「燃焼系サプリって、いろいろな種類があるけど、結局どれを選べばいいの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
たしかに、ダイエットをサポートするさまざまな燃焼系サプリメント(以下、サプリ)が世に出回っています。
効果のあるものから眉唾物まで、あらゆる種類のサプリがダイエット用に売られています。
「燃焼系」と言われても、いったい何を燃やすのかがはっきりとわからないため、燃焼系サプリはどれにすればよいのか迷ってしまう方が大半ではないでしょうか。
この記事では、ダイエットをサポートする燃焼系サプリの効果について徹底解説し、燃焼系サプリの種類とその選び方について詳しくご紹介します。
この記事を読み終えるころには、あなたに合ったピッタリの燃焼系サプリを自信をもって選ぶことができます。
「燃焼系」って何を燃やすの?
そもそも、「燃焼系」という言葉はどこからつけられたのでしょうか?
たしかに、「火に油を注ぐ」とことわざでもあるように、油は燃えるイメージがあります。「燃える・燃焼する」について調べてみると、次のような意味があります。
燃焼(ねんしょう)とは、可燃物(有機化合物やある種の元素など)が空気中または酸素中で光や熱の発生を伴いながら、比較的激しく酸素と反応する酸化反応のことである 『wikipedia』
一言でいってしまえば、燃焼(燃える)とは、酸素と結びつく化学反応です。
実は、燃焼系サプリとは、カラダにたまった体脂肪を酸素と結びつけて燃焼させ、エネルギーに変換することで体脂肪を減らすサポートをする栄養補助食品だったのです。
本当に体脂肪は燃えているのか
燃焼系サプリは、体脂肪の燃焼を促進するための栄養補助食品であることはわかりました。しかし、本当に体脂肪は燃えるのでしょうか。
この事実について、調べた研究結果があるのでご紹介します。
カラダにたまった体脂肪とは、主に中性脂肪(トリグリセリド)のことで、トリグリセリドは炭素(C)、水素(H)、酸素(O)が結合することでできた化合物です。
これが体内で燃焼、つまり酸素と結びつくと、二酸化炭素と水、エネルギーに変換されることがニューサウスウェールズ大学のアンドリュー・ブラウン教授と物理学者のルーベル・メア―マンによってイギリス医療界雑誌(British Medical Journal)に報告されています。
私たちは絶えず酸素を吸って二酸化炭素を吐いていますが、二酸化炭素はカラダの中で糖質や脂肪が燃えた後の「燃えカス」だったのです。
体脂肪の詳しい燃焼の仕組みについては後述いたします。
体脂肪が燃焼されるメカニズム
それでは、体脂肪がどのようにしてカラダに蓄積され、エネルギーとして使われていくのか確認してみましょう。
体脂肪とは
体脂肪とは、飢餓などの非常事態に備えて、あらかじめ体内にエネルギーを確保するために蓄えられた中性脂肪のことで、主に脂肪細胞の中にある袋状の入れ物(脂肪滴といいます)のなかに蓄えられています。
中性脂肪は「トリグリセリド」と呼ばれていて、アルコールの種類である「グリセリン」と3つの「脂肪酸」によって構成された化合物です。
このとき、私たちが活動のエネルギーとして燃やして使えるのは「脂肪酸」です。
脂肪酸のままでは保管できないため、グリセリンと結合することで体脂肪として体内に保管しているのです。
つまり、体脂肪(中性脂肪)はそのままでは燃やすことができないのです。
蓄えてある体脂肪を使ってエネルギーを取り出すためには、グリセリンと脂肪酸に分解する必要があります。
中性脂肪を分解する
中性脂肪の状態では燃やしてエネルギーにすることができません。では、どのように中性脂肪を分解し、燃焼させるのでしょうか。
中性脂肪を分解する「リパーゼ」
このときに使われるものが、中性脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解するはたらきをもつ「リパーゼ」です。
「リパーゼ」はアミノ酸を材料にして体内で作られた酵素(カラダの中で行われる化学反応をサポートするためのたんぱく質)です。
リパーゼのはたらきによって、中性脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解されます。
豆知識:2種類あるリパーゼ
リパーゼには、食事からとった中性脂肪を分解するための「リポたんぱくリパーゼ」と体脂肪に蓄積された中性脂肪を分解する「ホルモン感受性リパーゼ」の2種類あります。
この記事では、体脂肪を燃焼させることがメインテーマのため、「リパーゼ」と記述するものは「ホルモン感受性リパーゼ」を指しています。
分解されたグリセリンは、アルコールの種類のため肝臓に送られて代謝(必要は物に変換されて使われる)され、脂肪酸はミトコンドリアに運ばれて燃焼され、エネルギーに変換されます。
ミトコンドリアは、細胞の中に含まれている組織で、必要な物質を燃やしてエネルギーを作り出す、いわばエンジンのようなものです。
エンジンの場合、ガソリンなどの燃料を燃やして運動エネルギーを発生させています。
ミトコンドリアも同じように糖(グルコース:ブドウ糖のこと)や脂肪酸を燃料にして燃やし、カラダが活動するためのエネルギーを作り出しています。
グルコースはミトコンドリア以外でも代謝されますが、脂肪酸はミトコンドリア以外では代謝されません。
つまり、体脂肪を減らすには、ミトコンドリアに脂肪酸を運ばなければならないのです。
消化酵素リパーゼが中性脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解し、燃焼できるようにする
脂肪酸をミトコンドリア内部に運ぶ「L-カルニチン」
リパーゼによって中性脂肪が脂肪酸に分解されても、残念ながら、そのままではミトコンドリアで燃焼することができません。
なぜなら、脂肪酸はミトコンドリアの細胞膜をそのままでは通過できないからです。
そこで「L-カルニチン」の出番です。「L-カルニチン」は肝臓や腎臓でアミノ酸のリジンとメチオニンから作られたアミノ酸の化合物です。
L-カルニチンが脂肪酸と結合することでミトコンドリアの内部に脂肪酸を送り届けることができます。
また、先ほどのリパーゼはミトコンドリア内に取り込まれると、脂肪酸を燃焼しやすくする代謝酵素としてのはたらきもあります。
L-カルニチンのはたらき
- L-カルニチンが脂肪酸をミトコンドリア内に届ける
- ミトコンドリアの中に取り込まれたリパーゼは代謝酵素として脂肪酸の燃焼を促進する
ミトコンドリアで脂肪酸を燃焼するためには
体脂肪がリパーゼによって脂肪酸に分解され、L-カルニチンによってミトコンドリア内部に運び、燃焼してエネルギーに変換されることはわかりました。
しかし、これ以外にも体脂肪を分解して燃焼するためには「きっかけ」が必要です。
「無い袖は振れない」ように、中性脂肪が使える状態になっていなければ、いくらリパーゼやL-カルニチンが頑張ったところで、ミトコンドリアで脂肪酸を燃やすことができません。
このきっかけ作りに欠かせないものが「ホルモン」です。
ホルモンはアミノ酸を材料にして体内で作られた化学物質で、ある特定の部位において重要な効果を発揮するためのたんぱく質です。
グルカゴン
グルカゴンは、カラダに蓄えてある体脂肪を燃料として使える状態にするきっかけを与えるホルモンです。
グルカゴンは空腹時に主にすい臓から分泌されます。
グルカゴンが分泌されると、脂肪細胞に蓄えてある中性脂肪を取り出し、リパーゼを活性化させて脂肪酸を血液中に放出させます。
いわば、グルカゴンは脂肪細胞のドアを解放するためのカギのような存在です。
グルカゴンのまとめ
- 空腹時に分泌されるホルモン
- カラダに蓄えてある体脂肪(中性脂肪)を取り出せるようにはたらきかける
- リパーゼを活性化させて、中性脂肪を脂肪酸に分解しやすくする
脂肪動員ホルモン(アデポキネチックホルモン)
脂肪動員ホルモンは、成長ホルモン、ノルアドレナリンやアドレナリンといった、脂肪を燃焼させるのが効果的なホルモンの総称です。
カラダの交感神経(カラダを活発に活動させるときにはたらく神経)が優位になると、脂肪動員ホルモンが分泌されます。
簡単にいえば、運動をすると脂肪動員ホルモンが分泌されやすくなります。
脂肪動員ホルモンは、カラダを興奮状態にするはたらきがあり、リパーゼが活性化されて体脂肪が分解されやすくなり、またミトコンドリアの活動も活発になりますので、脂肪燃焼効果が高まります。
また、脂肪動員ホルモンは空腹を感じにくくする効果もあります。
脂肪動員ホルモンのまとめ
- 運動時(カラダが活発な状態のとき)に分泌されるホルモン
- 脂肪動員ホルモンはリパーゼを活性化させて、中性脂肪を脂肪酸に分解して血中に放出する
- 代謝酵素を活発にし、脂肪燃焼効果を促進する
体脂肪が付く・減るのメカニズム まとめ
ここまで体脂肪が燃焼されるメカニズムについて確認してきました。
さらに詳しく知りたい方は『脂肪燃焼の仕組みをどこよりもわかりやすく徹底解説!【永久保存版】』で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
体脂肪燃焼のメカニズムからわかった4つのポイント
ここまでカラダに蓄積された体脂肪がどのようにすれば燃焼されるのか確認してきました。
脂肪燃焼のメカニズムに必要なポイントは以下のとおりです。
脂肪燃焼メカニズムに必要なポイント
- 体脂肪として蓄えてある中性脂肪を脂肪細胞から取り出す
- 中性脂肪を脂肪酸に分解する
- 脂肪酸をミトコンドリア内に運ぶ
- ミトコンドリアで脂肪酸を燃焼させる
この4つのポイントが活発に行われることで、カラダにため込んだ脂肪がガンガン燃えるようになります。
つまり、取り出す → 分解する → 運ぶ → 燃やす を促進させる成分を含んだサプリがあなたが摂るべき燃焼系サプリなのです。
燃焼系サプリの種類
それでは、これら4つの活動を促進する成分を確認していきましょう。
ホルモンの分泌をサポートするタイプ
カラダが消費する活動のエネルギーが外部から摂取したエネルギー量を超えると、活動に必要なエネルギーが不足し、体内の燃料が枯渇状態になります。
このとき、脳は体脂肪を燃料にしてエネルギーを生成するように命令を出します。
この命令を出すのがグルカゴンや脂肪動員ホルモンなどのホルモンです。
ホルモンの分泌をサポートするタイプのサプリは、ホルモンの分泌を正常化・活性化して、脂肪燃焼の効果を高めます。
【ホルモン分泌をサポートする主な成分】
成分 | 主なはたらき |
アルギニン | 成長ホルモンの分泌を促進、脂肪の代謝を促進 |
EGCG (エピガロカテキンガレート) | ノルアドレナリンを分解する酵素のはたらきを抑制 |
オルニチン | 成長ホルモンの分泌を促進 |
カプサイシン・カフェイン | 脂肪動員ホルモン(アドレナリン)の分泌を促進 |
チロシン・フェニルアラニン | アドレナリン・ノルアドレナリンの原料 |
トリプトファン | ノルアドレナリンの生成 |
エピガロカテキンガレートについては、『「カテキン」がダイエットに有効な理由をどこよりもわかりやすく徹底解説!』の記事でも詳しく紹介しています。
また、カフェインについても『「カフェイン」の脂肪燃焼効果をどこよりもわかりやすく徹底解説!』で紹介しています。
リパーゼの活性化をサポートするタイプ
前述のとおり、中性脂肪のままではミトコンドリアで燃焼することはできません。中性脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解する必要があります。
この分解を手助けしてくれるのが「リパーゼ」です。
リパーゼを活性化させることで、脂肪の分解を促進し、さらにミトコンドリア内で代謝酵素としてはたらき、脂肪燃焼の効率を上げてくれます。
【リパーゼの活性化をサポートする主な成分】
成分 | 主なはたらき |
アルギニン | リパーゼの活性化 |
プロリン | リパーゼの活性化 |
CLA(共役リノール酸) | リパーゼの活性化 |
CLA(共役リノール酸)については『CLAサプリの効果をどこよりもわかりやすく徹底解説!』で詳しく解説しています。
ミトコンドリアの活動をサポートするタイプ
分解された脂肪酸は、ミトコンドリア内で燃焼されてエネルギーに変換されます。
このとき、脂肪酸はそのままではミトコンドリア内部に入れませんので、L-カルニチンの助けを借りてミトコンドリア内部に運ばれます。
ミトコンドリアの活動が鈍っていたり、脂肪酸の取り込みに遅れが出たりすると、ミトコンドリアは脂肪酸を燃焼する活動を正常に行うことができなくなってしまいます。
ミトコンドリアの活動をサポートするタイプのサプリは、ミトコンドリア自体のはたらきを活性化させたり、脂肪酸の運搬を効率化したりすることで、脂肪燃焼効果を促進を期待することができます。
【ミトコンドリアの活動をサポートする主な成分】
成分 | 主なはたらき |
オメガ3脂肪酸(EPA、DHA) | 脂肪酸の酸化を促進(脂肪酸が燃焼しやすくなる) |
カフェイン | PGC1aを増加させ、ミトコンドリアの脂肪燃焼効率アップ |
コエンザイムQ10 | ミトコンドリア内で脂肪酸を完全に燃焼させる効率化アップ |
メチオニン・リジン | L-カルニチンの主な主成分 |
タウリン | L-カルニチンが脂肪酸と結合してミトコンドリア内部に運ぶ際に必要な成分 |
メチオニン・リジン | L-カルニチンの主な主成分 |
CLA(共役リノール酸) | L-カルニチンが脂肪酸と結合するときに必要な酵素(CPT:カルニチンパルミトイルトランスファラーゼ)を活性化 |
EGCG (エピガロカテキンガレート) | ミトコンドリアでの脂肪燃焼を促進 |
L-カルニチン | 脂肪酸をミトコンドリア内部に運ぶ |
L-カルニチンについては『カルニチンの効果についてどこよりもわかりやすく徹底解説!』で詳しく紹介しています。
燃焼系サプリの選び方
ここまで確認してきたように、燃焼系サプリと一言でいっても、さまざまな種類や成分があることがわかりました。
燃焼系サプリを選ぶときは、それぞれ含まれる成分はどのようなものが配合されているのか、またどのような効果が期待されるのかをしっかりと把握した上で、どの燃焼系サプリでダイエットに挑戦するのかを決めましょう。
何も知らずに広告主のキャッチフレーズだけでサプリを選ぶことほど、お金と時間の無駄遣いはありません。
たとえば、どこかに旅行に行くとしましょう。
旅行の目的地が決まると、どのような経路で目的地に到着するのか、日程はどのくらい必要なのか、費用はどのくらいかかるのか、宿泊先は決めたのか、飛行機を使う必要があるのかなど、細かく計画してから旅行に出発するはずです。
もし何も計画せずに旅行に出発してしまうと、時間もお金も労力も必要以上にかかってしまいます。最悪の場合、目的地に到着すらできないこともあります。
なぜなら、仮説を立て、順序立てて物事を構造化していないからです。
仮説で与えられた条件から、正しい結論が得られるのかを1つずつ確認しながら考える道筋こそがロジック(論理)です。
ダイエットは、この世で唯一「絶対」が100%成立する論理です。
ロジックがわかれば、ダイエットなんて簡単です!!
燃焼系サプリを選ぶときも旅行の計画と同じように、どのような成分が含まれていて、どのような効果が期待できるのか、予算はいくらくらい必要なのかなど、しっかりと事前調査を行ったうえで、燃焼系サプリを選びましょう。
サプリの特性をよく理解し、あなたにとって正しい燃焼系サプリを選ぶ、これがロジック・ダイエットの提案する燃焼系サプリの選び方です。