新しいことを始めて間もなく「本当に成功することができるのだろうか」と不安に襲われた経験がある人は意外と多いはずです。
これはどんなに天才であっても同様です。
なぜなら、私たち人間には未体験の事柄について恐怖を感じることで、無謀なことをせずに長く生きようとする「自己保存の法則・種の保存の法則」と呼ばれるプログラムが本能に組み込まれているからです。
新しいことを行う際は失敗を恐れないで一歩でも先にコマを進めることが重要です。
しかし、どんなに本を読んでも知識を得たとしても「失敗を恐れずに突き進め」といわれても、私達は未知のことに恐怖を感じるように作られていますから怖いものは怖いのです。
そのため、いざという局面では勇気のある一歩を踏み出すことができません。
また、失敗してしまうのではないかという恐怖のために行動を止めてしまうことも多々あります。
では、どのように恐怖を克服して一歩ずつ前に突き進むことができるのでしょうか。
これは考え方の視点をずらすことで簡単に克服できます。
この記事ではダイエットを例にして失敗してしまう人が気づいていない恐怖の取り扱い方について解説し、どのようにすれば成功できるのかお伝えいたします。
この記事を読むことで、ダイエットに対する考え方だけでなく、何か新しいことにチャレンジする局面でも役に立つ以下のような思考回路を得ることができます。
- 新しいことに挑戦するときの「失敗したらどうしよう」という恐怖は自分が勝手に決めつけている錯覚であることを理解することで、次の行動を起こすことができる
- 「失敗」に対する考え方が変わることで、途中で諦めることがなくなる
- 成功の反対は失敗ではないことを知ることで、行動を加速させることができる
何を持って「失敗」とするのか
一般的に「成功」の反対語は「失敗」であると言われています。
たしかに、対義語・反対語辞書を引いてみると「成功」の対義語・反対語は「失敗」と記載されています。
しかし、ここに失敗を加速してしまう要因が隠れています。
注意ポイント
「成功と反対」、つまり「YESとNO」の2択にしてしまうことが原因で心がポキっと折れてしまうことがあります。
たとえば、運転免許を取得するための筆記試験を受ける場面で考えてみます。
1回目のテストを受けて思うような結果が出なかったとします。
おそらく、この結果を受けてあなたは「失敗した」と考えるでしょう。
しかし、本当に「失敗」なのでしょうか。
本当の目的は自動車運転免許書を取得し、1人で車を運転できるようにすることのはずです。
記試験で良い点を取ることが「成功」ではありません。
このように、物事を「成功」と「失敗」の2択で考えてしまうために、本来の目的を履き違えてしまう傾向があります。
テストの結果は大きな意味を持っていません。
筆記試験はあくまでも合格点を取得すればよいのです。
真の目的は実際に路上を運転する際、安全に運転できるようになるための知識を身に着け、それを実践することです。
むしろ、テストの段階で間違えた箇所が多いほうが、理解を深め、勘違いしていた部分を修正できる機会が増えることになります。
実際に路上に出て運転する前に正しい知識を習得できるわけですから、多くの間違いをして事前に失敗しておいたほうが結果として将来的には好都合になります。
私も剣道の昇段試験で満を持して望んだ試験に落ちてしまいました。
「打ち」も「技」も申し分なかったと自信がありましたが、結果は不合格。
なぜ落ちてしまったのかわかりませんでした。
後日、届いた採点表を確認すると礼法に誤りがあり、立ち会いの際に使われる白線があるのですが、どうやらその線を大きく踏み越えてしまっていたことが発覚しました。
この結果を見るまでは「あぁ、落ちてしまった、失敗した」と落胆していました。
しかし、採点を見て「なるほど、立ち会いの際に白線を超えてはいけないのだな」と昇段試験に不合格になる方法を見つけることに成功したのです。
この結果を踏まえ、次の試験では無事に昇段することができました。
そして普段の稽古でも注意するようになり「ロジックの立ち会いはきれいだな」と言われるまでに成長できました。
あの時は失敗と思っていたことが大きなターニングポイントとなり、更に成長することができたのです。
ダイエットの失敗やミスを逆にチャンスと捉えターニングポイントにする
それでは、実際にダイエットの例で考えてみましょう。
現在の体重を希望の体重まで減らすことを目標に掲げてダイエットを開始したとします。
このとき、目標体重に到達できたことを「成功」、到達できなかったことを「失敗」と考えてしまいがちです。
しかし、目標に1gでも達しなかったので「失敗」と判断してしまうことは、目先の利益にだけ注目した危険な判断であると言わざるを得ません。
なぜなら、ダイエット期間をあと少し延長していたら、目標体重に到達できたかもしれないから。
また、たとえ今回は期間内に目標体重に到達できなかったとしても、カラダの変化を実感できたはずです。
たとえば、今まで履いていたズボンがゆるくなったり、ダイエット開始前に比べてお腹周りがほっそりしたりと、ダイエットを行ってきた結果、自分のカラダに起きた変化を目に見て取れるはずです。
また、設定した期間内に目標体重に到達できなかったことを「失敗」として扱わずに、新たな「課題」として捉えることができれば、次のようなメリットが生まれます。
- なぜ期間内に目標を達成できなかったのか、行ってきた過程を振り返ることで改善点を見つけるキッカケをつくることができる
- 失敗ではなく「うまくいかない方法を見つけただけ」なので、別の方法を模索するチャンスとなる
- 計画や実際に行った動作からミスを多く見つけ、それを修正するほど今後の成長のつながる
これらの考え方は、物事の全体を俯瞰(ふかん:高い視点から広く見渡すことが)でき、長期的な視野を持つことができる人に多く見られる思考回路です。
ダイエットに失敗し、リバンウンドを繰り返してしまう人ほど短期的な思考をしてしまいます。
なぜなら、短期的な思考回路を持つ人は一度でも失敗してしまうとその場で立ち止まり、すべての行動をやめてしまう傾向にあるからです。
私もダイエットに挑戦してはリバウンドして挫折する経験を何度も味わってきました。
この記事で紹介している失敗やミスを恐れない方法に出会うまでは、短期的な目先の利益だけを追い求めていました。
そのため、うまくいかなかったことをすべて「失敗」として片付け、自分自身に言い訳をしていたのです。
つまり、今までは自分で「失敗した」と思って足を止めてしまうことが多かったのです。
しかし、この思考法と出会ってからは、今まで「失敗した」と考えていたことが「なぜそのような結果になったのか」と疑問に思えるようになり、新たな課題として再スタートしようと考えられるようになりました。
つまり、成功するまで歩みを止めなければ「失敗する」ことはなくなり「失敗」が方向転換をするための岐路(ターニングポイント)となったのです。
これができると、多少のミスはどうでも良くなります。
もちろん「失敗してもよい」と開き直るのではなく、失敗と成功の線引き方法を少し変えてあげることで、ミスを恐れず思い切って行動できるようになり、失敗やミスが「成長するためのチャンス」と捉えることができるようになります。
まとめ:失敗の反対は「何も行動しない」こと
このように、ダイエットに限らず、新しいことに挑戦したときにうまくいかずに立ち止まってしまう人は、1度でも上手くいかなかったら「失敗した」と自分で勝手に定義づけてしまう癖があります。
ほとんどの場合が事実にきちんと向き合っていないために引き起こされる「事実からの逃げ」でしかないのです。
うまくいかなかった事柄に対して自分への言い訳をしているだけです。
たしかに、その瞬間はうまくいかなかったかもしれません。
しかし、それは「うまくいかない方法を見つけた」だけにすぎません。
うまくいかないやり方を見つけたので、それとは別の方法で行動をすればよいだけなのです。
ポイント
つまり「成功」の反対は「失敗」ではなく、立ち止まって「何も行動しない」ことだったのです。
ここまで読んでいただいたあなたは、下記のことに納得していただけたはずです。
- 新しいことに挑戦するときの「失敗したらどうしよう」という恐怖は自分が勝手に決めつけている錯覚であることを理解することで、次の行動を起こすことができる
- 「失敗」に対する考え方が変わることで、途中で諦めることがなくなる
- 成功の反対は失敗ではないことを知ることで、行動を加速させることができる
ロジックダイエットでは、成功の反対は「失敗」ではなく「何も行動しないこと」に置き換えることで、ダイエット中のミスや失敗を恐れずに新しいことにチャレンジできる方法を提案いたします。