食べ過ぎで太ってしまったから、食べないで痩せる!
太ってしまったと気にする人は、誰しもが一度は考えたことがあるはず。
たしかに、何も食べなければ体重は減っていきます。
しかし、食べないダイエットでは痩せないことをご存知ですか?
食べないダイエットは「ダイエット」の本来の意味から考えると、絶対に成功しないことがすぐに理解できます。
この記事ではダイエットの本当の意味から読み解いて食べないダイエットが失敗する理由と、逆に効果があるダイエットについてご紹介します。
食べないダイエットは痩せないの?「ダイエット」の2つの意味
あなたは「ダイエット」と聞くと何を想像しますか。
日本人の大半は「ダイエット=体重を減らすこと」「ダイエット=痩せること」と考えてしまいます。
そのため、多くのダイエットに関する情報は体重をいかに早く落とすか、摂取するカロリーをいかに落とすかにフォーカスを当てています。
しかし、この考え方ではいつまでたっても憧れの体型を手に入れることはできません。
なぜなら、ダイエットの意味をはき違えているからです。
たとえば、「このはしは使いやすい」と伝えるとき、相手が箸(はし)ではなく橋(はし)で意味を捉えてしまっては会話が成り立ちませんよね。
言葉の意味をしっかりと理解できなければ、そこから導かれる答えも全く違うものになってしまいます。
同様に、「ダイエット」の意味を間違って捉えたままでいると絶対にダイエットは成功しません。
では、ダイエットとはどのような意味があるのでしょうか?
ダイエットは大きく分けると2つの意味があります。
ダイエット=食事を制限すること
1つは健康や美容、肥満の防止などのために普段から習慣的に食べている食事の内容を制限することです。
たとえば、ダイエットの情報には「〇〇ダイエット」と言われる種類のダイエットが数多く存在しています。
「ヨーグルトダイエット」「豆腐ダイエット」「バナナダイエット」……。
これらは特定のものを食べ続ける制限を設けて体重を減らしていく考え方です。
つまり「特定のものを食べ続けていけば、痩せますよ」というものです。
裏を返せば「特定のものを食べなくなったら、痩せません」と言っているのです。
同様に「糖質制限ダイエット」「パレオダイエット」「グルテンフリーダイエット」といった特定の物を食べないで体重を減らしていくダイエットも存在します。
これも裏を返せば「特定のものを食べてしまったら、痩せません」と言っているワケです。
さらに「XXだけダイエット」という1種類のものだけをひたすら飲み食いし続けて痩せさせるというトンデモナイ情報まで出回っています。
ダイエットの世界では、このような情報を発信している人が大勢います。
これらに共通するのは「食事を制限するには食べたいものを我慢するしかない!」と考えていることです。
本当に健康的なボディメイクを考える人なら、このような情報を提供しようとは思わないはず。
なぜなら、我慢することは絶対に長続きしないため確実に途中でやめてしまうからです。
あなたはこの先の一生涯、自分の好きなものを絶対に食べないで生き延びてくださいと言っているようなもの、確実に途中で挫折します。
特定の物を食べ続けると太りやすく痩せにくいカラダになる
なるほど、特定のものだけを食べ続ければ短期間で体重を落とせるかもしれません。
しかし、その期間が終わり、食事を元に戻した途端に今までの体型よりもさらに悪い状態に逆戻りする、いわゆるリバウンドしてしまうことは容易に想像できます。
なぜなら、次のような悪循環に陥ってちいってしまうからです。
特定の物だけに制限して食べ続ける
↓
栄養(とくにタンパク質)不足になる
↓
カラダは飢餓状態であると誤解し、カラダに脂肪をため込もうとする
↓
タンパク質不足のため、筋肉を分解してタンパク質を作り出す
↓
筋肉量が落ちて基礎代謝が減る
↓
太りやすく痩せにくい状態になり、痩せられないスパイラルに陥る
これだけでなく、タンパク質が不足することで下記のような症状も出てしまいます。
タンパク質不足で現れる症状
- 疲れやすい
- 酵素が作られない
- 皮膚がボロボロになる
- 貧血気味でクラクラする
- 肌にハリ・ツヤがなくなる
- 代謝が落ちて太りやすくなる
- しわやたるみ、くすみなどが目立つ
- 集中力が続かない、やる気がおきない
- 今まで行えた動作をうまく行えなくなる
- 髪の毛がガサガサして、切れやすく抜けやすくなる
- 思考力が低下し、ボーッとしてしまうことが多くなる
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注意ポイント
「ダイエット=食事を制限する」と考えてしまうと、好きなものが食べられない精神的な苦痛と栄養不足に陥りやすい健康面でのデメリットが大きすぎるため、中長期的なダイエットには向きません。
ダイエット=食べること
それでは、ダイエットのもう1つの意味について考えてみましょう。
ダイエットは英語の「diet」からきた言葉です。
また「ダイエット:diet」は「die:死ぬ」と「eat:食べる」の造語とする説もあります。
そもそも「diet」とはどのような意味を持っているのでしょうか。
英英辞典で「diet」の意味を調べてみると、以下のように記されています。
・the food and drink that a person or animal regularly consumes
(人や動物が通常消費する食べ物・飲み物のこと)
・food and drink considered in terms of its qualities, composition, and its effects on health
(その物の質や構成、健康に対する効果をなどに考慮した食べ物や飲み物のこと)
・a particular selection of food, especially as designed or prescribed to improve a person’s physical condition or to prevent or treat a disease
(病気の予防、治療、カラダの状態を改善するために選ばれた特別な食物)
Dietの語源は、ギリシャ語の「dieta:生活様式、生き方」とされています。ここから、「日常の食べ方」という意味に転じた言葉になります。
Wikipediaより引用
語源の意味からも分かるとおり、私たち動物は何かを食べ続けなければ生きてゆけません。
つまり「何かを食べる」という行為自体が私たちの生命活動にはなくてはならない動作のひとつなのです。
簡単に言ってしまえばダイエットとは「普段の食事、食習慣、食生活」のことです。
ここから、私たちのカラダは食べ物からできていることがわかります。
英語圏では”You are what you eat.”:「あなたはあなたの食習慣によって作られる」と言われています。
食べた物によって私たちのカラダは下記のように変化することは簡単に想像できると思います。
食習慣によって起こる変化
- 健康的な食事をすると、カラダは健康になる。
- 不摂生な食事をすると、カラダは健康ではなくなる。
- 太りやすい食事をすると、カラダは面白いように太る。
- 痩せやすい食事をすると、カラダは痩せていく。
私たち人間と同じく食事をしないと生きていけない動物たちはどのような体型をしているでしょうか。
野生動物で太っている動物を見たことがありますか?
たとえば、太ってしまって狩りが思うようにできなくなってしまったライオンや、太り過ぎて空が飛べなくなった鳥など、見たことがありません。
ところが、私たち人間は好きなものだけを食べ続けてブクブクと太り、思うように動けなくなる人や肥満が原因で糖尿病などの成人病を引き起こしている人が大勢います。
病気になっていなくとも、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣の乱れから肥満、とくに内臓脂肪がカラダに蓄積されてしまい、それが原因で病気になるリスクが増えるメタボリックシンドローム、いわゆる「メタボ」体型の人が増え続けています。
40歳以上の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム(内臓肥満症候群)が強く疑われる者とその予備軍であることが、厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」でわかっています。
<出典:厚生労働省「メタボリックシンドローム該当者・予備軍の状況」より>
ここから、本来は「日常的に摂取する食物=ダイエット」だったものが、太ってしまったカラダを元に戻すため、肥満などに対する食事制限や治療法といった医療用語としての意味を持つようになりました。
一般的には「減量のための食事制限」という箇所だけが限定的に使われ、いつの間にか「痩せる」という部分のみが注目されたため、ダイエットの意味合いが変質してしまった経緯があります。
そのため「ダイエットする=痩せる・減量する」の意味として使われる機会が多くなってしまったのです。
先ほど紹介した「〇〇ダイエット」や「XXだけダイエット」といった情報が飛び交うのも「ダイエットする=痩せる・減量する」の意味だけが独り歩きしてしまった結果、できあがった副産物と言えます。
ダイエットする本当の意味を知ると痩せる!
ここで誠意をもって断言させていただきます。
頑張ってダイエットをして「痩せる」と思った時点でダイエットは失敗します。
とくに、短期間で結果を出したいと考えている人は「1週間で5kg痩せた」「●●をするだけで痩せられる」などの情報に飛びつきやすいです。
これらの情報に飛びついては意味がありませんし、真に受けて同じような行動を取ってはいけません。
そうではなく「私たちが毎日食べる食物、食べ方、食習慣=ダイエット」という考えができなければいけません。
野生動物の例でいえば、日常的な生活をするだけで理想となる体型を維持しているライオンや鳥を見習う必要があるのです。
注意ポイント
「ダイエットする = 食事を制限して痩せる」と考えているのであれば、たとえある期間で痩せることができたとしても、必ずリバウンドを起こし元の体型に戻ってしまいます。
残念ながら「食べなきゃ痩せる!」と考えている方が大勢いらっしゃいます。
たしかに、食べる量を制限したり、極端に摂取カロリーを低くすると一時的には面白いように体重は減っていきます。
しかし、この考え方では必ずリバウンドします。
なぜなら、次のことが起こり、結果として痩せにくく太りやすいカラダになってしまうからです。
「食べなきゃ痩せる!」が引き起こす悲劇
食べる量を制限する=体内に入ってくる栄養素を制限する
↓
体内のタンパク質が不足する
↓
筋肉が分解されてタンパク質を作り出す
↓
筋肉量が減り、ミトコンドリアの数も減るため、体内で消費される活動エネルギーが低下
↓
食事制限をやめたとたんに「摂取カロリー>消費カロリー」となり、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積
↓
リバウンド完成
私たちは食べ続けなければ生きることができません。
つまり、死ぬまで食事を制限すること自体に無理があり、理にかなっていません。
とはいうものの「痩せたい!」という欲求がなければダイエットについて考える機会がないのも事実。
私がダイエットを本格的に始めたのも「お腹の周りについた余分な脂肪をなんとかしたい」という理由からです。
ここで大きなきっかけとなるのは、まずは「体脂肪を減らすこと」を考え始めればよいのです。
これ以外にダイエットと向き合うチャンスはありません。
ただ、ダイエットと向き合うチャンスができたのならば「〇〇ダイエット」や「XXだけダイエット」といった特定のものだけを食べて痩せるダイエット、または特定の物だけを食べないダイエットは絶対に考えないでください。
痩せることはただ体重を落とすのではありません。
「ダイエットする」とは筋肉量はできるだけ維持したままカラダにため込んだ余分な体脂肪を減らし、結果として体重が減ることなのです。
ポイント
必要な栄養素はしっかりと体内に取り入れつつ、余分なエネルギーは抑えるようにする食生活・食習慣の改善が本来のダイエットなのです。
そうすれば、一時だけの減量ではなく、生涯に渡りリバウンドせずに理想とする体型を維持しながら、我慢せず、無理をすることなく充実した毎日の生活を送れるようになります。
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まとめ:ダイエット=食べて健康的に体脂肪を落とすこと!
ここまで読んで頂けたあなたはダイエットする本当の意味を理解いただけたと思います。
大切なのでもう一度いいます。
今のあなたのカラダは今まで食べてきた物、つまり、今までの食習慣によって作られたものです。
あなたの理想とする体型があるのであれば、その体型になるための食習慣も必ず存在します。
今のカラダは現状の食習慣があなたのカラダを維持させています。
理想とする体型を手に入れたいのであれば、理想の体型を作り出す食習慣を身に着けてください。
そして、ダイエットは一時的なものだと考えないでください。
「食べなきゃ痩せる」から「しっかり食べて痩せる」へ思考の転換をして、私は12年間のリバウンド生活を脱出できました。
あなたは食べ物を食べなければ死んでしまいます。
食べ物を食べること、つまり、食習慣こそがダイエットなのです。
一度でもダイエットに向き合うたなら「毎日の食習慣をどうすればよいのか」ここだけに注目して、一生涯に渡るダイエットに取り組んでください。