これらの悩みを解決します。
友人から飲み会の誘いがあったり、会社の会合でどうしても参加しなければならない飲み会があったりと、いろいろな「飲み会」があると思います。
ましてや、ダイエット期間中に限ってこのような誘いが来ると気乗りしないものです。
とはいえ、社会人として断れない飲み会があるのも事実。
あとから考えて「あのとき、断っておけばよかったなぁ……」と後悔したことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ダイエット中に飲み会が入ってしまっても太ることなく飲み会を乗り切るための7つの秘策をお伝えします。
3つの事前準備で飲み会をカンタンに乗り切れる!
ダイエット中の飲み会を無事に乗り切るためには、大きく分けると3つの事前対策が必要です。
- 飲み会の前に準備しておくこと
- 飲み会の最中に意識して行うこと
- 飲み会の後にするべきこと
順を追って説明していきます。
飲み会の前に準備しておくこと
飲み会の前に準備しておくことは2つあります。
飲み会の前に準備しておくこと
- 気が進まない飲み会を断る方法を知っておこう
- 事前に摂取カロリーをコントロールしておこう
①気が進まない飲み会を断る方法を知っておこう
気が進まない飲み会を断るにはあらかじめ「断る基準」をしっかりと持っておくことで対処できるようになります。
なぜなら、日本人は概して断ることが苦手だからです。
本当は行きたくない、または断りたい飲み会の誘いがきても、おつきあいもあるし、人間関係を壊したくないと考えてしまうのはあなただけではありません。
このような思考回路になってしまう原因は判断基準が自分ではなく相手にあるからです。
相手の顔色を伺うかがってしまったり、相手との信頼関係を壊してしまうのではないかと心配したり、判断基準が完全に相手主体になっている場合がほとんどだと思います。
気が進まない飲み会を断りにくくなってしまう原因は判断基準が相手にあるからです。
ポイント
あらかじめ自分の中で断る基準を持っていれば、飲み会に参加すべきかどうかの判断基準が自分にありますから、悩むことなく気が進まない飲み会を断ることができます。
気が進まない飲み会を断る基準
では、この「断る基準」とは何のことなのでしょうか。
それは、あなたの明確なビジョン(視野)がしっかりしていることです。
あなたはいつまでにどうなりたいのか、目標と期限がしっかりと決まっていればそこから逆算して誘われた飲み会に参加してもよいのか、断ったほうが良いのかはっきりと決めることができるようになります。
1日は24時間しかありませんし、期限は待ってくれません。
他のことに時間を取られていたら、あなたの目標を実現することができなくなってしまいます。
限られた時間の中であなたの目標を達成するには、関係のないものを断っていく必要があります。
あなたが事前に決めた基準をしっかりと持っていて、いつでもその基準をもとに判断をくだしていくことができれば、行きたくない飲み会は断ることを迷うことなく判断できるようになります。
ただし、自分の基準は相手によってぶれてしまってはいけません。
たとえば、◯◯さんの誘いは承諾したのに、△△さんの誘いは断ったということになると、人間関係で問題が生じてしまいます。
つまり、自分の定めた基準に従って誘いを受けるのか、断るのかを事前に決めておき、いつでも、どこでも、誰にでも、あなたが決めた基準に従って判断することが大切です。
ポイント
あなたの基準がしっかりと固まっていれば、断ることに何ら後ろめたい気持ちを感じることなく断ることができるようになります。
②事前に摂取カロリーをコントロールしておこう
ダイエット中にお酒を飲んでしまうと太ってしまうのではないかと心配になるかもしれません。
これは「飲んだら太る」という思考回路があなたにあるからです。
そこで、次のような思考の変換を行いダイエット中でも飲み会に参加できるようになります。
「お酒を飲むから太る」
↓
「お酒を飲むからこそ、太らない対策を事前に行うことができる」
では、太らない事前の対策を次の2つのポイントに照らし合わせて確認していきましょう。
- カラダが太るメカニズムを理解しておく
- 3日前から事前にカロリーをコントロールしておく
カラダが太るメカニズムを理解しておく
私たちのカラダが太ってしまうのはカロリーの収支によって決まります。
以前このようなつぶやきをしました。
とても基本的なことなんだが、できていない人が多いので改めてシェア。(って、昔の自分もできてなかったから12年間もリバウンドしてたわけで😅)太るも痩せるも、実はめっちゃ単純なしくみ。痩せたきゃ運動量増やすだけ、That's it !! あ、食べなきゃ痩せないよ、だって痩せるにもエネルギーいるから pic.twitter.com/JaaXYs6SLE
— ロジック@シリコンバレー (@logicdiet) June 13, 2020
カロリー収支はお金に例えるとわかりやすいと思います。
収入が多ければ使った額が増えてもお金はたまっていきます。
逆に収入が多くても使った額が収入を超えてしまってはお金は減っていきます。
基本的には、食べ物を食べた分のエネルギーとカラダを動かして使ったエネルギーのバランスによって、太るのか痩せるのかが決まります。
絶対に押さえておきたいカロリー収支の基本原則
- 摂取カロリーと消費カロリーが同じ場合 :現状維持
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも多い場合 :体重が増える
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも少ない場合 :体重は減る
例えば、飲み会が宴会コースだった場合、一般的な1人当たりの摂取カロリーは1500kcal程度になると予想できます。
宴会コースを前菜・刺身、揚げ物、肉料理、ごはんもの、デザートとして、ビールやお酒を3~4杯程度飲んだ場合でカロリーを想定
ダイエットの状況にもよりますが、1回の摂取カロリーが1500kcalとなると1日の総摂取カロリーをオーバーしてしまいます。
つまり、普段の食事と飲み会の摂取カロリーを合わせると確実に消費カロリーよりも多くなるため、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられるので太りやすくなってしまいます。
では「その日の朝食や昼食をスキップして飲み会に備えればよいのでは?」と考えてしまうかもしれません。
それでは飲み会で摂取したカロリーの吸収が良くなり、逆に太りやすくなってしまいます。
参考
空腹が続いた状態で食べ物を摂取すると、血糖値が急激に上昇しやすくなり、インスリンが大量に分泌され、その反動でカラダにエネルギーを蓄えようとするはたらきが強くなってしまうからです。
そこで摂取カロリーを飲み会の当日だけではなく、余裕をもって3日前からカロリーを調整する方法がスマートな考え方になります。
3日前から事前にカロリーをコントロールしておく
おすすめは3日前から徐々に飲み会当日のためにカロリーの空きスペースを設けておく方法です。
なぜなら、当日の食事を我慢しなくてよいのでストレスが少なく、飲み会で摂取したカロリーの急激な吸収をさけることができるからです。
たとえば、普段の食事で平均して2000kcalを摂取している人がいるとします。
飲み会の行われる3日前から徐々に摂取するカロリーをを落としていきます。
3日前に200kcal抑えて、2日前に400kcal、前日と当日に500kcal抑えるとすると以下のようになります。
4日前:通常通り2000kcal
↓
3日前:1800kcal
↓
2日前:1600kcal
↓
前日:1500kcal
↓
当日:1500kcal
この方法であれば、4日間で1600kcal分の容量を確保できたことになります。
仮に、飲み会で1500kcal摂取したとしても4日間で余裕をもって帳尻を合わせることができます。
この方法は飲み会直前に無理やり空腹にする必要もなくなりますので、太りやすくなる要因も回避できます。
もし食事を減らすのがキツイなと感じた場合は運動する機会を取り入れて消費カロリーを増やしましょう。
たとえば、エレベーターやエスカレーターは使わずに階段を使う、昼休みに15分程度の散歩をする、通勤で歩く距離を少し遠回りして増やす、飲み会の会場まで歩いていくなど、少し意識すれば運動量をあげて消費カロリーを増やすことができます。
たしかに、ウォーキングで消費されるカロリーは10分でも30~40kcalと少ないですが、朝、昼、夜と分散して合計60分歩くことができれば、180~240kcal余分に食べても太らない計算になります。
ポイント
飲み会の3日前から食事で摂取するカロリーを少し抑え、運動の機会を少し増やして消費カロリーを多くして飲み会分のカロリーを確保しておきましょう。
当日の朝食・昼食を抜いて飲み会に参加することがおすすめできない理由
先ほども少し紹介しましたが、空腹の状態で飲み会に参加してしまうと次のような症状が引き起こされます。
- 空腹でアルコールを摂取することで食べ過ぎを抑制してくれるホルモンの「レプチン」が分泌されにくくなってしまうため、満腹感を感じづらく、食べ過ぎてしまう
- 空腹での食事は血糖値を急激に上昇させ、インスリンのホルモンが多く分泌されるので体脂肪をため込みやすくなってしまう
- 急激なアルコール摂取に肝臓の処理が追いつかず、肝臓はアルコールの解毒に全エネルギーを使ってしまうため、摂取した糖分やタンパク質、脂質を分解したり蓄積したりする機能がうまくはたらかずに余分なエネルギーを体脂肪としてため込みやすくなってしまう
一時的な対処で痛手を負うよりも、事前に備えておいた方が賢く対応できます。
飲み会の最中に意識して行うこと
飲み会の最中に意識して行うことが3つあります。
飲み会の最中に意識して行うこと
- 飲み会でも太らないおつまみを選ぼう
- 太りにくいお酒を選ぼう
- 意識して水を飲もう
③飲み会でも太らないおつまみを選ぼう
飲み会に参加した時に気をつけなければならないのがおつまみ。
飲み会でも太らない食べ方を実践するには糖質の低いおつまみを選び、血糖値が急激に上昇しないように工夫することがポイント。
なぜなら、カラダを太らせてしまう大きな要因は糖質の過剰摂取のために引き起こされるからです。
血液中に溶けている糖分の割合を血糖値といいますが、糖分を摂取すると血糖値はすぐに高くなります。
血糖値が高くなると、カラダの血糖値をコントロールするためのホルモン「インスリン」が分泌されます。
インスリンが分泌されると、血液中の糖分は各細胞に送られて、細胞が活動するためのエネルギーとして消費され、血糖値が下がります。
ところが、血液中の糖分が多い状態が続くと各細胞でも糖分を使い切れず余ってしまいます。
この余った糖分が脂肪細胞に蓄えられることでカラダに脂肪がつきます。
これが太る原因です。
さらに、血糖値が急激に上下動すると強い空腹感を覚えて余計に食べてしまいます。
糖質を多く摂ることで血糖値が急上昇
↓
インスリンが大量に分泌される
↓
血糖値が急激に下がる
↓
血糖値が下がり過ぎてしまい低血糖の状態になる
↓
低血糖のため空腹感が刺激される
↓
また食べてしまう(ドカ食いが始まる)
↓
血糖値がまた急上昇し悪循環が始まる…
とくに飲み会の場合、お酒も飲むことで酔っぱらってしまいますから、判断力も満腹感も鈍ってしまい、余計に食べ過ぎてしまう傾向に。
そこで、血糖値を急激に上昇させないおつまみ選びと食べ方の工夫を行います。
乾杯後に血糖値の上昇を抑えるコツ
飲み会が始まったら食物繊維の多い食べ物を注文しましょう。
なぜなら、食物繊維の豊富な食材は食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれる作用があるからです。
とくに食物繊維の中でも水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊維」は糖質の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑える効果があります。
水溶性食物繊維を多く含む食品
- 野菜類(ごぼう、にんじん、おくら、ブロッコリーなど)
- 納豆
- 海藻・きのこ類
- しろきくらげ
そこでおすすめなのが野菜や海藻類が豊富なサラダ、たとえば「海藻サラダ」や「大根サラダ」「やみつきキャベツサラダ」などのサラダをオーダーしましょう。
注意ポイント
ただし、ポテトサラダは糖質が多くマヨネーズなどを使ってしますし、シーザーサラダはカロリーが高めなので、葉物野菜や海藻がメインのサラダを選ぶようにしましょう。
糖質を抑えたおつまみの選び方
飲み会で太りにくいおつまみは高タンパク・低糖質のものになります。
肉や魚、豆といったタンパク質が豊富な食材は糖質と違い、分解されるまでに時間がかかりますので腹持ちが良く、満腹感が持続します。
また、肉や魚には体内に入ったアルコールを中和するはたらきのある「イノシン酸」が多く含まれています。
タンパク質を摂取することで得られるアミノ酸の「グルタミン」は肝臓がアルコールの分解を促進するはたらきがあります。
関連
ただし、グルタミンは熱が加わると効果が薄れてしまいますので生で食べるタンパク質が豊富な食材がおすすめです。
いくつか例を示しておきますので参考にしてください。
ダイエット中におすすめのおつまみの例
おつまみ | おすすめな理由 |
もろきゅう | きゅうりはアルカリ性食品なので、お酒で酸性に傾きやすいカラダを中和できる。また、もろみから塩分補給できる |
えだまめ | タンパク質が豊富 |
焼き鳥(塩) | グルタミン、タンパク質が豊富。ただし、タレは糖分が多いので焼き鳥(タレ)はNG |
マグロやサーモンのカルパッチョ | グルタミンが豊富で魚の良質なタンパク質が摂れる |
刺身、馬刺し | タンパク質豊富。ただし、シャリのついている寿司は糖質が増えるので注意 |
豚汁 | 豚肉(イノシン酸)、玉ねぎ・味噌(グルタミン)、ごぼう・にんじん(アルカリ性)、味噌(塩分)、水分補給と総合的によい |
鍋料理 | 好きなものを自分のお椀に入れることができるので、糖質の少ない肉や魚、葉野菜を中心にとれる |
おでん | おすすめは卵、こんにゃく、しらたき、すじ肉、がんもどき。練り物(さつま揚げやちくわぶなど)は糖質が高いのでNG。練り物以外にも昆布は糖質が高いので避ける |
揚げ物 | 揚げ物は全般的にOK。ただし、衣が厚すぎる場合は中身だけ食べるように心掛ける |
鶏のから揚げ | 衣に片栗粉が使われているが、糖質は少ないのでOK。ただし、あまりにも衣が多い場合は、中身だけを食べる。とはいえ、食べ過ぎると糖質も増えるので数を決めて食べよう |
ソーセージ | タンパク質が豊富。ただし、魚肉ソーセージはつなぎに小麦粉が使われているので避けよう |
乾きもの(スルメ・小魚) | タンパク質が摂れ、よく噛むので満腹感も増える。マヨネーズをつけてもOK(ただし、つけすぎに注意!) |
また、使われている調味料や味付けにも気をつけることで糖質を抑えることができます。
簡単な見分け方としては「甘味が少なく、小麦粉やパン粉など衣のついていないおつまみ」を選ぶことで糖質を抑えることができます。
たとえば、焼き鳥であれば「タレ」ではなく「塩」を、サラダの「ドレッシング」は「マヨネーズ」に、魚料理であれば「味噌煮」や「甘辛煮」ではなく「塩焼き」にするといった工夫で糖質を抑えることができます。
以下にいくつか例をあげておきます。
太らないお酒のおつまみの選び方については、下記で詳しく解説しています。
あわせて読みたい
ポイント
飲み会では糖質の低いおつまみを選び、血糖値が急激に上昇しないように食べ方を工夫しましょう。
*おいいしいを我慢しないで糖質ケア!
糖の吸収を抑えて血糖値を上昇させずにお酒と食事をどちらも楽しむには【金の菊芋】が早いかもです。機能性表示食品に認定されているイヌリンがが食後の血糖値上昇をしっかり抑制してくれます。そのままポリポリ噛んでもほんのり甘い菊芋の味がして、水なしでも手軽に摂取できるので続けやすいです。
≫金の菊芋を確認するにはこちら
④太りにくいお酒を選ぼう
お酒で太らないためには糖質の低いお酒を選びましょう。
先ほども紹介したとおり、カラダを太らせてしまう最大の原因は糖質です。
ビールやワイン、日本酒といった穀物や果物などをアルコール発酵させて作る「醸造酒」はアルコール以外に糖質なども含まれています。
また、醸造酒はアルコール度数が低いので飲みやすくたくさん飲めてしまいますから、油断すると摂り過ぎて太ってしまいます。
一方で、醸造酒をさらに蒸発させて集まった気体を再び液体に戻して作る「蒸留酒」は糖質などが含まれてしません。
代表的な酒100mlあたりのカロリーをまとめてみました。
「それ以外のカロリー」で表示されている部分が糖質などのカロリーです。
ジャンル | 種類 | アルコール度数 | 総カロリー | アルコールのカロリー | それ以外のカロリー |
ビール | 醸造酒 | 約5% | 42kcal | 28kcal | 14kcal |
日本酒 | 醸造酒 | 約15% | 105kcal | 84kcal | 21kcal |
赤ワイン | 醸造酒 | 約12% | 80kcal | 70kcal | 10kcal |
ジントニック | 混合 | 約5% | 110kcal | 76kcal | 34kcal |
生グレープフルーツサワー | 混合 | 約5% | 98kcal | 44kcal | 54kcal |
焼酎 | 蒸留酒 | 約25% | 140kcal | 140kcal | 0kcal |
ウイスキー | 蒸留酒 | 約43% | 241kcal | 241kcal | 0kcal |
ウォッカ | 蒸留酒 | 約50% | 280kcal | 280kcal | 0kcal |
焼酎やウイスキーなら糖質がないからどれだけ飲んでもよい…というわけではありません。
アルコールは1gあたりのカロリーが7kcalあります(タンパク質や炭水化物は1gあたり4kcalなのでアルコールの方がカロリーが高いです)。
いくら糖質がないからとはいえ、飲み過ぎはカロリーを摂り過ぎてしまう原因に。
太りたくないなら、お酒はほどほどに控えましょう。
ポイント
一杯目はビールを飲んだとしても、それ以外は焼酎やウイスキーなど糖質のない蒸留酒に切り替えましょう。
⑤意識して水を飲もう
飲み会でお酒を飲むならそれと同じくらい水分補給を心がけましょう。
その理由は肝臓にかかる負担を和らげるため。
アルコールを分解するためには水が必要(*1)だからです。
<画像出典:飲酒と脱水について / 味の素株式会社>
つまり、お酒を飲む場合は「大量の水を飲む」これが太らないコツです。
水を飲むことが太らないコツである理由を詳しく解説していきます。
水を飲んで肝臓にかかる負担を和らげる
<画像出典:よくわかる!肝機能ナビ、「肝臓の働き」>
肝臓には3つの主なはたらきがあります。
肝臓のはたらき
- 胆汁の生成と分泌
- 代謝作用
- 解毒作用
参考
胆汁とは、脂肪やタンパク質の消化・吸収を促進するための分泌液です。
代謝作用とは食べ物から取得した栄養素(タンパク質、糖分、脂質)を分解したり貯蔵したりすることです。
アルコールが体内に取り込まれると肝臓はアルコールの解毒作業を最優先に行います。
体内に吸収されたアルコールは肝臓で3つのステップを経て解毒しています。
アルコール(エタノール)
↓
アセトアルデヒド
↓
酢酸
↓
水と二酸化炭素
アルコールの分解を助ける酵素は大量の水を必要とします。
また、肝臓がアルコールの解毒作業を優先中は胆汁の生成と分泌、代謝作用を一時的に中断するので食べ物から摂取したエネルギーが代謝されずに余りやすくなるため、太りやすくなる原因になってしまいます。
アルコール度数を低くする工夫をしよう
<画像出典:ウイスキーのおいしい飲み方 / サントリーホームページ>
焼酎やウイスキーといった蒸留酒はビールやワインに比べてアルコール度数が高いものが多いです。
肝臓の負担を和らげてあげるにはアルコール度数を低くしてあげましょう。
たとえば、水や炭酸などで割ることでアルコール度数を下げることができます。
ただし、糖質の多いジュースなどで割るのは血糖値の上昇を抑えるうえでも控えたほうが良いでしょう。
また、度数の高いお酒が好きな人はチェイサーを活用しましょう。
参考
チェイサーとは別に用意した水や炭酸水のこと。
チェイサーは強いお酒を飲み続けたときに、香りがわからなくなることを避けるための口の中をリフレッシュさせるアイテム。
度数の高い蒸留酒などはチェイサーと交互に飲むことで口内のリフレッシュだけででなく、体内でアルコール度数を下げることができます。
また、のどの渇きや脱水症状を避けることもできます。
脱水症状になるのを避ける
お酒を飲んだあと、やたらと喉が渇いた経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実はアルコールはカラダを脱水症状にしてしまうはたらきがあります。
その理由は主に2つ。
- アルコールの気化作用
- アルコールの利尿作用
1つ目の理由はアルコールの気化作用です。
アルコールが蒸発(気化)するときに細胞の熱と水分を瞬間的に奪ってしまいます。
たとえば、予防接種や血液検査など注射をする前にアルコールによる消毒を行いますが、アルコール消毒をすると皮膚がスーッとする体験をしたことがあると思います。
これはアルコールが気化する際に熱を奪うためです。
また同時にアルコールで気化した部分を乾燥させるはたらきもあります。
アルコール消毒でスーッとしたあとは皮膚が乾燥しているのに気づいた方も多いと思います。
2つ目の理由はアルコールによる利尿作用です。
簡単にいってしまえば、おしっこの量が増えること。
これら2つの作用によってアルコールが体内に入った場合はカラダの水分量が減ってしまいます。
カラダの水分量が減ってしまうと、血中のアルコール濃度が高くなり肝臓にかかる負担が大きくなります。
また、脱水症状は血液をドロドロにしてしまうためカラダ全体の代謝パフォーマンスが低下してしまいます。
注意ポイント
カラダの水分不足は肝臓の機能に負担をかけるだけでなく、カラダ全体の代謝が落ちてしまうため太りやすくなってしまうのです。
おすすめはお酒の量以上の水を飲むこと
飲み会に参加するなら、お酒を飲んだ量以上の水分を補給しておくとアルコール分解を促進するのに効果的です。
たとえば、飲み会で乾杯に中ジョッキ(435ml)のビール1杯飲み、その後は芋焼酎のロックに切り替えてグラス2杯(180ml)飲んだとします。
このときに飲んだお酒の総量は「435ml+180ml=615ml」となります。
そのため、最低でも615ml以上の水分を補給しておくとよいでしょう。
ただし、お酒をすべて飲み終えてからまとめて水分補給しようとするとかなり厳しいです。
ほろ酔い気分で大量の水を飲むことは、実際に体験していただければわかると思いますが、私の経験上からいっても至難の業。
そこで、お酒を飲んだ量以上の水分補給を簡単に行う方法があります。
お酒を飲むグラスのほかに水用のグラスまたはチェイサーを用意しておきます。
お酒を一口飲んだら、それと同じ量以上の水をすぐに飲めば、何杯お酒を飲んだなどと数値を気にすることなく水分を補給することができます。
具体的な方法は以下のとおり。
とても簡単ですのでぜひ実践してください。
すぐに実践可!飲み会中の水分補給方法
- ビールやお酒をオーダーするときはチェイサーも一緒にオーダーする
- 家飲みの場合は乾杯する前にペットボトルの水やチェイサーを用意しておく
- お酒を1口飲んだら水も同じ量だけすぐに飲めば、余計な計算なしで飲んだお酒と同じ量だけの水分補給ができる
ポイント
飲み会中は意識して水分補給を心がけましょう。
飲み会の後にするべきこと
飲み会の後にするべきことは2つあります。
飲み会の後にするべきこと
- 飲んでから3時間以上経つまでは寝ないで我慢しよう
- 食べ過ぎたと思ったら次の日の食事を管理しよう
⑥飲んでから3時間以上経つまでは寝ないで我慢しよう
たしかにお酒を飲むと酔いも回ってウトウトと眠くなるのはわかります。
あのウトウトの状態で寝てしまうときの何とも言えない気持ちよさも知っています。
しかし、あのウトウトに任せて寝てしまうと太りやすい状態を引き起こしてしまいます。
その原因は主に3つあります。
飲んですぐに寝ると太りやすくなる原因
- 肝臓が代謝機能よりも解毒機能を優先させてしまうため
- アルコールが分解されると発生するアセトアルデヒドによる影響
- 睡眠中に分泌されるホルモンがうまくはたらかない
先ほども紹介した通り、体内にアルコールが残っている時は肝臓はアルコールの解毒を最優先に行いますから、食べた物から摂取したカロリーが代謝されにくくなり、太りやすくなってしまいます。
それに加えて、アセトアルデヒドによる悪影響を受けてしまい太りやすい状態を作ってしまいます。
これらの悪影響を避けるために飲み会の後は最低でも3時間経つまでは寝ないようにしましょう。
その詳しい理由について解説していきます。
アセトアルデヒドによる影響をさけるため
体内に吸収されたアルコールは肝臓で3つのステップを経て解毒されますが、そのときに発生するアセトアルデヒドはアルコールの10倍以上もカラダにとって有害であると言われています。
アセトアルデヒドによって刺激を受けて血管が拡張することで顔が赤くなったり、神経が刺激されて交感神経が優位になったりします。
参考
神経には主に2種類あり、次のようなはたらきがあります。
神経の種類 | 機能・主なはたらき |
交感神経 |
|
副交感神経 |
|
通常、寝たあとは副交感神経が優位にはたらきます。
ところが、アセトアルデヒドが体内に残っていると交感神経が刺激され、眠りが浅くなり睡眠の質が下がってしまいます。
つまり、アセトアルデヒドが体内に残っている間に寝てしまうと睡眠中に行われるはずの食物の消化・吸収がアセトアルデヒドによって邪魔をされてしまうため、太りやすくなってしまうのです。
また、寝ている間に分泌されるホルモンの成長ホルモンとコルチゾールがアセトアルデヒドによって邪魔をされ、うまく分泌されなくなってしまいます。
成長ホルモンの分泌が落ちると脂肪燃焼効果が低下し痩せにくく太りやすい状態を作ってしまいます。
成長ホルモンには脂肪を分解する作用があるので、成長ホルモンが足りないと「メタボ」になってしまいます。逆に「メタボ」の人は成長ホルモンが出にくくなっています。
引用:日本医科大学老人病研究所疫学部門 教授 南 史朗「成長ホルモンの話」、『街ぐるみ認知症相談センター Newsletter』、Vol.3 September 2011
コルチゾールは睡眠中に「グリコーゲン」を代謝してエネルギーを作り出してくれます。
しかし、コルチゾールがうまく分泌されないとグリコーゲンは使われずに体内にエネルギーを残し、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積されてしまいます。
肝臓内のグリコーゲン量が減少すると、脂肪分解が促進されることが筑波大学の研究から確認されています。
引用:Nature Communications, 2013
体質や飲んだアルコールの量にもよりますが、アルコールが分解されるまでには最低でも3時間はかかるといわれています。
たとえば、体重65kgの人が中ジョッキ(およそ435ml)の生ビールを飲んだ場合、アルコールが分解され完全に解毒されるまでに要する時間を計算してみると、およそ2時間40分かかることになります。
また、個人差もありますが体内に摂取された食物が消化されるには最低でも3時間は必要とされています。
寝ている時に食べ物が消化されずに残っているとコルチゾールはグリコーゲンを使うことができません。
体内にアルコールが残っている状態で寝てしまうと肝臓の代謝機能の低下とコルチゾールによるグリコーゲン消費が落ちるダブルパンチによって太りやすい環境を寝ている間に作ってしまいます。
- アセトアルデヒドをできる限り体内に残さない
- 食べ物を消化されない状態で寝るのを避ける
以上のことから、お酒を飲んだあとは3時間以上たってから寝るようにすることが賢い選択です。
ポイント
お酒を飲んだ後は飲んでから3時間以上経つまでは寝ないで我慢しましょう。
⑦食べ過ぎたと思ったら次の日の食事を管理しよう
飲み会で食べ過ぎたな…と思ったら、次の日の食事をコントロールすることで対策できます。
カラダに体脂肪が蓄積される仕組みは、体内に摂取された食物のエネルギー(ここではアルコールのエネルギーも含まれます)が使い切れずに余ってしまった場合、カラダは非常用の蓄えとして脂肪に変換してカラダにためこみます。
おもいっきり飲んでしまった次の日はまだ体内にエネルギーが有り余っている場合がほとんどです。
逆に言えば、エネルギーを使いきってしまえば脂肪となってカラダに蓄積させることはないということ。
飲んだあとは次の日の食事の量をうまくコントロールする必要があります。
次の日の朝食・昼食で帳尻を合わせる
1番簡単な方法は次の日の朝食や昼食を控えめに抑えることです。
カラダにはまだ昨日の飲み会で得たエネルギーが余っているはずですから、これらを消費してしまえばカラダに蓄えられることはありません。
ただし、次の日の朝食・昼食を全く食べないでスキップすることはやめましょう。
なぜなら、カラダのエネルギーを消費するためには酵素やホルモンなどが必要で、カロリーを消費する(カラダの機能を維持する)ためにも最低限のエネルギー(栄養素)が必要だからです。
カラダの機能を維持するためには材料となるタンパク質が必要です。
タンパク質の主なはたらき
- 筋肉・骨・歯をつくる
- 皮膚・髪の毛・爪をつくる
- 血管・血液をつくる
- 酵素をつくる
- ホルモンをつくる
- 抗体(カラダに入ったウイルスや細菌をカラダから追い出すための物質)をつくる
いくら前日に食べ過ぎたからと言って、タンパク質が不足した状態ではカラダはうまく機能しません。
そこで、おすすめは飲んだ次の日の朝食や昼食は水分を多めに補給しながら高タンパクで低糖質な食べ物を少しだけ摂取するという方法です。
たとえば、朝食はハムチーズサンドの具だけ食べ、パンは残します。
和食派の方であれば、納豆だけたべてご飯(米)は食べないようにします。
ランチには鶏肉のソテーや牛肉のステーキなどタンパク質の豊富なメニューを選び、このときにご飯(米)やイモ類、果物、デザートなど糖質の高いものは食べないといった工夫ができます。
とくにおすすめは、低カロリーでしっかりとタンパク質を補給できるプロテインを活用することです。
プロテインは1回の摂取でタンパク質が20~30g確保でき、そのときの糖質は5g以下に抑えることができます。
また、全体のカロリーも200kcal以下に抑えられますので、おもいっきり飲んでしまった次の日の朝食・昼食の置き換え食としてプロテインシェイクは重宝します。
プロテインを活用した置き換えダイエットは飲酒後はもちろん、お酒を飲まない日でもあなたのダイエットを加速してくれます。
プロテインを食事と置き換える、または食事に追加するメリットとその方法については下記の関連記事にて詳しく徹底解説しています。
あわせて読みたい
豆知識:アルコールが分解されるまでに要する時間を計算する方法
気持ちよく酔っているときに計算などしたくありませんが、酔っていない素の状態のときにアルコールを分解するまでにどのくらいの時間を要するのかを知っておくことは、ダイエットにとってプラスになります。
アルコールを分解するには個人差もありますが、一般的には「体重1kgあたり1時間でおよそ0.1gのアルコールを分解することができる」と考えられています。
この考えかたを基にすると、理論的にはアルコールが抜けるまでの時間をおおよそ計算することができます。
アルコールが分解されるまでの時間を求める方法
(1) あなたのカラダが1時間に分解できるアルコール量の目安
体重(kg)×0.1=1時間に分解できるアルコール量(g)
(2) 体内に入ったアルコールの量を計算する
(アルコール度数(%) ÷ 100)× 飲んだ量(ml) × 0.8=アルコール量
*エタノールの比重は0.792gですが、簡単にするために0.8として計算しています。
(3) カラダからアルコールが抜けるまでにかかる時間
(2)のアルコール量 ÷ (1) のアルコール分解量 = アルコール解毒に要する時間
たとえば、体重70kgの人が500mlの生ビールをジョッキで2杯飲んだとします。
その場合、以下のような式になります。
1時間に分解できるアルコール量の目安は : 70kg × 0.1 = 7g
体内に入ったアルコール量は : 5% ÷ 100 × 500ml × 2杯 × 0.8 = 40g
アルコール解毒に要する時間 : 40g ÷ 7g = 5.714...時間
つまり、500mlの生ビール2杯を飲んだあと、アルコールが完全に解毒されるまでにはおよそ5時間43分の時間が必要だということになります。
意外と時間を要してしまうことに気づかれたと思います。
この事実を知っているだけでもお酒を飲む量を控えるきっかけとなるはずです。
まとめ:段取り8割!もう飲み会で太らない!
ダイエット中に飲み会のお誘いがあった場合でも、今までに紹介してきた7つのポイントを駆使することでダイエット中でも落ち込むことなく、そして失敗することなく「飲み会」に対処することができます。
最後にもう一度7つの方法を確認しておきましょう。
飲み会を太らずに乗り切る7つの秘策
- 気が進まない飲み会を断る方法を知っておこう
- 事前に摂取カロリーをコントロールしておこう
- 飲み会でも太らないおつまみを選ぼう
- 太りにくいお酒を選ぼう
- 意識して水を飲もう
- 飲んでから3時間以上経つまでは寝ないで我慢しよう
- 食べ過ぎたと思ったら次の日の食事を管理しよう
ダイエット中に気をつけるべきことは「ストレスを溜めない」こと。
ダイエット中なのに飲み会が入ってしまったと落ち込み、気負いする必要はありません。
それがストレスとなりダイエットを挫折してしまうことは意外と多いものです。
私もこれらの秘策を知らずに、ストレスからダイエットを挫折してしまった経験があるだけに、一人でも多くの人が私と同じ過ちを繰り返さないようにと記事にしました。
この記事を読み、飲み会のお誘いとうまく付き合っていくことができることを切に願っております。
ロジックダイエットはあなたのダイエットの成功を応援しています。
参考文献