これらの疑問を解決します。
引き締まったお腹、クビレのあるプロポーションは男女問わず一度は憧れるもの。
お腹の脂肪を減らそうとダイエットに挑戦するも、ちっとも減らない、そんな経験ありますよね。
この記事では、お腹のダイエットがうまくいかない12の原因をお伝えします。
私は12年間もリバウンドを繰り返してしまいました。
そのおかげでお腹の脂肪がなかなか落ちない事実を痛感し、徹底的に調べた結果、お腹の脂肪が落ちない12の原因にたどり着け、今ではうっすら割れた腹筋を手に入れることができました。
その秘訣をあなたにコッソリお伝えします。
1. 年を取るほど脂肪がたまりやすい
私たちがどんなに抵抗してもかなわないものがあります。
それは年齢の増加に伴う老化。
<参照:谷本芳美、渡辺美鈴、河野令ほか「日本人筋肉量の加齢による特徴」、老年医学会雑誌 2010:47:52-57 より表1をグラフ化>
残念ながら、私たちは歳をとればとるほど細胞レベルで衰えてしまい、筋骨格(筋肉や骨)の総量が少なくなってしまいます。
これは加齢に伴って筋タンパク質の合成に対する抵抗性(anabolic resistance)が高まるため。
つまり、何もしなければ加齢とともに筋肉量がどんどん低下してしまうのです。
次のグラフは男女別の筋肉繊維の幅(グラフ赤線)と骨密度(グラフ青線)の年齢による変化を示したものです。
このグラフからわかるように、男性なら30~40歳、女性なら20~30歳をピークに徐々に筋肉量も骨密度も低下の一途をたどっていきます。
<出典:”Aging and the Muscle-Bone Relationship” Physiology (Bethesda). 2015 Jan; 30(1): 8-16 >
筋肉は私たちのカラダでカロリーを消費してくれる、いわば発電所のような組織。
老化によって各器官や細胞、筋肉が衰えてしまうと、何もしていなくても消費されるカロリー、いわゆる基礎代謝が低下していきます。
基礎代謝が落ちてしまうと、食事から摂取したカロリーを消費しきれずに余らせてしまいます。
余ったエネルギーは脂肪としてお腹に蓄積されてしまいます。
メモ
お腹は重要な内臓がびっしりと詰まっているにも関わらず、骨に覆われていません。
そのため、カラダが内臓を守ろうとして脂肪をお腹につきやすくしています。
脂肪組織(しぼうそしき)は、脂肪細胞で構成された疎性結合組織の解剖学的用語である。 主な役割は脂肪としてエネルギーを蓄えることであるが、外界からの物理的衝撃を吸収することで重要な器官を保護したり、外界の温度変化から断熱して体温を保ったりする機能も持つ。
~脂肪組織 / Wikipedia~
年を取るほど脂肪がたまりやすい
年齢を重ね、老化に伴って細胞や筋肉が衰える
↓
基礎代謝が低下する
↓
食事から摂取したカロリーが消費しきれずに余る
↓
余ったエネルギーが脂肪としてお腹に蓄積される
2. 筋肉量が減ってきている
私は以前このようなツイートをして1000以上の「いいね」を頂きました。
姿勢の大切さと筋肉の関係は周知されないだけに盲点になりがちですね。筋肉への指示は潜在意識で行われていることから、筋肉に刺激を入れず、意識もせずじゃ、重力に負けてすべて垂れ下がってくるので姿勢も悪くなる。姿勢を意識するとRASがシグナルキャッチして丹田にも力が入りオーラも出てくる pic.twitter.com/N7Kk4E9ttS
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) October 7, 2020
ポッコリお腹の原因は脂肪だけとは限りません。
筋肉量が適性の範囲内であれば、カラダのコア、いわゆるインナーマッスルが臓器や関節をしっかりと支えてくれます。
メモ
インナーマッスルとは、関節や骨などを動かす筋肉の中で、カラダの内側についている筋肉群のこと。
たとえば、腕をグッと曲げたときに見える「力こぶ」(上腕二頭筋)はカラダの外側からでも確認できる筋肉なのでアウターマッスル(外側の筋肉)と呼ばれるのに対し、インナーマッスル(内側の筋肉)は直接見ることができない筋肉を表しています。
<画像引用:インナーマッスルとは / ケアークルー鍼灸接骨院ホームページ>
しかし、運動不足や老化によって筋肉が衰えてしまうと、胃や腸などの臓器が重力によって下がってしまうのを筋肉が支えることができなくなってしまいます。
その結果、お腹が張ってしまい、いわゆる「ポッコリお腹」ができあがってしまいます。
ポッコリお腹の原因は脂肪だけじゃない
運動不足や老化によって筋肉が衰える
↓
内臓を支える力が足りなくなる
↓
重力に負けて内臓が垂れ下がってくる
↓
ポッコリお腹が完成する
3. トレーニング方法があっていない
お腹の脂肪を落としたいからと、腹筋運動ばかりしていませんか?
断言します、お腹のたるみは腹筋運動のようなお腹に集中したトレーニングでは落とすことができません。
なぜなら、お腹の脂肪は大切なエネルギー貯蔵庫であると同時に内臓を守る大切なクッション。
私たちのカラダはそんな大事なお腹の脂肪をそう簡単に落としてはくれません。
お腹の脂肪を落とすためには、消費カロリーを高くすることができる全身運動が必要です。
たとえば、大きな筋肉群を有効に使うスクワットや全身をフルに使うバーピージャンプ、短時間でも強度が高いHIIT(高強度インターバルトレーニング)や短いトレーニングを組み合わせて行うサーキットトレーニングなどがおすすめです。
ポイント
腹筋運動ばかり行ってもお腹の脂肪は落ちません。消費されるエネルギーが増え、脂肪を燃やす機会を増やせる全身運動を積極的に取り入れましょう。
4. 結果を急ぎ過ぎている
私は以前このようなツイートをしました。
継続できない理由
結果を急ぎすぎ
何ヶ月もかけてじっくり蓄積してきたそのお腹の脂肪、短期間でおさらばしようなんて考え甘くね?
この世は全て等価交換が原則
じっくりつけたならじっくり溶かしていくしかない!
だから過去の自分と比べて少しずつでいいから楽しくなる事見つけるのが継続のコツ
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) September 24, 2020
あなたは結果を急ぎ過ぎていませんか?
たしかに、早く結果を出したい気持ちはわかります。
しかし、結果を急ぐあまりどつぼにはまってしまう可能性が高くなります。
なぜなら、ダイエットでなかなか結果が出ないとフラストレーションがたまり、ストレスを抱えてしまうからです。
ストレスを抱えてしまうと、何をするにも行動する気が起きなくなったり、暴飲暴食してしまったりするだけでなく、お腹に脂肪がたまりやすくなってしまいます(ストレスとお腹の脂肪の関係についてはこの後の章で詳しく解説します)。
私たちにはホメオスタシス(恒常性維持)の本能が備わっているため、脳の神経回路は新しい変化に抵抗するはたらきを持っています。
参考
ホメオスタシスとは、現状を維持しようとする(変化を嫌う)カラダの本能。
たとえば、心拍や血圧、体温が安定しているのはホメオスタシスのはたらきであり、新しいことを始めると三日坊主になりやすいのもホメオスタシスのはたらきです。
太りやすい習慣を痩せやすい習慣に変えるためには時間がかかります。
脳の本能であるホメオスタシスにバレないように少しずつ変化を与えてあげなければ習慣化はできません。
細胞の変化の周期である12週間、つまり、3ヵ月程度は時間がかかるものだ、と理解しておきましょう。
5. 運動しすぎている
お腹の脂肪をどうにかしようと、運動しすぎていませんか?
運動しすぎると逆に脂肪燃焼を妨げる原因になることがあります。
なぜなら、休養することなく運動を続けると疲労がたまりやすくなり、ストレスホルモンのコルチゾールが増えてしまいます。
コルチゾールの分泌が増えすぎると筋肉をタンパク質に分解してしまい、筋肉でのエネルギー代謝が落ちてしまいます。
また、コルチゾールは筋肉を分解したアミノ酸を糖新生によって糖分に変え、血糖を上げるはたらきがあり、余ったエネルギーが体脂肪として蓄えられやすくなってしまいます。
運動やトレーニングをした後は筋肉が疲労して(筋線維が破壊されて)一時的に筋力のパフォーマンスが落ちてしまいます。
この間に栄養と休養をしっかりとってあげると、トレーニング後48~72時間ほどで筋肉は前回よりも少しだけ強くなって回復されます。
この状態は「超回復」と呼ばれています。
この段階でトレーニングをすると、次の超回復でさらに筋力がアップしていきます。
つまり、適度な運動、適度な栄養補給、そして適度な休養をとることがもっとも効率よくストレスなくお腹の脂肪を燃やしていくコツになります。
ポイント
運動後にカラダをしっかりと回復させないとストレスをためるだけでなく、怪我のリスクも高くなってしまいます。
お腹の脂肪と戦うには、焦らずに時間をかけて、トレーニングメニューにしっかりと休息日を設けるようにしましょう。
6. ホルモンバランスが崩れている
私たちのカラダの機能と密接な関係を持つホルモンバランスは、心の状態を決定したり体重の増減や脂肪の蓄積にも影響したりと、ダイエットに大きな影響を与えます。
健康的にダイエットを行っていくためには、ホルモンバランスをうまく管理することが成功の秘訣。
この章ではダイエット中に陥りやすいホルモンバランスが崩れる原因をお伝えしていきます。
睡眠時間が足りていない
寝不足はホルモンバランスが崩れ、太りやすくなる要因が重なる「デブ・スパイラル」を引き起こしてしまいます。
8時間寝た人に比べて5時間しか寝ていない人は、食欲がわくホルモン「グレリン」の量が14.9%多く、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の量が15.5%低いことがスタンフォード大学の研究結果で報告されています。
睡眠時間が短くなると、起きている時間が長くなります。
そこで私たちのカラダはグレリンを増やしつつレプチンを減らすことで「何か食べろ」と促しているのです。
お腹が空いたと感じるホルモンのグレリンが増え、お腹がいっぱいだと感じるホルモンのレプチンが下がるので、食欲がアップするうえ、食べても満腹感を得にくい傾向があるのです。
また、寝不足は翌日の活動量を下げてしまいます。
寝不足では眠くてカラダがだるくなり、気力も低下して行動力が下がります。
すると普段行っていたルーチンもおっくうになってさぼってしまったり、活動のパフォーマンスそのものが下がったりするため、消費カロリーが減ってしまいます。
つまり、寝不足でドカ食いしてしまったにもかかわらず動きたくない、摂取カロリーは多いのに消費カロリーが少ない太りやすい状態をつくり上げてしまいます。
さらに、寝不足は睡眠の質を下げてしまい「成長ホルモン」の分泌がうまくいきません。
睡眠中に成長ホルモンが分泌されると、全身の細胞の代謝が活発になります。
また、成長ホルモンは筋肉の修復や成長を促し、中性脂肪の分解を促すはたらきもあります。
つまり「成長ホルモンがうまく分泌されない」=「新陳代謝がうまくいかず、中性脂肪も分解されない」=「基礎代謝が落ちる」=「太りやすくなる」のです。
平均7~9時間の睡眠時間をとっている人に比べて、睡眠時間が4時間以下の人は肥満である確率が73%高く、5時間睡眠の人でも50%肥満である確率が高いことがコロンビア大学とセントルークルーズベルト病院の調査結果(*1)でわかっています。
睡眠不足はデブ・スパイラルのもと
① グレリンが増えレプチンが減りドカ食いしやすい
② 寝不足で活動量が減り消費カロリーが下がる
③ 成長ホルモンがうまく分泌されず基礎代謝が落ちる
ダイエット中は寝不足の「デブ・スパイラル」に気をつけましょう。
女性は女性ホルモンの影響を受けやすい
女性は男性よりもホルモン(女性ホルモン)による影響を受けやすく、太りやすい期間があります。
なぜなら、女性は男性と違い子供を産むためのホルモン分泌のサイクルがあるためです。
女性ホルモンは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類に分類でき、次のような特徴があります。
エストロゲンの特徴
- 満腹中枢を刺激して食欲を抑える
- 脂肪の代謝を施す
- 分泌のピークは排卵前
プロゲステロンの特徴
- 妊娠に備えて水分や脂肪をカラダにため込みやすくする
- 情緒不安定になりやすく、イライラしやすい
- 分泌のピークは排卵後
<画像引用:知っておきたいダイエットと女性ホルモンの関係 / 大正製薬 ホームページ>
エストロゲンが多く分泌されている時期は、食欲も抑えられ脂肪を分解しやすい状態になります。
逆にプロゲステロンが多く分泌されている時期は、疲れやすく気分も乗らず、ストレスから甘いものが欲しくなるなどダイエットには不向きな状態になりやすいです。
また、閉経し更年期を迎えるとエストロゲンの分泌が減ってしまい、相対的に男性ホルモンの割合が増加します。
エストロゲンの分泌が低下することで脂肪を燃やしにくくなり、男性ホルモンの割合も増えることで皮下脂肪だけでなく内臓脂肪もため込みやすくなるため、お腹の脂肪が落ちにくい状態になりやすくなります。
ストレスや心配事がある
ストレスや心配事があるとホルモンの分泌バランスが崩れ太りやすい状態を作ってしまいます。
カラダにストレスがかかった状態が続くと、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が多く分泌されてしまいます。
適量のコルチゾールは私たちの健康に大いに役立ちますが、コルチゾールの値が最適値を上回ると、過剰反応によって次のような状態が引き起こされます。
コルチゾールの値が高すぎると…
- カラダの代謝を抑えて体脂肪がエネルギーとして燃える速度がガクンと落ちる
- 筋肉のタンパク質をアミノ酸→糖新生で糖に変換→血糖値が高くなる→インスリンが分泌→余った糖が体脂肪として蓄えられる
- 骨に覆われていない内臓を守るため、お腹周りに体脂肪が付きやすくなる
- 過食傾向になり、食べ過ぎる可能性が高くなる
~参照:Cortisol and Fat: How the Stress Hormone Can Cause Weight Gain / Women'sHealth ~
コルチゾールは細胞レベルで脂肪を蓄えるようにはたらくので、ストレスや心配事が多い状態でお腹の脂肪を減らすのは難しいのです。
ダイエット中はストレスとコルチゾールをため込まない工夫をしましょう。
7. 進捗を記録していない
あなたはダイエットの進捗状況をしっかりと把握できていますか?
進捗状況を見える形で確認していなければ変化をとらえることは難しくなってしまいます。
体脂肪は1kgで7200kcalもエネルギーを貯蔵できる高性能な電池と同じで、体脂肪はちょっとやそっとで増減するものではないからです。
例えるなら、木が大きく育っていくのと同じ。
木を毎日見返しても大きくなっているかどうかわかりませんが、数週間や数か月後に見ると確実に大きく成長しているのがわかると思います。
必要なことは今あなたがどこにいて、どこに向かいたいのか、GPSで言えば現在地と目的地です。
現在地がわかるからこそ、目的地までのルートが見つけられるわけで、今の状態がわからなければどのように目標に向かっていけばよいのかもわからずに集中力も切れてモチベーションも下がってしまいます。
食事の摂取量、運動による消費カロリー量、目標の達成度など、ウェアラブルデバイスやアプリを使えば簡単に管理できます。
もちろん、自分で書き留めて記録することもできます。
また、お腹の体脂肪はキャリパーを使うと数値化して管理することができるのでおすすめです。
落とすべきは体重でも食事量でもなく体脂肪!
じゃぁどうやって確認するかって?体脂肪を簡単に記録できる方法はキャリパーを使うこと👆
使い方はいたって簡単、おへその横あたりをグイっとつまんで、その脂肪の厚さを挟んで測り、表と照らし合わせるだけ
1週間に1度つまんでモニターしてみよう😊 pic.twitter.com/kkXrts9gKa— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) May 1, 2020
自分の変化を数値化して記録することは、目標達成にフォーカスでき、集中力を高めてモチベーションを高く維持するのにも役立ちます。
8. タンパク質が不足している
体脂肪を減らすのに必要な栄養素をご存知ですか?
断言します、タンパク質不足ではお腹の脂肪は落ちません。
なぜなら、カラダの機能をつかさどっているのがタンパク質だからです。
タンパク質は引き締まった筋肉を作り維持するだけでなく、カラダの中で必要とされる消化酵素やホルモンなどを作り出すためにも必要不可欠な栄養素。
つまり、タンパク質が不足していると効率よく脂肪を燃やすことができないのです。
もし以下の項目が1つでも当てはまれば、あなたはタンパク質が不足している可能性があります。
タンパク質不足のサインかも⁉
- 何かと疲れやすい
- 貧血気味でクラクラする
- なんだか集中力が続かない
- 思うようにダイエットが進まない
- 運動しているのに体力が落ちてきた
- 今まで行えた動作をうまく行えなくなる
- ちょっとしたことでもイライラしてしまう
- しっかり寝ているはずなのに寝た気がしない
- 髪の毛がガサガサして切れやすく抜けやすくなる
- 肌や爪がガサガサ、髪にツヤはハリがなくなってきた
- ボーっとしてしまうことが増えた、思考力が低下してきた
一見するとダイエットとは関係ないだろうと思えるような心身のトラブルも、実はその根本原因がタンパク質の不足が招いている可能性があります。
また、タンパク質がしっかりと満たされていれば無駄な食欲がわかず、空腹を紛らわすためにスナック菓子に走ったりドカ食いしてしまうこともなくなります。
ダイエット中はとくにタンパク質の不足に注意してください。
その詳細と対応方法は下記記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい
9. 糖質を摂り過ぎている
ランチはラーメンとライス、飲み物は清涼飲料水やスポーツドリンク、コーヒーは甘いラテで、チョコレートやケーキも好き…
知らず知らずのうちに糖質を摂り過ぎているとお腹の脂肪は減りません。
なぜなら、カラダを太らせてしまう大きな引き金が糖質の過剰摂取だからです。
糖分を摂取すると血糖値はすぐに高くなります。
参考
血液中に溶けている糖分(ブドウ糖)の割合を血糖値といいます。
血糖値が高くなると、カラダの血糖値をコントロールするためのホルモン「インスリン」が分泌されます。
インスリンが分泌されると、血液中の糖分は各細胞に送られて活動するためのエネルギーとして消費されます。
メモ
インスリンが分泌されている間は血液中のブドウ糖が優先してエネルギーとして使われるため、脂肪の分解が抑制されてしまいます。
血液中の糖分が使われたので血糖値が下がります。
ところが、糖質を摂り過ぎていると血液中の糖分が多い状態が続き、各細胞でも糖分を使い切れず余ってしまいます。
この余った糖分が脂肪細胞に蓄えられることでカラダに脂肪がつきます。
さらに、糖質を摂り過ぎていると血糖値が急激に上下動してしまい、強い空腹感を覚えて余計に食べてしまいます。
糖質の摂り過ぎが太る理由
糖質を多く摂ることで血糖値が急上昇
↓
インスリンが大量に分泌される
↓
血糖値が急激に下がる
↓
血糖値が下がり過ぎてしまい低血糖の状態になる
↓
低血糖のため空腹感が刺激される
↓
また食べてしまう(ドカ食いが始まる)
↓
血糖値がまた急上昇し悪循環が始まる…
炭水化物や糖分はついつい食べ過ぎてしまいがちです。
血糖値が急激に上昇しないような工夫をしながら糖質とうまく付き合っていきましょう。
10. お酒を飲みすぎている
お酒を飲みすぎてしまうとお腹の脂肪は減ってくれません。
なぜなら、肝臓はアルコールを他の栄養素より先に優先して代謝(解毒)するので、本来燃えるはずだった脂質や糖質の代謝が後回しにされ、お腹周りが太りやすくなります。
「肝臓はアルコールを解毒してくれる臓器」のイメージが強いかもしれません。
実は、肝臓は体内のエネルギー(脂質や糖質)を消費する「代謝」を行う重要な臓器なのです。
<画像出典:「よくわかる!肝機能ナビ」”かんたん!肝臓のしくみ”>
お酒を飲むと肝臓はすべての作業を中断してアルコールの解毒に労力を集中します。
カラダにとって有害な成分を真っ先に取り除かなければ命に危険がおよぶためです。
お酒を飲みすぎる、またはよく飲む方の肝臓は常に解毒作用のプライオリティーが高い状態が続いてしまうため、脂質や糖質の代謝が後回しにされ太りやすく痩せにくい状態になってしまうのです。
お酒を飲みすぎると痩せにくい理由
お酒を飲む
↓
肝臓がアルコールの解毒を最優先に行う
↓
この間は肝臓の代謝、胆汁の生成・分泌が行われない
↓
食べ物から摂取したエネルギーが余る
↓
余ったエネルギーは体脂肪として蓄積される
↓
お腹の脂肪が増える
自分の適量を理解するとともに休肝日を設けるなど、飲み過ぎないようにしましょう。
あわせて読みたい
11. 食べないダイエットを実践している
ダイエットとなると「食べなきゃ体重は落ちるでしょ?」と考える人やそれを推奨するような情報をインターネット上でよく見かけます。
たしかに、食べなければ短期間で体重を落とす減量には効果があるかもしれません。
しかし、食べないことをずっと継続することは難しいうえに、やめた途端にリバウンドしやすくなってしまいます。
なぜなら、食べずに痩せた(体重が減った)のはお腹の脂肪が落ちたわけではなく、カラダの水分量が減り、筋肉量が減ってしまったから。
カロリーの摂取が低すぎると、私たちの脳は「飢餓が来た!」と勘違いしてしまい、新陳代謝を弱めてカラダのエネルギー消費を抑えてしまいます。
たとえ食べることを控えて摂取カロリーを抑えたとしても、カラダの消費カロリーも下がってしまうので食べないのに痩せない悪循環に突入してしまいます。
ココだけの話、以前の私も「食べなきゃ痩せるだろう」と摂取するカロリーを抑えるダイエットに挑戦したことが何度かありました。
たしかに体重は面白いように減っていきました。
目標を達成できたのでダイエット開始前に鏡の前で自撮りした自分とダイエット後の自分の写真を見比べてみて愕然としました。
ダイエット開始前よりも全体としてぽっちゃり太って見えたのです、体重は減っているにもかかわらず。
さらに、食べないダイエットを止めたら「あっ!」という間に見事にリバウンドしました。
あとからわかったことですが、食事を摂らなかったことで筋肉量が減り、数値上は体重が減りましたが、カラダのプロポーションは悪くなり、ポチャッとしたブヨブヨのカラダになってしまいました。
この経験から学んだことは、食べずに体重だけを落とすと、脂肪だけでなく筋肉量まで少なくなることです。
食べないダイエットをやめ、しっかり食べながら絞っていくダイエットに切り替えてから12年間繰り返していたリバウンドもなくなり、その後9年が経過していますが、今でもリバウンドすることもなくうっすらお腹が割れた状態を維持できています。
よく勘違いされてるけど体脂肪落とすには食事制限よりうまく食事管理する方法見つけるべき。だって来年も再来年も食べ続けるんだから、ストレスなく食べれる方法確立すれば半永久的にリバウンドしない。我慢するものは絶対に続かない。私は管理術磨いたことで成功できた。制限やめて管理術を磨け!
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) October 12, 2020
お腹の脂肪を落としたいがゆえに、食べないダイエットに走りたくなる気持ちもわかります。
しかし、食べないダイエットは長続きしないうえにリバウンドするリスクが高くなりますので費用対効果、いわゆるコスパが悪いです。
お腹の脂肪を減らすのは長丁場です。
正しく食べて適度な運動をすればお腹の脂肪もキチンと減っていきます。
食べても痩せる正しいダイエットをライフスタイルに取り入れて、長く続けられる健康的な食習慣に変えていきましょう。
12. 腸内環境が乱れている
ここまでお腹の脂肪が減らない11の原因について紹介してきましたが、これらを意識してダイエットに取り組んでいてもお腹の脂肪が減らないことがあります。
適度に運動もしているしアンダーカロリーも管理できているのにお腹の体脂肪が減らない原因として腸内環境の悪化が考えられます。
腸内環境が乱れているとお腹の脂肪が落ちない理由は以下の通りです。
腸内環境が乱れているとお腹の脂肪が落ちな原因
- 基礎代謝が落ちてしまう
- 便秘になりやすい
- 脂肪の吸収と分解に影響を及ぼす短鎖脂肪酸を減らしてしまう
基礎代謝が落ちてしまう
腸内環境が乱れと基礎代謝は一見すると何の関係もなさそうですが、実は大きな関係性があります。
腸内環境が乱れると内臓に負荷がかかり、結果として基礎代謝が低下してしまいます。
その理由は以下の通りです。
腸内環境が悪いとタンパク質などの栄養素がしっかりと消化・吸収されずに余ってしまいます。
消化しきれずに余ってしまったタンパク質(アミノ酸)はアンモニアに分解され、最終的には尿として排泄されます。
このときに発生するアンモニアはカラダにとっては有毒な物質。
そのため、肝臓はアンモニアの解毒を最優先に行います。
「10. お酒を飲みすぎている」の章でも紹介した通り、肝臓は解毒作業を優先しているときはそれ以外のはたらきを停止させてしまいます。
また、アンモニアは肝臓で尿素に分解された後、腎臓で尿にろ過して排泄します。
カラダの基礎代謝全体のうち、肝臓と腎臓は全体の4分の1(およそ26%)を占めています。
つまり、腸内環境が悪いと肝臓や腎臓に負荷をかけてしまい、結果として基礎代謝が下がってしまうのです。
注意ポイント
腸内環境が悪い
↓
タンパク質が吸収されずに余る
↓
アンモニアに分解される
↓
肝臓と腎臓に負荷がかかる
↓
基礎代謝が低下する
↓
消費カロリーが落ちてしまい痩せにくい
腸内環境の乱れは基礎代謝を落としてしまい、お腹の脂肪を減らしにくくしてしまうのです。
便秘になりやすい
健康的な生活を送るだけでなく、ダイエットにも大切なのが「快食・快眠・快便」です。
お腹の脂肪が気になる人は便秘で悩んでいる人も多いはず。
腸内環境が乱れると便秘になりやすく、便秘が太りやすい状態を加速させてしまいます。
なぜなら、便秘で腸内に便が長くとどまると、便の排せつ物から栄養素を再吸収してしまい余分な栄養素(エネルギー)を体内に取り入れ、結果として摂取エネルギーが増えてしまうからです。
便秘で太る理由
腸に便がつまる(長くとどまる)
↓
腸が便の老廃物から栄養素を再吸収
↓
余分な栄養素を体内に取り入れる
↓
摂取カロリーが増える
↓
太る
大腸から吸収されるエネルギーは1日に140~180kcalと言われています。
もし毎日140~180kcal余分にエネルギーを摂取した場合、脂肪に換算すると1ヶ月あたり580~750gもカラダに体脂肪を蓄えていることに。
また、便秘は腸内環境を悪化させやすくなるため、悪循環を生んでしまいます。
便秘の状態は排泄されるはずだった便が大腸に長くとどまることで、老廃物から余分な栄養素を再吸収してしまい、結果として太ってしまうのです。
詳しくは下記記事で解説しています。
脂肪の吸収と分解に影響を及ぼす短鎖脂肪酸を減らしてしまう
腸内環境が乱れていると短鎖脂肪酸をうまく産生できずに便秘になりやすくお腹に脂肪をため込みやすくなることがわかっています。
参考
「短鎖脂肪酸」とは大腸内で作られる酸の一種で、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの種類があります。
なぜなら、腸内環境が乱れているとビフィズス菌などの善玉菌が少なく、短鎖脂肪酸を産生することができなくなってしまうからです。
腸内環境がしっかりと整っている状態、つまり、ビフィズス菌などの善玉菌がしっかりと活動できる状態を保てると、水溶性食物繊維などのエサを食べ、その過程で短鎖脂肪酸を作り出してくれます。
短鎖脂肪酸が増えると、便秘を解消してお腹の脂肪を減らしやすくすることがわかっています。
短鎖脂肪酸のはたらき
- 腸内を弱酸性にして善玉菌を増やし悪玉菌を減らす
- ぜん動運動を活発化させ、便の水分量を増やすことで便秘を解消する
- GLP-1の分泌を促進し、食欲を抑え脂肪細胞への脂肪蓄積を抑える
参考
GLP-1とは「グルカゴン様ペプチド-1」という消化管ホルモンの1つ。
消化管ホルモンの1つで、食欲を抑えたり、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑えたり、インスリンの分泌を促進させる抗メタボホルモンである。
~GLP-1 グリコ健康科学研究所 ホームページ~
一般財団法人 日本肥満学会が発表した研究成果によると、ビフィズス菌配合のサプリメントを24週間続けて摂取したところ、短鎖脂肪酸が増え、体重・BMI・体脂肪率・腹部総脂肪面積および腹部皮下脂肪面積のすべてが減っていることがわかりました。
<画像引用:ビフィズス菌配合サプリメントによる肥満改善を確認!/ PRTIMES>
注意ポイント
このように、腸内細菌が乱れていると基礎代謝の低下と短鎖脂肪酸の量が少なるダブルパンチでお腹に脂肪がつきやすい状態を作ってしまいます。
何をやってもお腹の脂肪が落ちないと感じたなら、腸内環境を整える工夫をしましょう。
まとめ:たるんだお腹は総合力で落とせ!
ここまでお腹の脂肪がなかなか落ちない12の原因を確認してきました。
お腹の脂肪が落ちない12の原因
- 年を取るほど脂肪がたまりやすい
- 筋肉量が減ってきている
- トレーニング方法があっていない
- 結果を急ぎ過ぎている
- 運動をしすぎている
- ホルモンバランスが崩れている
- 進捗を記録していない
- タンパク質が不足している
- 糖質を摂り過ぎている
- お酒を飲みすぎている
- 食べないダイエットを実践している
- 腸内環境が乱れている
お腹の脂肪はあなたの生活習慣と長い時間をかけて蓄積された、いわばあなたの生活記録。
ちょっとやそっとじゃ落ちてくれません。
この記事で紹介した12の原因を少しずつ取り除き、総合的にお腹の脂肪を落としていきましょう。