はい、その疑問にお答えします。
健康的な生活を送るうえでよく言われているのが「快食、快眠、快便」。
実はダイエットにもこれら3つがとても重要です。
どれか1つでもうまくいかないと気持ちがしずんでしまったり体調が悪くなったりと、良いことはありません。
また、便秘の悩みは人に言えずに悩んでいる人も多いはず。
そこで今回は、便秘が太る理由をお伝えし、どのようにケアすればよいのかを紹介します。
今回はその秘密をコッソリお伝えします。
便秘で太る理由はコレだ!
便が出ないと、便の重さで体重が増えるから太る…と思っている方が多いのではないでしょうか。
実はそれだけではありません。
便秘で太る理由は大きく分けて次の2つのパターンが考えられます。
便秘で太る理由①
腸に便がつまる(長くとどまる)
↓
腸が便の老廃物から栄養素を再吸収
↓
余分な栄養素を体内に取り入れる
↓
摂取カロリーが増える
↓
太る
便秘で太る理由②
腸に便がつまる(長くとどまる)
↓
腸内環境が悪化する
↓
自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れる
↓
悪玉菌が増殖して短鎖脂肪酸が減る
↓
太りやすくなる
それぞれ解説していきます。
便秘で太る理由①:余分な栄養素を再吸収して太る
私もSNSでフォローさせていただいている浅間総合病院の肝臓専門医で消化器外科専門医の尾形 哲 先生のツイートををご覧ください。
なぜ便秘で太るのか?
大腸でも栄養分が
分解・吸収されている!知らなかったでしょう
小腸でしか吸収されないと
思っていたはず!大腸経路で
吸収されるエネルギーは
欧米人で
140-180Kcal /日!便秘のある人は
もっと吸収しているかも!#便秘 #肥満 #ダイエット #腸内細菌 pic.twitter.com/VW3srbhUTq— 尾形 哲 肝臓先生『肝臓から脂肪を落とす』 (@ogatas0520) July 13, 2020
実は、便が詰まった状態でいると大腸が便の老廃物から栄養素を再吸収してしまいます。
この再吸収された余分な栄養素(エネルギー)があなたを太らせている原因です。
なぜなら、あなたが太るのは摂取カロリーが消費カロリーよりも多い状態で、エネルギーが体内に余ってしまうため、カラダは余ったエネルギーを脂肪として体内に蓄えているからです。
絶対に押さえておきたいカロリー収支の基本原則
- 摂取カロリーと消費カロリーが同じ場合 :現状維持
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも多い場合 :体重が増える
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも少ない場合 :体重は減る
大腸から吸収されるエネルギーは1日に140~180kcalと言われています。
もしあなたが毎日140~180kcal余分にエネルギーを摂取した場合、脂肪に換算すると1ヶ月あたり580~750gもカラダに体脂肪を蓄えていることになるのです。
参考
体脂肪1kgあたり7200kcalとして計算。
もしあなたが便秘ならば、この数値よりも多くエネルギーを吸収しているかもしれません。
つまり、本来は排泄されるはずだった便が大腸に長くとどまることで、老廃物から余分な栄養素を再吸収してしまい、結果として太ってしまうのです。
便秘で太る理由②:腸内環境が悪化して太る
腸内環境が悪化してしまうと太りやすくなってしまいます。
メモ
腸内環境とは、腸内にいる善玉菌・悪玉菌・日和見菌のパワーバランスのこと。
腸内細菌の種類は以下の通りです。
腸内細菌の種類 | 主なはたらき |
善玉菌(ぜんだまきん) | 悪玉菌の増殖を抑え、腸の運動を施すことでおなかの調子を整えてくれる 好物はオリゴ糖や水溶性食物繊維 |
悪玉菌(あくだまきん) | 増えすぎると腸内で有害物質を作り出し、おなかの調子が悪くなる 好物は動物性のタンパク質や脂質 |
日和見菌(ひよりみきん) | どちらにも属さない中立的な菌 勢力が大きい(優勢な)方を味方する |
内臓の基礎代謝が下がってしまうから
腸内環境が悪化していると、必要な栄養素の消化・吸収がうまくいきません。
とくに、消化しきれずに余ってしまったタンパク質は糖質や脂質のようにカラダに蓄えておくことができません。
そのため、余ってしまったタンパク質は分解されて、アミノ酸→窒素→アンモニア→尿素→尿として排泄されます。
このときに発生するアンモニアはカラダにとって有毒な物質なため、肝臓が優先的に解毒処理を行います。
<画像出典:「よくわかる!肝機能ナビ」”かんたん!肝臓のしくみ”>
解毒処理を行っている間はそれ以外のはたらき(代謝と胆汁の生成・分泌)を停止させてしまうため、カラダに余分な栄養素(エネルギー)が余りやすくなり、太るリスクが高まってしまいます。
さらに、尿素は腎臓でろ過されて尿として排泄されます。
私たちのカラダで行われている基礎代謝のうち、肝臓は19%、腎臓は7%を占めていてます。
合わせると基礎代謝全体の4分の1に相当します。
つまり、腸内環境が悪いと肝臓と腎臓にも負荷がかかり、その結果、基礎代謝を下げてしまうので太りやすくなってしまうのです。
悪玉菌が増え短鎖脂肪酸が減る
腸内環境の乱れは善玉菌と悪玉菌のパワーバランスで決まります。
腸内環境が乱れて悪玉菌が優位になると、次のような症状が現れます。
腸内環境が崩れたときに現れる症状
- 疲れがとれない
- 自律神経を乱す
- 睡眠不足になる
- 太りやすくなる
- おならが臭くなる
- 下痢や便秘を繰り返す
- ストレスがたまりやすい
- アレルギー反応を起こしやすくなる
- ダイエットで思うように結果がついてこない
悪玉菌が増えるとカラダにとって不健康なことばかりが起こり、太りやすい環境を作ってしまいます。
また、悪玉菌が優位になり善玉菌が少なくなると短鎖脂肪酸をうまく作ることができません。
メモ
短鎖脂肪酸とは、善玉菌によって作られる酸の一種で、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの種類があります。
短鎖脂肪酸は次のようなはたらきがありますが、短鎖脂肪酸がうまく作り出せないと逆のことがおこります。
短鎖脂肪酸のはたらき
- 腸内を弱酸性にして善玉菌を増やし悪玉菌を減らす
- ぜん動運動を活発化させ、便の水分量を増やすことで便秘を解消する
- GLP-1の分泌を促進し、食欲を抑え脂肪細胞への脂肪蓄積を抑える
参考
GLP-1とは「グルカゴン様ペプチド-1」という消化管ホルモンの1つ。
消化管ホルモンの1つで、食欲を抑えたり、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑えたり、インスリンの分泌を促進させる抗メタボホルモンである。
~GLP-1 グリコ健康科学研究所 ホームページ~
つまり、便秘により腸内環境が悪化して悪玉菌が増えると短鎖脂肪酸がうまく作り出せなくなり太りやすくなります。
おすすめの便秘解消法
では、どのように便秘を解消していけばよいのでしょうか。
便秘を解消するためには便秘の原因を取り除いてあげましょう。
「便秘の原因の8割は、乱れた生活習慣にあります。個食や時短、ダイエットなどで食事が単一化すると、食物繊維が不足して充分な便が作られません。また、運動不足や睡眠不足は腸のぜん動運動を停滞させて、排便のリズムを狂わせる要因に。ストレスによる自律神経の乱れも、腸の働きを低下させます。
~便秘の影響で太る「原因&メカニズム」~ 小林メディカルクリニック東京 小林暁子院長 談~
生活習慣の乱れは腸内環境の乱れを引き起こします。
そこで、便秘を解消するには腸内環境を整えて排便しやすい環境を作ってあげることが大切です。
便秘を改善する3つのポイント
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
- 腸活をする
- 便秘薬(漢方)を活用する
朝起きたらコップ1杯の水を飲む
私たちのカラダのほとんどは水分でできている話は周知のこと。
水は私たちのカラダを整えてくれる大切なパートナーです。
私は以前にこんなツイートをしました。
朝起きたら、騙されたと思って水500ml飲んでみて。最初は辛いと思う。全然飲めない。でも少しずつ量を増やしていくと飲めるようになって、カラダが少しずつ補正されていく。特に心が洗われる。スピ臭いと思われるかもしれないけど、朝活の1つにこれ取り入れてからマジで人生変化した。水って大切だよ!
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) December 8, 2020
生活環境の改善と腸内環境の改善を両方同時に行ってくれるのが「起き抜けにコップ1杯の水を飲む」こと。
朝起きてすぐに水を飲むと腸が刺激され、腸のぜん動運動が促進されて活発になります。
腸は第二の脳と言われるほど、心とカラダに影響を与える大切な臓器です。
カラダをリラックスさせ精神的に安定させる幸福ホルモンや睡眠の質に深い関係を持つセロトニンも腸で作られているからです。
ストレスや睡眠不足もあなたを太らせる原因です。
腸の調子が良くなると、ストレス低減、睡眠の質改善でダイエット効果も高まります。
また、水分不足で便が固くなることも予防できますので、1日に1.5~2リットルを目安に、日中もこまめに水分補給をしましょう。
ポイント
朝起きたらコップ1杯の水を飲み、日中も2リットルを目安にこまめに水分補給しましょう。
腸活をする
便秘の解消には腸内環境を整える活動を行う、いわゆる「腸活」することが効果的でかつ最速・最短・リスクゼロの対策です。
メモ
腸活とは、腸内環境を整えて、健康的なカラダに改善する活動のことで、略して「腸活」と呼ばれています。
腸活は腸内の活動を活発にして善玉菌が優位になるような環境を作ってあげること。
そこで、腸内の善玉菌が優位になる手助けをしてあげればよいのです。
腸活:善玉菌を優位にしてあげるコツ
- 適度な運動を取り入れて腸を刺激する
- 善玉菌のエサになる食物繊維を多く摂る
- 善玉菌の援軍(プロバイオティクス)を腸に送る
参考
私たちのカラダに良い影響を与える善玉菌やそれらを含む食品のことを「プロバイオティクス」といいます。
便秘を侮るなかれ
実は私もこの感がありました。毎日出るのにどうもダイエットがはかどらない🤔
最終的に腸活にたどり着き、時間をかけて少しずつ改善していったら毎日出ていた便の色、ニオイ、形、キレの良さ...などが徐々に変わっていき、氣づいてみたらお腹の脂肪も体脂肪もスルッと落ちてた😁 https://t.co/qIdBCK9dHj
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) February 3, 2021
腸活の詳しいやり方や注意点、私の体験談などは、下記記事にまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
便秘薬(漢方)を活用する
ここまで紹介した「起き抜けにコップ1杯の水を飲む」「腸活する」は、たしかに効果があります。
しかし、効果を実感するまでには時間がかかってしまうのも事実。
なぜなら、これらのアクションはあなたの体調と体質を少しずつ改善していく方法だからです。
よって、長期的な体質改善と合わせて、短・中期的な対策も同時に行っていくことが便秘改善には建設的です。
短・中期的な対策でおすすめなのが便秘薬をうまく活用することです。
ただし、便秘薬を使うには注意が必要です。
市販の便秘薬は、詰まった便を排泄させるために刺激の強い下剤成分を含んでいるものもあります。
下剤を使ってなかば強制的に腸を刺激し、無理に排便させると腸に負担がかかる(炎症を引き起こす)だけでなく、下剤を使わなければ自力で排便できなくなるおそれもあります。
そこで、おすすめしたいのが生薬の力で便秘を改善し、新陳代謝を高めて気になる脂肪を分解・燃焼し、余分な脂質を便と一緒に排泄する効果の認められた防風通聖散(漢方)を活用することです。
参考
漢方薬とは天然に存在する植物・動物・鉱物などに含まれる薬としてのはたらきを持つ成分を適切な量だけ混ぜ合わせて東洋医学で使われる薬のことです。
これらの混ぜ合わせる成分を生薬(しょうやく)と呼んでいますが、漢方薬はいくつかの生薬を適切な量だけ混ぜ合わせて、独自の効果・効能をもたらすことができます。
防風通聖散は18種類の生薬によってお腹の脂肪を落とし、肥満症やむくみ、便秘などの症状に効く第2類医薬品です。
防風通聖散には余分な脂質を便と一緒に排泄する効果があることが、小林製薬株式会社・名古屋市立大学薬学部・愛知学院大学薬学部の共同研究によって発見されました。
<画像出典:お腹の脂肪を落とす漢方薬“防風通聖散”に余分な脂質を便と一緒に押し出す効果を新発見 / 小林製薬ニュースリリース>
また、防風通聖散は生薬の力で代謝を活発にし、脂肪細胞から中性脂肪を取り出して分解・燃焼することを活性化してくれます。
BMI25以上もしくはお腹周りの腹囲が85㎝以上の男性14名を対象に行った試験結果では、防風通聖散エキスを12週間服用したところ、体重および内臓脂肪面積の減少が確認されました。
<画像引用:防風通聖散の研究結果 / 小林製薬株式会社ホームページ>
つまり、防風通聖散は便秘を改善するだけでなく、食事から摂取した余分な脂肪を便と一緒に排泄してくれ、さらに体脂肪を分解・燃焼する効果もあるのです。
なぜ防風通聖散は便秘を解消して体脂肪を減らすことができるのか、そのメカニズムや購入方法、使用上の注意点など詳しくまとめましたので、下記記事を参照ください。
まとめ:便秘で太る理由を知れば対策はカンタン!
なぜ便秘が太るのか、その理由を確認してきました。
便秘で太る理由
- 腸が便の老廃物から栄養素を再吸収してしまい、余分なエネルギーが増えるから太る
- 便がとどまることで腸内環境が悪化し、自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れ太りやすくなる
- 腸内環境が悪化したことで短鎖脂肪酸をうまく作り出せずに太りやすくなる
便秘の原因がわかればその対策もカンタンです。
便秘を改善する3つのポイント
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
- 腸活をする
- 漢方(防風通聖散)を活用する
これら3つの対策は今すぐに始められるものばかり。
さぁ、さっそく今日から始めて便秘で太るのはもうやめましょう。