酵素、ホルモンなどあらゆるものがタンパク質で作られています。
タンパク質の主なはたらき
- 筋肉・骨・歯をつくる
- 皮膚・髪の毛・爪をつくる
- 血管・血液をつくる
- 酵素をつくる
- ホルモンをつくる
- 抗体(カラダに入ったウイルスや細菌をカラダから追い出すための物質)をつくる
いわばカラダの中はタンパク質の製造工場のようなもの。
タンパク質を作る際には、普通の製造工場と同じように「タンパク質の品質管理」が重要です。
万が一不良品ができた場合には廃棄処分されるのと同じように、タンパク質も不良品が作られると廃棄する必要があります。
なぜなら、不良品のタンパク質がカラダの中に出回ってしまうと、カラダのあちこちで不具合だらけになり、すぐに体調を崩してしまいます。
下手をすると命の危険にもなりかねません。
このタンパク質の不良品廃棄を担当しているのが「ユビキチン・プロテアソーム系」と呼ばれるはたらきです。
関連
ユビキチンは76個のアミノ酸から作られたタンパク質で、不良品のタンパク質が見つかるとその不良品のタンパク質に結合して「このタンパク質が不良品ですよ!」と教えてくれる目印になります。
ユビキチンの目印がついているタンパク質が見つかると、プロテアソームと呼ばれるタンパク質分解酵素がユビキチンの結合しているタンパク質に作用してタンパク質を分解(廃棄)します。
とくに筋トレやトレーニングの後など筋肉にとって強い刺激が与えられると、ユビキチン・プロテアソーム系は大きくはたらきます。
そのため、せっかく筋トレやトレーニングで筋肉に刺激を与えて大きくしようとしても、ユビキチン・プロテアソーム系によって筋肉が分解されるリスクが高くなってしまうのです。
そこでHMBの登場です。
HMBはユビキチン・プロテアソーム系を阻害する効果(*2, 3)があります。
つまり、HMBは筋肉の分解に関与する「ユビキチン・プロテアソーム系」のはたらきを弱め、筋肉の分解を抑えて筋肉量の減少を和らげてくれます。
HMBを摂取する
↓
ユビキチン・プロテアソーム系を阻害
↓
筋肉の分解を和らげる
↓
筋肉量が減りにくくなる
筋肉は強い刺激や長時間の継続的な負荷によって損傷してしまいます。
骨格筋の細胞が損傷・および破壊されると、クレアチンフォスキナーゼ(CPK: creatine phosphokinase)と呼ばれる酵素が血液中に放出されます。
同様に、骨格筋の細胞に損傷があった場合、乳酸脱水素酵素(LDH:lactate dehydrogenase)が上昇します。
この作用を使って、筋肉の損傷度合いをHMBの摂取あり・なしで比較する実験(*10)がアイオワ州立大学で行われました。
実験では、男女8人ずつ(計16人)のボランティア(年齢は20~50歳で、少なくとも週に48km以上走っているランナー)をランダムに2つのグループに分けました。
それぞれのグループに6週間プラセボ(偽薬)とHMBのサプリメントをそれぞれ3mg摂取してもらいながらトレーニングを行い、その後4800mの勾配がある20kmのクロスカントリーに挑戦し、CPK・LDHの変動をクロスカントリーの実施前、実施後の4日間モニターしました。
(Pre:実施2週間前、Post:実施直後、1d Post:実施1日後、2d Post : 実施2日後、3d Post : 実施3日後、4d Post : 実施4日後)
この結果から、HMBを摂取したほうが明らかに筋肉の損傷レベルが少ないことがわかりました。
ポイント
HMBは筋肉の合成を助けるだけでなく、筋肉の分解を抑制する効果が確認されています。
加齢による筋肉減少の予防
私たちがどんなにお金をつぎ込んでもかなわないものがあります。
それは年齢の増加に伴う老化。
歳をとればとるほど、筋骨格(筋肉や骨)の総量が少なくなってしまいます。
下の図は男女別の筋肉繊維の幅(グラフ赤線)と骨密度(グラフ青線)の年齢による変化を示したグラフです。
このグラフからわかるように、男性なら30~40歳、女性なら20~30歳をピークに徐々に筋肉量も骨密度も低下の一途をたどっていきます。
<出典:”Aging and the Muscle-Bone Relationship” Physiology (Bethesda). 2015 Jan; 30(1): 8-16 >
これは加齢に伴って筋タンパク質の合成に対する抵抗性(anabolic resistance)が高まるためです。
つまり、何もしなければ加齢とともに筋肉量がどんどん低下してしまうのです。
ここでHMBが活躍します。
高齢になっても筋肉量を維持するには、材料となるより多くのアミノ酸が必要となります。
アミノ酸の中でもBCAAのロイシンは筋肉の合成の活性化(*11)とプロテアソームを阻害してタンパク質の分解を防ぐ作用(*12,13)が筋タンパク質の合成に対する抵抗性に効果的であることが示されているので、ロイシンの代謝副産物であるHMBにおいても同様の効果が報告されています。
参考
BCAAとは必須アミノ酸の「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つで構成されている分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acids)のこと。
厚生労働省の発表した2015年の報告書(*6)によると、高齢者を対象に行った調査結果として4つの事例が記載されています。
- 1日2gのHMBを12週間補給したところ筋力が増加し身体能力も向上した
- 1日2gのHMBを4週間補給したところ、体重、上腕筋囲、下腿周囲長などの指数が有意に改善した
- HMBを作り出すロイシンを1日2回、4ヶ月間摂取したところ、除脂肪体重と筋力の増加と歩行機能が改善した
- ロイシンが高濃度で配合されたサプリメントの補給とレジスタンス運動を3ヶ月行ったところ筋量、歩行速度、筋力が有意に改善した
引用:日本人の食事摂取基準(2015年度版)より要約して抜粋
ポイント
HMBは加齢に伴う筋肉量の減少を予防してくれます。
体脂肪量の減少
HMBの脂肪燃焼効果については、ダイエットでも注目されるポイントの1つです。
この記事を作成時(2020年11月現在)にはHMBが体脂肪量の減少に寄与するメカニズムは明らかになっていませんが、HMBは体脂肪量を減少させる効果が報告されています。
ここではいくつかの研究結果を紹介いたします。
まず、国立台湾大学によって研究結果(*14)が報告されています。
十分にトレーニングを積んだ体重が同じ階級の女性柔道家8人を対象に1日に3gのHMBを摂取するグループとプラセボを摂取するグループに分け、下記の食事制限を設けながら3日間の稽古を行い、カラダに現れる変化を記録しました。
<食事制限の内容 : 共通項目>
タンパク質:体重kgあたり1.33g
脂質:体重1kgあたり0.03g
炭水化物:体重1kgあたり3.6g
摂取カロリー:体重1kgあたり20kcal
<出典:EFFECT OF β-HYDROXY-β-METHYLBUTYRATE SUPPLEMENTATIONDURING ENERGY RESTRICTION IN FEMALE JUDO ATHLETESより実験結果をグラフ化>
この結果から、運動パフォーマンス(ウィングゲートテスト:30秒間全速力ペダルこぎテストと10mダッシュ)はほぼ同じ増減だったのに対し、体重・体脂肪の減少量がHMBを摂取したグループのほうが顕著に大きかったことがわかります。
HMBを摂取しながら食事制限と運動を行うことで、筋力のパフォーマンスは維持しながら体脂肪を減らす効果が確認されています。
国立台湾大学の研究では食事制限を設けましたが、食事制限を行わずにレジスタンストレーニング(筋トレ)だけで行われた研究結果も報告されています。
Vukovichらの研究(*15)によれば、8週間に渡って週2回のエクササイズを毎日3gのHMBを摂取しながら行ったところ、HMBを摂らずに実験に参加したグループよりもHMBを毎日3g摂取しながら実験に参加したグループは体脂肪が多く減少したとのことです。
HMBを摂取したグループは4.07%の減少、HMBを摂らないグループは0.31%の減少を示し、筋力はHMB摂取グループが17.2%の増大、非摂取グループは8.3%の増大でした。
さらに、39名の男性と36名の女性が参加した4週間にわたって行われたPantonらの研究(*16)ではHMBを摂取したグループは1.1%の体脂肪減少、摂取しなかったグループは0.5%の減少が確認されました。
このときの上半身の筋力はHMBを摂取したグループで7.5kgの増大、摂取しなかったグループは5.2kgの増大で、除脂肪体重はHMB摂取グループが1.4kgの増大、非摂取グループが0.9kgの増大でした。
食事制限を行わずにHMBを摂取しながら筋トレを行っても、体脂肪が減少し、筋肉量が増えることが確認されています。
以上の研究結果からもわかる通り、ダイエット中や減量中はどうしても筋肉量が減ってしまいがちですが、HMBをダイエット中に活用することで筋肉の減少を防ぎながら体脂肪量を減らす効果も期待できます。
ポイント
HMBを摂取することで、筋肉量を維持できるとともに、体脂肪量が減少しやすくなることが示されています。
コラム:私がダイエットでHMBに着目した理由
この章では私の体験談をお伝えしたいと思います。
私がHMBをダイエットに活用しようと決めたのはカラダが痩せるメカニズムと筋肉量の関係に着目することができたからです。
次の3つの観点から考えてHMBが効果的なのではないかと思い、HMBを使う決心をしました。
- カラダが痩せるメカニズム
- 筋肉量がカラダのエネルギー消費量を決定する
- HMBはダイエット中の筋肉見張り役
カラダが痩せるメカニズム
どうして人は太ったり痩せたりするのでしょうか?
カラダが太るか、それとも痩せるか、運命を決めているのは1日の摂取カロリーと消費カロリーの差、つまりカロリー収支です。
私は以前にこのようなつぶやきをしました。
とても基本的なことなんだが、できていない人が多いので改めてシェア。(って、昔の自分もできてなかったから12年間もリバウンドしてたわけで😅)太るも痩せるも、実はめっちゃ単純なしくみ。痩せたきゃ運動量増やすだけ、That's it !! あ、食べなきゃ痩せないよ、だって痩せるにもエネルギーいるから pic.twitter.com/JaaXYs6SLE
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) June 13, 2020
基本的には、食べ物を食べた分のエネルギーとカラダを動かして使ったエネルギーのバランスによって、太るのか痩せるのかが決まります。
絶対に押さえておきたいカロリー収支の基本原則
- 摂取カロリーと消費カロリーが同じ場合 :現状維持
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも多い場合 :体重が増える
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも少ない場合 :体重は減る
たとえば、お金。
お金の収入額と使ったお金の出費量が同じなら、手元に残るお金は増えもせず減りもしません。
収入額が出費よりも多ければ貯金はたまっていきます。
逆に出費が収入額よりも多ければ赤字となり、貯金は減っていきます。
つまり、ダイエットを成功させるためには摂取カロリーよりも消費カロリーを増やしてあげればよいと気づけたのです。
筋肉量がカラダのエネルギー消費量を決定する
では、どのように消費カロリーを増やせばよいのでしょうか。
カラダの中で活動エネルギーを作り出しているのが「ミトコンドリア」と呼ばれる細胞内器官です。
私たち人間が動いたり、考えたり、はたまた恋をしたりすることができるのは、ひとえにミトコンドリアが作り出す活動エネルギーのおかげです。
このミトコンドリアが一番多く含まれているのが筋肉です。
筋肉は例えればエンジンのようなもの。
筋トレをするとエンジンの排気量(ミトコンドリアの数)が増え、アイドリング時の燃費が悪くなる(消費される燃料が多くなる)のです。
筋肉量が増える
↓
ミトコンドリアの量が増える
↓
ミトコンドリアで脂肪酸が燃焼する機会が増える
つまり、筋肉量を増やせばミトコンドリアが増え、カラダの消費エネルギーが高くなります。
HMBはダイエット中の筋肉見張り役
ダイエットを成功させるには摂取カロリーを減らす(つまり食事を制限する)か、消費カロリーを増やす必要があります。
私たちのカラダは食事が制限されてしまうと、生きていくうえで必要不可欠なタンパク質の摂取量も減ってしまうため、タンパク質の貯蔵庫である筋肉を分解してタンパク質を再利用します。
すなわち、カロリー制限をすることにより筋肉量も減少しやすくなります。
筋肉が分解されてしまうとミトコンドリアの量が減ってしまいます。
ミトコンドリアが減ってしまうとカラダの中で消費されるエネルギーも減ってしまいます。
食事を制限する
↓
タンパク質の摂取量が減る
↓
筋肉が分解されてしまう
↓
ミトコンドリアも減る
↓
消費カロリーが減る
↓
ダイエットがうまくいかない
せっかく食事制限をして摂取カロリーを抑えても、筋肉量が減って消費カロリーが減ってしまっては、プラマイゼロでダイエットがうまくいきません。
そこで着目したのがHMBの効果です。
HMBは筋肉の合成を促進し、筋肉の分解を防ぎ、体脂肪を減らすこと論文資料からわかっていました。
つまり、HMBはダイエット中に引き起こされやすい筋肉の分解を防ぎ、体脂肪を減らしやすくしてくれます。
これが私がHMBをダイエットに活用した理由です。
HMBの効果的な摂取方法
HMBの効果についてはわかりました。
では、この効果を実際に体感するためにはどの程度のHMBを摂取すればよいのでしょうか?
順を追って確認してみましょう。
- HMBはサプリで摂るのがおすすめ
- 1日あたりのおすすめ摂取量
- 効果的な摂取のタイミング
- おすすめはプロテインと併用すること
- HMBを摂るなら筋トレをしよう!
HMBはサプリで摂るのがおすすめ
たしかに、HMBは体内で作り出すこともできます。
しかし、HMBはサプリメントで摂取する方が効果的です。
なぜなら、HMBはロイシンから生成される量が5%しかないからです。
たとえば、HMB3gを体内で作り出すためには60gのロイシンが必要になります。
60gのロイシンを摂取するにはどの程度の食品を摂取する必要があるのでしょうか?
文部科学省の食品成分データベースによると、60gのロイシンを食べ物から摂取するには、以下のような食べ物を摂取する必要があります。
60gのロイシンを食べ物から摂取するには…
- 乾燥ニシン:822g(およそニシン6匹分、1776kcal)
- かつお節:1017g(およそ339パック、3620kcal)
- にぼし:1224g(およそ4080匹、3672kcal)
- 豚ヒレ肉:1875g(およそ63切れ、2156kcal)
このように、食品から60gのロイシンを摂取することは現実的に難しいことがわかります。
では、タンパク質をギュッと濃縮したプロテインではどうでしょうか?
60gのロイシンをプロテインから摂取するには…
- カゼイン:714g(およそ23杯分、2600kcal)
- ホエイ:645g(およそ27杯分、2367kcal)
こちらも現実的ではありません。
ポイント
HMBはサプリメントから摂取することが効率的です。
豆知識:HMBサプリメントは2種類ある
HMBのサプリメントは大きく分けると2種類存在します。
1つがHMB-Ca(HMBカルシウム)で、もう1つがHMB-FA(HMB遊離酸:Free Acid form of HMB)です。
日本で販売されているHMBサプリメントは、ほとんどがHMBカルシウムを採用しています。
国際スポーツ栄養学会でもHMB遊離酸の効果について触れており、HMB遊離酸は体内での吸収性と持続性がHMBカルシウムよりも高い可能性があることを述べています。
<出典:1gのHMBを摂取した場合のHMB血中濃度の比較:HMB-FA vs. HMB-Ca (国際スポーツ栄養学会のHMB公式声明より)>
しかし、HMB遊離酸の実証試験数はHMBカルシウムに比べて少なく、HMB遊離酸の優位性を裏付けるには十分な研究数が足りないことも明記しています。
私もこの記事を作成するにあたり、本当にHMB遊離酸もダイエットに効果的なのかを自分のカラダで3か月の期間モニターしながら検証しました。
その結果、以下のような結論に至りました。
HMB遊離酸を実際に試して体感したこと
- 有酸素運動なしで筋トレ+PFCバランスの調整で体脂肪を落とすことができた。
- 筋トレ+PFCバランスにHMB遊離酸サプリを組み合わせると、体脂肪は減らしながら徐脂肪体重を増やすことができ、ダイエットの理想形を体感できた。
- 体脂肪量:1.6kg減量、徐脂肪体重:0.8kg増量に成功!!
このHMB遊離酸を試しながらダイエットに挑戦した3か月間の結果については、下記で詳しく紹介しています。
1日あたりのおすすめ摂取量
これまで参照してきた国際スポーツ栄養学会の声明や研究報告・論文を総括して考えるとHMBは1日に3gを目安に摂取することがもっとも効果的であるといえます。
「効果があるのならたくさん摂取すればよいのでは?」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、1日に3g以上摂取してもそれ以上の効果は実感できないでしょう。
詳しくは「HMBを摂取する際の注意点」で解説いたします。
効果的な摂取のタイミング
HMBをサプリメントで摂取する場合、どのタイミングで摂取するのが効果的なのでしょうか?
国際スポーツ栄養学会の公式声明や研究報告を参照すると運動の30~60分前に1~2gのHMBを摂取することが効果的であるといえます。
血液中に存在するHMBの滞在時間が長いほど、HMBの効果を実感できると考えますので、ロジックダイエットでは以下のHMB摂取タイミングをおすすめします。
HMB摂取のタイミング
- 午前中に1g
- 午後に1g
- 運動の30~60分前に1g(運動しない日は寝る前に1g)
このように、HMBを1回で3g摂取するのではなく、1日を通して小分けに摂取することで血液中のHMB濃度を高い状態で保つことができ、HMBのダイエット効果を発揮しやすくなります。
より効果的にHMBの効果を実感したい人は、1回500mgのHMBを3~4時間おきに飲むと、血中のHMB濃度を常に高い状態で保つことができますのでおすすめです。
また、運動しない日はHMBを摂らなくても良いのではと考えてしまいがちですが、運動しない日でもHMBを摂取することをおすすめします。
なぜなら、筋肉の合成と分解は運動を行っていない休息日でも行われているからです。
休息日に筋肉の回復が行われていますので、このタイミングでHMBを摂取してあげれば筋肉の回復を高め、さらに成長させることが可能です。
おすすめはプロテインと併用すること
プロテインをうまく活用しよう!
HMBは単体で摂取するよりもプロテインと併用したほうが効果的に筋肉の合成・分解の抑制・体脂肪量の減少を行うことができます。
なぜなら、カラダの機能をつかさどっているのはタンパク質であり、筋肉の材料となるのもタンパク質だからです。
どんなにHMBを摂取しても筋肉の材料となるタンパク質が不足していては筋肉を作ることができません。
かといって、タンパク質が豊富な食材ばかりをバクバク食べていては、カロリーオーバーで太ってしまい本末転倒に。
そこでおすすめがプロテインを併用すること。
プロテインは良質なタンパク質をギュッと濃縮した、いわば超濃厚なタンパク質食品です。
HMBだけではなく、しっかりとタンパク質を補ってトレーニングを行うことがもっとも効果的なダイエットです。
ポイント
HMBとプロテインの併用であなたのボディメイクを加速させましょう。
HMBとプロテインの違いは?
HMBの主な役割は各細胞にはたらきかけて「筋肉をつくれ!」とスイッチを押すことです。
一方、プロテインの主な役割は実際に筋肉を作るための材料になることです。
筋トレなどの運動によってダメージを受けた筋繊維は、次に来るかもしれないダメージに備えてもっと大きく強くしようと、以前よりも太く強い筋肉を合成します。
これが筋肉が成長する仕組みです。
筋肉が成長するときに必要となるのは、筋肉を太く強く合成しなさいと命令を出すことと、それに必要な材料であるタンパク質(アミノ酸)です。
たとえるなら、HMBとプロテインはオーケストラの指揮者と演奏者の関係と言えます。
指揮者(HMB)がいなければ、オーケストラの演奏を始めることはできませんし、いつどのタイミングで演奏の流れやバランスを整えるのかも制御できなくなってしまいます。
一方でオーケストラに伴奏者(プロテイン)がいなければ、たとえ指揮者が何人いても演奏を奏でることはできません。
指揮者(HMB)と伴奏者(プロテイン)がガッチリと手を組んで演奏に取り組むことで、素晴らしいオーケストラとなって聞く人たちを魅了してくれます。
つまり、HMBとプロテインはどちらか一方だけではなく、両方を併用することで相乗的に効果を上げることができるサプリメントと言えます。
HMBを摂るなら筋トレしよう!
ダイエットでHMBの効果を実感するためには適度な運動が欠かせません。
このときにおすすめなのが筋トレです。
なぜなら、筋肉の活動量をあげるためには筋肉そのものに強い負荷をかける必要があるからです。
筋肉に負荷のかかる強度の強い運動はさまざまな種類がありますが、一番簡単な方法は筋肉に負荷をかけながら運動を行うレジスタント・トレーニング、いわゆる筋トレです。
なぜ脂肪燃焼に筋トレをおすすめするのか、以下に示します。
脂肪燃焼に筋トレがおすすめの理由
- 筋肉量が増えることで、何もしていなくても消費されるエネルギー量が増える
- 筋肉量が増えればミトコンドリアの量も増える
- 有酸素運動よりコスパがよい
- EPOCが上がりやすいので、運動後も脂肪燃焼効果が続く
- 脂肪動員ホルモンを発動させやすい
このように、ダイエットするなら筋トレが断然おすすめです。
上記の理由については下記の関連記事にて詳しく解説しています。
あわせて読みたい
HMBを摂取する際の注意点や副作用について
この章ではHMBを摂取する際に注意しておいた方が良いことやHMBの副作用について確認していきます。
HMBの誇張広告やステマに気をつけよう!
ここまでダイエットに有効なHMBの実証された効果について確認してきました。
これらの実証された結果からHMBのダイエット効果が注目を集めているだけに、HMBサプリメントに対する誇張広告やヤラセ記事があとを絶たないのも事実です。
残念ながら、サプリメント業界では消費者の誤解を逆手にとった広告がとくに多く見受けられます。
- HMBを摂るだけで筋肉がつく
- HMBはプロテインの20杯分
- プロテインの時代は終わった
- 飲んで数週間で効果を実感
- HMBを飲むだけで脂肪が減る
- トレーニングや運動なしでシェイプアップする
このような情報を目にした場合は、インチキ情報であると疑ってかかって下さい。
HMBに限らず、飲むだけで痩せたり筋肉ムキムキになったりするようなサプリは存在しません。
誇張広告やステマ記事のために、HMBは飲むだけで筋肉が付く・体脂肪が落ちるサプリメントだと勘違いしている方がいらっしゃいます。
参考
ステルスマーケティング、いわゆる「ステマ」とは消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることです。
たとえば、Amazonなどの広告収入を目的に本来あまり効果の期待できないサプリメントや広告単価の高いサプリメントを掲載したり、サプリメントを売るために本来の効果よりも大げさに言って宣伝したりすることです。
もし仮に、HMBサプリメントを飲むだけで筋肉が付き、プロテインも飲む必要がなければ、筋肉を生業としているプロのボディビルダーや筋トレおたくによってHMBは買い占められ、値段が高騰しているはずですし、サプリメントにおける「プロテイン」のカテゴリーはHMBによって潰されているはずです。
しかし、実際はそのようなことはありません。
注意ポイント
つまり、HMBは魔法のサプリメントではないのです。
誇張広告やステルスマーケティングはインターネットを活用した悪質な販売手法です。
これらの販売手法にだまされないようにするには、消費者自身が情報の取捨選択能力を高めることが重要です。
ポイント
どこまでが本当の情報で何が嘘なのか、しっかりと見極めてサプリメントを選ぶように心掛けましょう。
HMBを摂るだけではダイエット効果はない!
HMBは薬ではありませんから、飲むだけで痩せたり筋肉がついたりすることはありません。
HMBは必須アミノ酸である「ロイシン」から生成されたサプリメント、つまりHMBは栄養を補助する食品です。
ある特定のものを食べたからと言って、それだけで痩せたり筋肉がムキムキになったりするようなことはありませんよね?
これと同じで、HMBを摂るだけではダイエット効果はありません。
ダイエットにおけるHMBの効果を引き出すためには適度な運動と栄養(タンパク質)補給が欠かせません。
注意ポイント
「HMBを摂るだけでダイエット効果がある」という考えは今すぐ捨てましょう。
タンパク質が不足しないように注意!
どんなに運動を行っても、タンパク質が不足しているとダイエット効果は得られません。
なぜなら、カラダの機能をつかさどっているのがタンパク質だからです。
カラダの余分な体脂肪を落とすためには、カラダの機能が正常にはたらく必要があります。
ところが、タンパク質が不足するとカラダの機能が正常にはたらかなくなります。
とくにダイエット中は摂取するカロリーも栄養素も少なくなるため、タンパク質不足の症状が出やすくなってしまいます。
私は以前このようなつぶやきをしました。
あれ、その症状…
🔸貧血気味
🔸疲れやすい
🔸肌がガサガサ
🔸うまく動けない
🔸思考回路停止気味
🔸髪ガサガサ爪割れる
🔸集中力がよく途切れる
🔸ボーッとしてるのが多い
🔸なんだか私、イライラする
🔸寝つきが悪く起きるのも辛いタンパク質不足だね
プロテインでタンパク質クイックチャージを☝️— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) July 14, 2020
もし以下の項目が1つでも当てはまれば、あなたはタンパク質が不足している可能性があります。
タンパク質が不足すると引き起こされる症状
- 貧血
- 疲れやすい
- 筋肉の減少
- 顔や手足のむくみ
- ストレスがたまる
- 肌や髪、爪のトラブル
- 集中力・思考力の低下
- 病気にかかりやすくなる
- リバウンドしやすいカラダになる
- 精神的に不安定になる・うつになりやすい
注意ポイント
ダイエットを行う際はタンパク質が不足しないように注意しましょう。
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HMBは摂り過ぎても意味がない!
HMBの効果を強くしようと「たくさんHMBを摂取すればよいのでは?」と考えてしまう方もいらっしゃるかと思います。
ところが、HMBの摂り過ぎは筋肉合成を促進する効果が発揮できないことがボールステイト大学で実施された研究論文で紹介されています(詳しくは次の章で解説します)。
HMBの効果をしっかりと感じたいなら適正量を守って使用することが大切です。
ポイント
HMBは摂り過ぎても逆効果ですので、摂り過ぎには注意して用量を守って使用しましょう。
HMBの副作用について
HMBの副作用についてはどのようなことが報告されているのでしょうか?
この記事を作成している2020年11月現在、大きな副作用が報告された例を見つけることができませんでした。
研究報告などを見つけ次第、アップデートさせていただきます。
HMBの摂りすぎはカラダにどのような影響を与えるのか?
HMBの過剰摂取テストがボールステイト大学で実施され、その結果が報告(*17, 18)されています。
行われた実験は以下の通りです。
被験者37人を3つのグループに分け、8週間のレジスタントトレーニング(いわゆる筋トレ)を行い、除脂肪体重(Fat Free Mass)がどれだけ変化したかを検証しています。
- HMBを摂取しない
- HMBを体重1kgあたり38mg毎日摂取
- HMBを体重1kgあたり76mg毎日摂取
<出典:“β-hydroxy-β-methylbutyrate ingestion, Part I: effects on strength and fat free mass” Medicine & Science in Sports & Exercise: December 2000 - Volume 32 - Issue 12よりHMB摂取時における除脂肪体重の変化>
HMBを体重1kgあたり38mg摂取したグループは除脂肪体重が増加しているのに対し、HMB未摂取、および体重1kgあたり76mgを摂取したグループは除脂肪体重の変化が確認されませんでした。
この結果から言えることは、HMBは摂りすぎると筋肉合成を促進する効果が発揮できないことがわかります。
また、この実験後における血液検査と尿検査が行われましたが、人体への悪影響は確認されませんでした。
<出典:“β-hydroxy-β-methylbutyrate ingestion, Part II: effects on hematology, hepatic and renal function” Medicine & Science in Sports & Exercise: December 2000 - Volume 32 - Issue 12よりHMB過剰摂取後の白血球レベルの変化>
<出典:“β-hydroxy-β-methylbutyrate ingestion, Part II: effects on hematology, hepatic and renal function” Medicine & Science in Sports & Exercise: December 2000 - Volume 32 - Issue 12よりHMB過剰摂取後のコレステロールの変化>
<出典:“β-hydroxy-β-methylbutyrate ingestion, Part II: effects on hematology, hepatic and renal function” Medicine & Science in Sports & Exercise: December 2000 - Volume 32 - Issue 12よりHMB過剰摂取後の尿素窒素・血糖値・ヘモグロビンの変化>
この実験結果から、HMB過剰摂取における白血球、コレステロール、肝臓機能、血糖値、ヘモグロビン、腎臓機能など、いずれにおいても副作用は確認されませんでした。
ポイント
HMBの推奨量の2倍である6gを1ヶ月間摂取した場合でも人体に対する影響がなかったことから、国際スポーツ栄養学会はHMBの安全性に対して「全く問題ない」と結論付けています。
おすすめのHMBは?
HMBサプリを選ぶときは継続しやすい製品を選ぶとよいでしょう。
HMBは継続して飲んでこそ、その効果が実感できるようになるからです。
また、飲みやすさにもこだわると続けやすくなります。
ダイエットにおいても筋肉量アップにおいても、タンパク質の材料となる「必須アミノ酸」が必要です。
参考
必須アミノ酸(EAA:Essencial Amino Acid)は9種類のアミノ酸のことで、私たちのカラダの中で構成することができず、食事から摂らなければならないアミノ酸です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
せっかくHMBを摂るなら、必須アミノ酸を欠かさないように心掛けましょう。
ダイエットにおすすめのHMBサプリ
基本情報 | |
ジャンル | HMB + BCAA + クレアチン |
料金 (税別) |
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成分 | HMB(HMBカルシウム)、BCAA、クレアチン、L-シトルリン、L-カルニチン、黒胡椒抽出物、生姜粉末、ハバネロ粉末、無臭ニンニクエキス末、7種のビタミン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、L-メチオニン、L-ヒスチジン塩酸塩、L-トリプトファン、L-ナイアシン、パントテン酸Ca、葉酸 |
1日の摂取 目安 | 1日2粒を目安 |
1日当たりのコスパ | 111円/1日あたり(6ヶ月分の平均) |
おすすめ したい人 |
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クロノマッスルHMBはクレアチン配合のHMBサプリメントです。
理想の体づくりに必要な栄養成分を高配合し、マッスルライフを徹底サポートしてくれます。
HMB以外にも、理想の体つくりをサポートするための成分が豊富に含まれています。
続けるとカラダの変化も見えてきて、ダイエットそのものが楽しくなってきます。
筋肉をしっかりとつけて絞りたい人におすすめのHMBサプリ
基本情報 | |
ジャンル | EAA + HMB |
料金 (税別) |
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成分 | EAA、HMB(HMBカルシウム)、RMR(酵素分解ルチン)、クレアチン、コレウスフォルスコリ、フェヌグリーク、松樹皮エキス、グルタミン、クエン酸、バイオペリン、トンカットアリ、マカ |
1日の摂取 目安 | 1日4粒を目安 |
1日当たりのコスパ | 33円/1粒あたり(3ヶ月分の平均) |
おすすめ したい人 |
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プロテインやBCAAなど他のアミノ酸系サプリに比べ、シェイカーを持ち歩いたり、水に溶かしたりしなくてよいので、携帯性に優れていてどこでもすぐに飲めるのがいいですね。
筋肉の成長に欠かせない必須アミノ酸(Essensial Amino Acid)を凝縮したタブレットなので、いままでプロテインを飲むのが面倒くさくなってしまった人でも続けられるでしょう。
パーフェクトビルドEAAは90日間の完全返金保証がついていますから、まずは90日間試してみて、変化が出なければ返金してもらえばよいわけですから、あなたが損をすることはありません。
憧れのボディを手に入れるか、仮に万が一効果が出なくてもお金は返ってきますから、試さない手はないですね。
女性におすすめのHMBサプリ
基本情報 | |
ジャンル | HMB + ソイプロテイン + 黒生姜 + GABA |
料金 (税別) |
|
成分 | ソイプロテイン、HMB(HMBカルシウム)、ブラックジンジャー、コラーゲン、GABA、ビタミン |
1日の摂取 目安 | 1日9粒を目安 |
1日当たりのコスパ | 9.19円/1粒あたり(2ヶ月分の平均) |
おすすめ したい人 |
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しなりずむは頑張っている女性がふと「きれいになりたい」と思った時、そっとそばで支えてくれる女性のためのHMBサプリです。
しなりずむに普段の生活で脂肪を消費しやすくするために有効な成分がしっかりと含まれているだけでなく、錠剤タイプなので飲みやすく続けやすい。
しなりずむはお腹の脂肪を減らす機能性表示食品なのでリピート率が86%以上あり、20~50代女性が選んだ手軽に飲めそうなサプリNo.1の座に輝きました。
商品に満足いかない場合は45日間の返金保証もついているので、安心して試してみてはいかがでしょうか?
まとめ:ダイエットにもHMBを活用しよう!
ここまで読み進めていただいたあなたは、HMBサプリメントの真相を理解していただけたと思います。
最後に国際スポーツ栄養学会のガイドラインで実証されたエビデンスをもう一度確認しておきましょう。
HMBの実証された公式声明(ガイドライン)
- HMBは筋タンパク質の合成を促進し、分解を抑制することによりトレーニングによる筋肥大効果を増大させる(特にトレーニング初心者は顕著)
- HMBは筋トレ後の筋損傷の回復を高める(特にトレーニング初心者は顕著)
- HMBは加齢による筋肉減少を予防する
- HMBはカロリー制限と組み合わせることで体脂肪量の減少を促進させる
- HMBの最適な摂取量は1日に38mg/1kgである
- HMBの最適な摂取タイミングはトレーニングの1~2時間前が望ましい
- HMBの効果を最大限に得たい場合は2週間以上の継続した摂取が推奨される
- HMBによる安全性は研究により確認されている
- ガイドラインでの検証はHMBカルシウムによるものであり、今後はHMB遊離酸の検証結果が期待される
HMBサプリメントは正しく摂取することで健康的にカラダづくりをサポートしてくれます。
健康的にダイエットに取り組む人が増えることはロジックダイエットの理念と合致しますので、大歓迎です。
しかしながら、消費者をだましてでもサプリメントの売り上げを伸ばそうとする輩も出てきてしまっていることも事実。
このような広告やサイト記事を見つけた場合は、明らかに怪しいと疑いの目を持つことも我々消費者がカラダと一緒に鍛えていかなければならない肌感覚なのかもしれません。
この記事があなたのHMBサプリメントに対する意識の変化と、正しいサプリメント選びの指標になることを願っています。
ロジックダイエットは、ロジック(論理)に沿った正しく・誰にでも効果の出るダイエット法だけを今後もシェアしていきたいと思います。