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アーモンドでダイエットできる理由|効果的な食べ方と注意点を解説!

アーモンドの写真

アーモンドってカロリー高いのにダイエットに効くってホント?
美容やアンチエイジングにも効果があるって聞いたことあるんですが

これらの疑問、解決します。

たしかに、アーモンドはナッツ類ですのでカロリーが高く太りやすいイメージがあると思います。

一見ダイエットとは無縁に思えるアーモンドですが、実は「奇跡のナッツ」と言われるほどの豊富なミネラルや栄養成分が含まれています。

食べ続けるだけで私たちのカラダを健康的に改善してくれることがさまざまな研究結果からわかってきました。

アーモンドに関する論文を調べてみると、ダイエットに関するものだけではなく、生活習慣病やがん、心臓疾患、アンチエイジングなど様々な論文が300本以上も報告されています。

また、慶応義塾大学の井上浩義教授が行った2013年の研究によれば、生活習慣を変えずに毎日25粒のアーモンドを食べ続けた人は、半年間で平均マイナス3.4kgの減量に成功した結果が報告されています。

このことからもアーモンドは「カラダによい」食べ物であることが容易にうかがえます。

この記事では「アーモンドを1日25粒食べるだけ」で現れるダイエット効果と、アーモンドの魅力について解説し、アーモンドで健康的に痩せる方法とそれを取り入れるためのコツについて具体的に説明していきます。

アーモンドがダイエットに効果的なワケ

すでに冒頭でもお伝えした通り、毎日25粒のアーモンドを食べ続けた人は半年で平均マイナス3.4kgの減量に成功した実績があります。

なぜそのようなダイエット効果があるのでしょうか?

アーモンドのダイエット効果をまとめていきます。

アーモンドがダイエットに効果的なワケ

  • 太りにくいカラダ環境を提供する
  • 痩せやすいカラダを作る

太りにくいカラダ環境を提供する

アーモンドを習慣的に食べる人は、太りにくいカラダ環境を手に入れることができます。

  • アーモンドに含まれる豊富な食物繊維がカラダの中で消化されにくく、水分を含んで「かさ」が増すので、いわゆる「腹もち」がよくなり、ムダ食いを避け、食べる量を抑えることができる。
  • アーモンドの良質な脂質(オレイン酸)がおいしさを感じたときにでる神経伝達物質「ドーパミン」を分泌して、脳が満足するため、少量でも食べたあとの満足感が上がる。
  • アーモンドに含まれる成分が糖質を分解する酵素であるアミラーゼを阻害する効果があり、糖質が小腸から吸収されずに流れていくため、血糖値の急激な上昇を抑えて太りにくいカラダにする。
  • アーモンドに含まれるオレイン酸は、インスリンの分泌をコントロールするはたらきがあるので、急激なインスリン分泌を防ぎ、脂肪の蓄積を軽減する。

カラダが太ってしまう主な要因は、血液中に溶けているブドウ糖(英語ではグルコース)と関係があります。

あなたを太らせる原因は「カロリー」ではなく「糖質」

私は以前、このようなツイートをしました。

あなたが太るのは、摂取したカロリーが高いからではありません、摂取している糖質が多いからなんです。

カラダを太らせるメカニズムをアーモンドが阻害する

まずはカラダが太るメカニズムを見てみましょう。

糖質を摂取すると血糖値(血液中に溶けている糖分(ブドウ糖)の濃度)が上昇します。

血糖値が上がると、血糖値を下げるために「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。

参考

ホルモンとはカラダのさまざまなはたらきを調整する化学物質のこと。

インスリンは糖分を各細胞に取り込ませて消費させるように促します。

インスリンによって細胞に届けられた糖分はエネルギーとして使われますが、使用されずに余った糖分は脂肪細胞の中に非常用の予備エネルギーとして取り込まれます。

つまり、カラダが太ってしまう主な要因は血糖値とインスリンの量によって決まります。

ブドウ糖がありあまる状態であれば、脂肪となり蓄積されますし、インスリンの分泌量が多ければ、その分だけブドウ糖を脂肪に変換して蓄えます。

ブドウ糖は主に炭水化物を分解して作り出されます。

食べ物から摂取した炭水化物をブドウ糖に分解するには、消化酵素と呼ばれる物質を使います。

消化酵素にもいくつか種類がありますが、そのうち、炭水化物をブドウ糖に分解するはたらきのある消化酵素「アミラーゼ」は、アーモンドに含まれる成分によって阻害される(効果が薄れる)ことが研究によって明らかになっています。

また、アーモンドに含まれるオレイン酸はインスリンの分泌をコントロールするはたらきもあります。

ポイント

アーモンドは炭水化物をブドウ糖に分解しにくくし、インスリンの分泌量をコントロールするので、アーモンドは血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食べ物であると言えます。

たとえば、炭水化物であるパンを食べたときの血糖値(血液中に溶けているブドウ糖の割合)の推移を時間軸で見てみると、パンを食べたあと15分で血糖値の上昇が確認され、45分後に血糖値が最大となり、以降は緩やかに血糖値が下がっていくことがグラフからわかります。

アーモンドを一緒に摂取した時の血糖値の推移 実験結果のグラフ

<参考資料:David Schlundt (2007). The Effects of Regular Nut Consumption on Cardiovascular Health Risk Semones>

このとき、パンと一緒にアーモンドを食べると、アーモンドを食べた量に応じて血糖値の上昇が緩やかになっていることが確認できます。

つまり、アーモンドに含まれている成分がアミラーゼのはたらきを阻害したことと、オレイン酸によりインスリン分泌量がコントロールされたことよって、摂取した炭水化物からブドウ糖が吸収されにくくなるのです。

また、体内に吸収されなかった炭水化物は腸へと移動し、排泄物(便)の材料となります。

さらに、アーモンドに含まれるオレイン酸の便通改善効果も合重なって、腸内でも糖分が吸収されにくく、便通を改善してくれるアーモンドは多方面から体重管理をサポートしてくれるのです。

ポイント

アーモンドを摂取すると糖質の吸収が緩やかになり、血糖値が急激に上昇しないためインスリンの分泌を抑え、太りにくい環境を作り出します。

痩せやすいカラダを作る

アーモンドを習慣的に食べる人は、太りにくいカラダの環境を作るだけでなく、痩せやすいカラダも同時に手に入れることができます。

  • アーモンドに含まれる豊富な食物繊維によって便秘を解消し、腸内環境が改善する。腸内環境が改善することで、カラダの機能があがり、痩せやすいカラダになる。
  • アーモンドのオレイン酸が潤滑油の役割を果たして便通を改善する。
  • アーモンドに含まれるオレイン酸が中性脂肪・体脂肪の代謝を促し、脂肪を燃焼させやすくする。
  • アーモンドの抗酸化作用でカラダが受ける酸化ストレスを減らして、痩せやすいカラダにする。
  • アーモンドの良質な脂質がホルモン分泌のバランスを整え、基礎代謝を上げ、痩せやすいカラダになる。

ダイエットを行う上で知っておくべき大切なホルモン(カラダのはたらきを調整する物質)があります。

それは「テストステロン」です。

テストステロンの主な効果は新陳代謝を活発化し、脂肪の分解と燃焼を促進するはたらきがあります。

また、筋肉の合成も手助けしてくれます。

テストステロンは筋肉にはその筋肉を維持させるようにはたらき、脂肪に対しては分解して筋肉に変えようとはたらきます。

脂肪が筋肉に代わればそれだけ基礎代謝があがりますから、自然と痩せやすいカラダになります。

ホルモンの材料となるのが脂質です。

アーモンドに含まれる良質な脂質はホルモンの原料となり、またアーモンドに含まれる豊富なビタミンEはホルモンの分泌を促すはたらきもあります。

ポイント

アーモンドに含まれる豊富な栄養素は痩せやすい最適なカラダづくりを手伝ってくれます。

アーモンドの基礎知識

アーモンドの種類と歴史

アーモンドの花の写真

この花は何かご存知ですか?

一瞬サクラの花かと思いますが、実はアーモンドの花なのです。

アーモンドはバラ科・サクラ族の植物で、分類はサクラと同じになります。

付ける実がアーモンドでおいしいだけでなく、サクラに似たきれいな花をつけるのもアーモンドの特徴です。

アーモンドはサクラ族である桃や梅と同じような実をつけます。

桃や梅は果肉部分を食べますが、アーモンドの果肉は薄いので食用にはなりません。

その代りに種の中に入っている「じん」の部分を食べます。

アーモンドの実 食べる部分を表した写真

=出典:ファーム池の沢「アーモンドの基礎知識」より実・種・仁を追記=

アーモンドは大きく分けて2種類あり、食用の「スイートアーモンド」とオイルの原料や薬用として用いられる「ビターアーモンド」があります。

私たちが食べているアーモンドは「スイートアーモンド」で、主な原産国はアメリカ・カリフォルニアです。

日本で食べられるほどんどのアーモンドはカリフォルニアから輸入されています。

アーモンドの原種は、紀元前4000年ころまでさかのぼり、中央アジアやアジア西南部で確認されています。

アーモンドは古くから貴重な食物として用いられてきました。

紀元前1352年、古代エジプトのツタンカーメンが亡くなると、王の墓に食料としてアーモンドが入れられたと記述が残されています。

また、1世紀に書かれたギリシャの書物や旧約聖書にもたびたび登場することからも、2000年以上も前から私たちはアーモンドを食していたことがわかります。

豊富な栄養素

アーモンドの特筆すべき特徴の1つは「奇跡のナッツ」と言われるほどの豊富なミネラルや栄養成分が含まれていることです。

とくにビタミンEの含有量が高く、すべての食品の中でアーモンドはビタミンEを最も摂取しやすい食べ物です。

これ以外にも、後述する不飽和脂肪酸のオレイン酸やアルギニン、ポリフェノール、ミネラル、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれています。

ビタミンE

ビタミンは三大栄養素である「タンパク質」「脂質」「炭水化物」のように直接エネルギーとはならず、カラダを作るための直接の要素ではありません。

しかし、ビタミンEはカラダの調子を整えるためにはなくてはならない栄養素です。

ビタミンは他の栄養素がうまくはたらくための補助的な役割を担っています。

自動車や機械などエンジンを動力源として動くものには、エンジンの動きを滑らかにするために必ずオイルが使われています。

オイルがないとエンジンの動きが鈍くなり、焼け付いてしまいます。

ビタミンはエンジンのオイルと同じようなものです。

その中でもビタミンEは以下のようなはたらきを持っています。

ビタミンEの主な効果詳細
抗酸化作用細胞や赤血球、脂肪やコレストロールなどの酸化を防ぐ(コレステロールは細胞膜をつくるときに必要な要素で、生きていくうえで欠かせない脂質の一種)
血流改善毛細血管の拡張、抗酸化作用で悪玉コレステロールを減少させて血栓を防ぐ(血栓=血管を詰まらせること)
ホルモンの分泌を促す体脂肪の分解と燃焼、筋肉の合成を促進するテストステロンなどのホルモン分泌を促進させる

ビタミンEの特徴として強力な抗酸化作用が挙げられます。

酸化とは簡単に言ってしまえばびることです。

抗酸化とは酸素と結びつく作用を抑えるはたらきを表しています。

つまり、ビタミンEの強力な抗酸化作用とは体内の細胞や脂肪が酸化する(さびる)のを防ぐはたらきがあるということです。

たとえば、さびついてしまったネジやドアなどの金属類は動きが悪くなります。

長い間使わずに放置しておいた自転車がさびてしまって動きにくくなった経験をされた方は多いのではないでしょうか。

また、リンゴなどを切ってそのまま放置すると空気中の酸素と反応することで、切り口表面が次第に赤茶色に変化していきます。

これらが酸化です。

酸化は私たちの体内でも起こります。

私たちのカラダは約60兆個の細胞からできています。

皮膚、髪の毛、血管や皮膚、あらゆる臓器は細胞の集合体です。

また、私たちは空気中の酸素を吸ってその酸素を使って栄養分を分解し、生きていくためのエネルギーを作り出しています。

そのため、私たちのカラダは常に酸素にさらされる機会、つまり、細胞が酸化するリスクがあります。

細胞が酸化してしまうとさび付いたネジやドア同様、本来の機能がうまく行えなくなってしまいます。

細胞が酸化してカラダが正常に機能しないのであればダイエットの効果も激減してしまいます。

また、ダイエットに限らず、健康なカラダを維持するためには細胞の酸化をできる限り抑える必要があります。

ビタミンEはカラダが酸化するのを防ぐはたらきが強いため、ダイエットにもアンチエイジングにも有効な栄養素です。

ビタミンEを豊富に含んでいる食品を下記に示します。

ビタミンEが多く含まれる食材一覧

<参照:井上浩義著、「アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!」扶桑社よりビタミンEが多く含まれる食品の表をグラフ化>

煎茶の葉にはビタミンEが豊富に含まれていますが、煎じたお茶ではビタミンEを摂取することはできません。

ビタミンEは油に溶けやすい脂溶性ビタミンと呼ばれる種類のため、水にはほとんど溶けないからです。

ビタミンEを効率的に体内に取り込むには油脂成分が必要になります。

煎茶の葉に含まれるビタミンEを摂取するには茶葉を食べるしかありません。

しかし、ポリポリと手軽に食べるには無理があります。

唐辛子もアーモンドと同等のビタミンEを含んでいますがそのまま食べるには辛すぎます。

仮にポリポリと食べたとしても、唐辛子には油脂がほとんど含まれていないのでビタミンEの吸収率は低いままです。

これらを考慮すると、アーモンドは手軽に食べられる食べ物の中でビタミンEがダントツに高いことがわかります。

ポイント

アーモンドには良質な脂肪分が含まれているので、アーモンドを食べるだけでビタミンEとその吸収効率を上げる油脂を同時に取ることができます。

オレイン酸

アーモンドには良質な脂肪分も含まれています。

脂肪は大きく分けると2つの種類に分類できます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。

常温で固まっているものが飽和脂肪酸で、バターやラードなど動物性の油脂に多く存在します。

常温で固まらずに液体として存在するのが不飽和脂肪酸です。

不飽和脂肪酸は魚や植物に多く含まれています。

アーモンドに含まれる脂肪のうち70%を占めるのが不飽和脂肪酸である「オレイン酸」です。

オレイン酸には以下のようなはたらきがあります。

オレイン酸の主な効果詳細
コレステロール値を下げる善玉コレステロール(HDL:High Density Lipoprrotein;高比重リポタンパク)を減少させずに悪玉コレステロール(LDL:Low Density Lopoprotein;低比重リポタンパク)を減少させる。

*悪玉コレステロールがが増えすぎると、血液がドロドロになり、血管の内側の壁に付着し、血管をふさいでしまうため、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を引き起こしやすくなる

便秘改善腸の運動を促進、腸内で潤滑油の役割を果たすので便通が良くなる
食欲を抑える脳の満腹感を感じる満腹中秋を刺激して食欲を抑える効果がある
中性脂肪・体脂肪の代謝を促す小腸で吸収されたオレイン酸はオレオイルエタノールアミド(Oleoylethanolamide : OEA)という物質に変化し、肝臓や脂肪細胞で脂肪の分解を活発にしてくれる

オレイン酸は血液をサラサラにすることで代謝の効率を上げ、便通を改善し、太りにくいカラダにしながら、さらに脂肪の分解も促進します。

まさにダイエットにはもってこいの代物です。

参考

代謝とは、簡単にいえばエネルギーを消費すること

オレイン酸を豊富に含んでいる食品を下記に示します。

オレイン酸を多く含む食材一覧

<参照:井上浩義著、「アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!」、扶桑社より オレイン酸が多く含まれる食品の表をグラフ化>

ここで目立つのが、食用の油、牛脂やラードといった油脂類です。

いくらオレイン酸が豊富だとはいえ、これらの油を直接飲んだり食べたりすることは、現実的ではありません。

また、ダイエットに取り組もうとしているのに直接油を積極的に摂取することにも抵抗があると思います。

ポイント

アーモンドであればある程度まとめて簡単に量を摂取することができますので、オレイン酸を摂取するにはもってこいの食品です。

アルギニン

私たちのカラダは60兆個の細胞から成り立っています。

また、血液中の赤血球、白血球、ホルモンなど、すべての物質の材料となるものがタンパク質です。

タンパク質はいろいろな種類のアミノ酸が数珠上につながってできたものです。

キューピーアミノ酸

<画像出典:キューピー 素材の特徴・用途HPより抜粋

この数珠上に連なる結合を「ペプチド結合」といいます。

アミノ酸は合計20種類あり、体内で生成できないもの(必須アミノ酸)と体内で生成できるもの(非必須アミノ酸)に大きく分けることができます。

アルギニンは非必須アミノ酸の1種です。

体内で生成することができますが、加齢と共に十分な量を体内で作れなくなってしまいますので、食べ物から摂取することで、アルギニンの補充ができます。

アルギニンには以下のようなはたらきがあります。

アルギニンの主な効果詳細
成長ホルモンの分泌促進新陳代謝(古いものが新しいものに次々と入れ替わること)を活発にし、脂肪細胞が燃焼しやすくなる、筋肉や骨を強化する
免疫機能の強化体内に侵入する細菌やウイルスを撃退する免疫細胞を活性化
活力・運動パフォーマンスアップアルギニンが代謝する過程で一酸化窒素(NO)を生成し、一酸化窒素が血管を拡張するため、体内の血流が改善することにより運動性能や性機能が改善する。

疲労物質である乳酸やアンモニアの代謝を促し、疲労回復効果がある

抗糖化作用アルギニンは糖と結びつきやすい性質を持つため、タンパク質の糖化を防ぐ

カラダの機能が改善することはダイエットをする上で欠かせないこと。

効率よくエネルギーを消費し、太りにくいカラダを作り、日々の活動の疲れも取り除いてくれるアルギニンを摂取することはダイエットに効果的です。

アルギニンを豊富に含む食品を以下に示します。

アルギニンを多く含む食材一覧

<参照:井上浩義著、「アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!」、扶桑社より アルギニンが多く含まれる食品の表をグラフ化>

アルギニンは豆類(大豆製品)やカツオ節などに多く含まれていますが、水で戻したり、加工したりしなければならず、そのまま食べるには不便です。

ポイント

ナッツ類であればそのまま食べられますので、手軽にアルギニンを摂取するにはアーモンドはおすすめです。

食物繊維

食物繊維は「第六の栄養素」と言われるほど重要な栄養素で、ダイエットにも効果を発揮します。

厚生労働省が設定した成人1日あたりの食物繊維摂取量は、男性が19グラム以上、女性が17グラム以上とされています。

ところが、厚生労働省が行った国民健康・栄養調査によると、全世代(20歳~70歳以上)において厚生労働省の推奨する食物繊維の摂取量に到達していないことがわかりました。

調査が始まった1947年には平均27グラムを摂取しているのに対し、現在では平均14グラム程度しか摂取できていないようです。

食物繊維には以下のようなはたらきがあります。

食物繊維の主な効果詳細
腸内環境の改善・便通改善大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などの善玉菌が増えて、腸内環境が良くなる

胃や腸で水分を含んで膨らむことで腸を刺激し、腸の運動が活発になることで便通を促進する

食べすぎ防止胃の中で水分を取り込んで膨張することで、粘着質も上がり、胃腸内をゆっくり移動するのでお腹がすきにくく、食べすぎを防止する
血糖値の上昇(糖質の吸収)を緩やかにする食物繊維は体内の消化酵素で消化されず体内に吸収されないため、食物繊維が胃腸内にあることで糖質の吸収が遅くなり、血糖値の急激な上昇を防ぐ
余分な脂肪を体外に排泄する胆汁酸(脂肪の分解・吸収に使われる消化液)やコレステロールを付着して体外に排泄する

ダイエットを始めて便秘の症状に悩まされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ダイエットによる食事制限とストレスにより、ダイエット中は便秘におちいりやすい状況になります。

便秘になると腸内環境が悪化し、老廃物の排泄機能が落ち、代謝が下がってしまうため太りやすいカラダになってしまいます。

「ダイエットと食物繊維」に関するアメリカの論文報告によれば、22の論文のうち、20の論文(90%以上)で食物繊維を多く摂取している人ほど体重が少なくなる結果がでています。

ダイエット中は特に食物繊維を積極的に摂取したいところですが、事実として難しさもあります。

以下に示す食物繊維を多く含む食品を見てください。

食物繊維を多く含む食材一覧

<参照:井上浩義著、「アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!」、扶桑社より 食物繊維が多く含まれる食品の表をグラフ化>

この表から見てもわかる通り、食物繊維を多く含む食品はそのままでは食べられないものが多いことがわかります。

乾物類は水で戻してから食べるものがほとんどですので、重さに換算すると10倍近くにもなるものもあります。

食物繊維の量を摂ろうとするとかなり厳しいものがあります。

また、せん茶や唐辛子はビタミンEの項目でも触れましたが、そのままポリポリと食べることは現実味がありません。

ダイエットのためとはいえ、積極的に食物繊維を増やそうと普段の食生活を大きく変えるには抵抗もありますし、習慣化してしまったことを変えるにはかなりのエネルギーを必要とします。

これが嫌になってダイエットを挫折してしまう原因にもなりかねません。

アーモンドに含まれている食物繊維は100g中でおよそ12gです。

食物繊維を多く含む食べ物と比べてしまうと見劣りして見えます。

ところが、実際に一握りのアーモンド(25粒)を計ってみると、およそ32gあります。

アーモンドの重さを実際に測ってみた写真

つまり、一握り(25粒)のアーモンドを食べるだけで普段の食事に食物繊維をおよそ3.8g上乗せすることができます。

ポイント

アーモンドは水で戻す必要もありませんしそのまま食べるだけですので、アーモンドで手軽に食物繊維を摂取することができます。

豊富なミネラル

アーモンドにはビタミンE、オレイン酸、アルギニン以外にもフラボノイドやビオチン(ビタミンB7)、豊富なミネラル(炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)以外からなる必須元素)が多く含まれています。

フラボノイド

植物が紫外線や害虫などから身を守るために生成している物質で、色素や苦味、辛味成分の種類です。

フラボノイドは強力な抗酸化作用を持っています。

ビオチン(ビタミンB7)

ビオチンはタンパク質や脂質、糖質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康を維持してくれるビタミンです。

花粉症の方やアレルギーをお持ちの方は「抗ヒスタミン剤」という薬を飲んだことがあるかと思います。

ヒスタミンはアレルギー物質が体内に入った時に分泌される物質で、炎症やアレルギー反応を引き起こします。

ビオチンはヒスタミンのもととなる物質を体外に追い出すはたらきもあり、天然の抗ヒスタミン剤のようなはたらきをします。

カルシウム

骨や歯を作るはたらきをするカルシウムですが、ダイエットにも一役買っています。

血中のカルシウム濃度が下がってしまうと脂肪をため込みやすいカラダになってしまいます。

被験者を2つのグループに分け、片方にはカルシウムのサプリメントを与え、もう一方のグループには偽薬を与え、同じダイエットメニューと食事内容で実験したところ、カルシウムを摂取したグループは平均で6kgのダイエットに成功したのに対し、偽薬のグループは1kgも減らなかったというデータが報告されています。

脂肪の消化・吸収には胆のうから分泌される胆汁酸という消化液が必要です。

カルシウムが胆汁酸と結合することにより、脂肪の吸収を妨害することが確認されています。

鉄分

鉄分は血液の赤血球の中に存在するタンパク質であるヘモグロビンの成分です。

赤血球は体内に酸素を運搬する役目を持っていますが、鉄分が不足すると、血中のヘモグロビン量が減ってしまい、全身に十分な酸素を効率よく供給できない状態になってしまいます。

酸素はエネルギーを生成するうえで必要なもの。

鉄分が不足すると、運搬できる酸素の効率が悪くなり、代謝が低下して太りやすいカラダになってしまいます。

カリウム

カリウムは体内の余分な塩分を体外に排出してくれるはたらきを持っています。

体内の塩分濃度が高くなると細胞から水分が出てしまい、いわゆる「むくみ」の状態になります。

むくみによって血管が圧迫されてしまうため血流が悪くなります。

心臓は血流を一定に保とうとするので、強い圧力で血液を送るようになってしまい高血圧になってしまいます。

カリウムが不足して血流が悪くなると、代謝の効率も悪くなるので太りやすい(痩せにくい)カラダになってしまいます。

マグネシウム

マグネシウムは酵素(消化吸収や代謝などあらゆる生体反応を行うために必要な物質)のはたらきを助け、体温や血圧を調整してくれます。

酵素のはたらきを助ける役割を持っているので、マグネシウムは補助酵素とも呼ばれています。

糖質や脂質を燃やしてエネルギーにするためには酵素が必要です。

その酵素のはたらきを助ける役目があるマグネシウムが不足すると、代謝が落ち、太りやすいカラダになってしまいます。

また、マグネシウムはカルシウムの吸収率を上げる(骨や歯など必要な場所に運搬する)役割をもっていますので、カルシウムだけでなくマグネシウムも一緒に取ることが重要です。

リン

リンは体内に含まれるミネラルのうち、カルシウムに次いで2番目に多く含まれている成分です。

主な役割は骨や歯の構成要素として使われます。

また、体内で活動するためのエネルギーを作り出すATP:アデノシン三リン酸を構成する元素でもあります。

さらに、ビタミンB群のはたらきを助ける役割もあります。

ビタミンB群は、糖質をエネルギーに変える働きを助けるビタミンB1、脂質をエネルギーとして燃やすときにはたらくビタミンB2、脂質や糖質の分解を助けるビタミンB3、タンパク質の代謝を助けるビタミンB6といったものが多く、エネルギーを作り出す助けをするはたらきがあります。

先ほど紹介したビオチンもビタミンB7でタンパク質・脂質や糖質の代謝を助けるはたらきがありますから、ビオチンもリンも含まれるアーモンドはまさに一石二鳥の効果といったところでしょうか。

エネルギーを作り出しやすいカラダはダイエットには欠かすことができない重要な要素です。

亜鉛

亜鉛は2000以上ある酵素のうち、およそ300種類の組成に欠かせない重要なミネラルです。

亜鉛にはさまざまな効果があります。

主なものとしては新陳代謝の活性化、タンパク質の合成促進、アルコールの分解、免疫力を高める、性機能の向上が挙げられます。

タンパク質の合成を助けるので、筋肉をつける時にも重要なミネラルです。

エネルギーを消費する筋肉量が増えれば代謝もあがります。

また、亜鉛も代謝には欠かせないミネラルですので亜鉛不足は代謝量を下げ、太りやすい(痩せにくい)カラダになってしまいます。

以上のように、アーモンドにはダイエットに有効な栄養成分が多く含まれています。

また、アーモンドは水で戻したり、調理したりする必要がなく、そのまま手軽に食べられるので、ダイエットにはもってこいの食品であることがわかります。

ダイエットだけじゃない、アーモンドのメリット

アーモンドはその豊富な栄養素からダイエット以外にもメリットがあります。

ダイエットだけじゃないアーモンドのメリット

  • アンチエイジングにもアーモンド
  • 生活習慣病や病気の対策

アンチエイジングにもアーモンド

「アンチエイジング」という言葉を目にしたり聞いたりしたことがある方も多いと思います。

アンチエイジングは英語のAnti-Agingをそのまま和製英語でカタカタにしたものです。

一般的に「Anti-(敵対・対抗・排斥(はいせき))Aging(老齢化)」を「抗老化」「抗加齢」「老化を防ぐ」といった意味で使っています。

そもそも「老化」とは何でしょうか。

私たちは60兆個以上の細胞が集まった集合体です。

細胞は何かしらの原因で傷つきますが、修復する機能を持っています。

たとえば、転倒して膝を擦りむいたとしても、しばらくすれば元の状態に戻ることは誰もが1度は経験したことがあるのではないでしょうか。

これが細胞が損傷しても修復する能力を持っていることの証明です。

細胞の修復が間に合わなくなったとき、細胞の機能が失われます。

これが老化です。

つまり、老化とは時間の経過とともにカラダに起こる変化のことで、とくに生物が死に至るまでに起こる機能低下やその過程のことを老化と呼んでいます。

老化の原因はさまざまですが、空気にさらされている、加齢、太陽からの紫外線を浴びる、飲酒やストレスなども老化の原因です。

この中でもダイエットを行う上でとくに避けたいのが細胞の「酸化」と「糖化」です。

酸化は細胞が酸素と反応してさびてしまうこと。

糖化は糖がタンパク質に結合してしまう現象のことです。

細胞はタンパク質からできています。

体内にブドウ糖がありあまる状態が長く続くと、その糖分が体内のタンパク質と結びついて硬い物質に代わってしまいます。

たとえば、鶏肉や白身魚などを砂糖と一緒に煮込むと茶色に変色するのを見たことがあるのではないでしょうか。

直接ご自身で料理されない方でも、料理として出てきた鶏肉の甘辛煮や白身魚の煮込みなど、うっすらと茶色になっていることは見たことがあると思います。

あの褐色に変化する仕組みが糖化です。

この硬くなった物質はAGEsは(Advanced Glycation End Products : 終末糖化産物)と呼ばれています。

AGEsはほとんどが消化されたり排泄されたりしてしまいますが、およそ7%程度は体内に残ってしまうことと言われています。

運動の前などに準備体操やストレッチなどをすると、若いころにできたポーズが難しくなってきたと感じたことはありませんか?

これはカラダの組織が徐々に糖化されて硬くなってきたことがひとつの原因として考えられます。

つまり、糖化はカラダの組織の弾力性を失わせます。

血管が固くなってもろくなったり詰まりやすくなったり細胞の機能低下を引き起こします。

そのため、糖化によってカラダ本来の機能が低下することにより太りやすく痩せにくいカラダになってしまうのです。

ポイント

アーモンドには強力な抗酸化作用を持つビタミンEやオレイン酸の血糖値の上昇を緩やかにしてくれる作用、アルギニンによる抗糖化作用など、ダイエット効果だけでなく「酸化」と「糖化」を防ぐさまざまなアンチエイジング力がアーモンドには備わっています。

生活習慣病や病気の対策

生活習慣病とは、その名の通り生活習慣が原因で発症する疾患のことで、かたよった食事や運動不足、過度のストレスなど、日ごろの生活の中で好ましくない習慣や環境が積み重なって引き起こされる病気の総称です。

生活習慣病には糖尿病、脂質異常症、高血圧などがあります。

この中でも、血管のつまりにかかわる病気である狭心症、脳卒中や心筋梗塞などは自覚症状がなく突然発症するので生活習慣病は「サイレントキラー」とも呼ばれています。

この血管のつまりは動脈硬化(動脈の弾力性が弱くなり硬くなってしまうことで、もろくなったり、狭くなったりすること)やコレステロールなどの脂質が血管に詰まることで引き起こされます。

いわば下水道のトラブルと同じような症状になります。

詰まるまでは全く気づかないため、内部がどのような状態になっているかなどわかりません。

しかし、いったん詰まってしまえば詰まってからはじめて事の重大さを思い知らされることになります。

下水道の場合は、汚水が戻ってくるだけのトラブルで済みますが、血管の場合には気づいたときにはすでに手遅れということも十分にありえます。

私の職場の知人も血管のつまりが原因で心筋梗塞を起こし、ある日突然死亡したという身近な例を3件も知っています。

3人ともまだ40代でしたので、自分も身が引き締まる思いでした。

このような生活習慣病ですが、アーモンドに含まれる栄養素によって未然に防ぐことができます。

  • アーモンドに含まれるオレイン酸によって悪玉コレステロールを減少させるはたらきがある
  • アーモンドに含まれるカリウムが体内の余分な塩分を体外に排出するので血圧を下げる
  • アーモンドに含まれる銅やマンガンによって血管の酸化を防ぐ
  • アーモンドに含まれる成分によって血糖値の上昇を緩やかにし高血糖を抑止する

また、アメリカのAtherosclerosis誌に掲載された論文によれば、マグネシウムの摂取量が増えると、およそ50%も心臓病による死亡リスクを低下させることが報告されています。

アーモンドには豊富なマグネシウムが含まれていますので、心臓疾患の予防にも役に立ちます。

マグネシウムを多く含む食材一覧

<参照:井上浩義著、「アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!」、扶桑社より マグネシウムが多く含まれる食品の表をグラフ化>

アーモンドを習慣的に食べると、以下のような効果があると欧米の研究者が論文を発表しています。

  • アーモンドは糖尿病の状態を改善する
  • アーモンドを含む食事をとると、コレステロール降下剤を摂取したのと同様の効果が得られる
  • アーモンドの抗酸化作用が、生活習慣病を予防する
  • アーモンドには、結腸がん細胞の発生を抑制する効果が期待できる
  • アーモンドが心疾患リスクを低下させ、再発リスクを抑制する

ポイント

日本ではアーモンドを習慣的に食べることはあまり馴染みのないことですが、欧米ではダイエット効果だけでなく健康に役立つ「カラダによい食べ物」としてアーモンドが愛用されています。

アーモンドの食べ方・選び方

それでは、アーモンドの美味しい食べ方について見ていきましょう。

ポイントはいたって簡単です。

1日に25粒のアーモンドを食べるだけでダイエット効果、アンチエイジング効果、生活習慣病予防が期待できます。

前述の食物繊維の項で掲載した写真からもわかる通り、大人の手で一握りのアーモンドを数えてみるとおよそ25粒あります。

1回で25粒食べるもよし、午前中と午後に分けて12~13粒ずつ食べるもよし、昼食や夕食のおかずにトッピングするもよしと、食べ方も自由です。

アーモンドの選び方

アーモンドといっても色々な種類のものが発売されています。

チョコレートやお菓子などに含まれている場合もありますし、ミックスナッツや袋詰めのもの、生の加熱処理されていないアーモンドも売られています。

ダイエットにおすすめのアーモンドは素焼きの(ローストされた)アーモンドです。

日本では生のナッツ類を食べる習慣がありませんが、欧米では野菜もナッツも生で食べるのが一般的です。

ロジック

私も生のアーモンドを食べたことがあります。

素焼きのものと比べて少し湿った感じがありますが、噛めば噛むほどアーモンドがもつ花のような香りと甘味を楽しむことができます。

しかし「カリッ」とした歯ごたえはローストしたアーモンドほどはありませんでした。

注意ポイント

商品によっては油が添加されていたり、砂糖がつけてあったり、チョコレートでコーティングしてあるものもあります。

しかし、余計な油はカロリーを上げてしまいますし、砂糖やチョコレートは糖分を余計に摂取してしまうためダイエットには向いていません。

アーモンドには素焼きのものと塩分が添加されているものがあります。

素焼きのアーモンドもおいしいですが、多少の塩分が欲しい方は塩分控えめのアーモンドをおすすめします。

塩分の取り過ぎは血圧を高くし、カラダに負担をかけてしまうのでダイエット面においても健康面においても不向きです。

生のアーモンドを購入して、自分でいる(ローストする)こともできますが、手軽さからいったらローストされているアーモンドを買ってしまった方が面倒くさくなく、そのまま食べることができるのでロースト済みのアーモンドがおすすめです。

アーモンドの保存方法

アーモンドを保存する際の注意事項をお伝えします。

素焼きのアーモンドのメリットはなんといってもあのカリカリ感です。

生のアーモンドに比べ、ローストされてものは甘さや香ばしさが増して食感が際立ちます。

ところが、そのままの状態で放置してしまうと湿気を帯びてしまいます。

湿気を帯びてしまうと食感が損なわれるだけでなくカビが発生しやすくなってしまいます。

そのため、購入後は密閉できる容器に入れて保管することをおすすめします。

15℃前後であれば3か月ほど保存がききます。

大量に購入したアーモンドをすぐに食べられないときには冷凍保存がおすすめです。

大きな容器や袋に入っているアーモンドであれば、密閉できる小さな袋などに小分けにして冷凍庫で保管してください。

アーモンドは冷凍庫で保管しても凍ることはないので、カリカリの状態を保ったまま保存できます。

また、暑い夏の日などはひんやりと冷えたアーモンドもおすすめです。

食べる際の注意点

食べ過ぎは太る原因となる

アーモンド25粒の熱量はおよそ150kcalです。

たしかにカロリーが高い食品ですが、前述のパンと一緒に食べたグラフの結果からもわかる通り、気にすべきはカロリーではなく血糖値の上昇をいかに抑えるかです。

とはいえ、いくらアーモンドがカラダによいからと言って何粒もバクバク食べていたのでは、消化しきれずに余ったエネルギーはカラダに蓄積されてしまいます。

ダイエットを行う上で脂肪の蓄積は天敵です。

食べ過ぎには注意しましょう。

食べ過ぎは腹痛の原因にもなる

私もアーモンドを食べ始めたころはダイエット効果を期待したのとおいしいのとでついつい食べ過ぎてしまった経験があります。

その頃は生のアーモンドを食べていました。

しばらくは順調に進んでいたアーモンドダイエットでしたが、ある日を境にアーモンドを食べたときから胃腸の調子が悪くなり、胃が痛くなったり、消化不良を起こしたりすることが増えてしまいました。

心配に思って調べてみると、その原因はアーモンドに含まれる「酵素抑制物質」によるものであった可能性が高いことがわかりました。

酵素抑制物質は鳥や動物がアーモンドを食べたときに消化されずに排泄してから発芽できるように、消化酵素のはたらきを阻害し、酵素のはたらきを抑制するための物質です。

そのため、アーモンドを食べ過ぎるとうまく消化することができずに胃腸に負担をかけてしまうことがあります。

とくに生のアーモンドを食べる際には注意したい項目です。

体調不良を起こしてからは、少しのアーモンドを食べるだけで胃腸の調子悪くなることもありましたが、しばらくの間アーモンドの摂取を控えてカラダをリセットしました。

その後は1日25粒を目安に食べ過ぎに注意してアーモンドと付き合うようになってからは、体調はいたって良好です。

よって、アーモンドを食べる際は食べすぎに注意することが必要です。

おすすめは1日25粒のアーモンドを食べること。

1日何粒までと事前に決めておくことで食べすぎを防止することもできます。

飽きがこない食べ方の工夫

1日25粒のアーモンドを食べるだけで太りにくく痩せやすいカラダになるだけでなく、病気の予防やアンチエイジング効果もあることがわかりました。

なるほど、毎日同じものを食べ続けるということは、次第に飽きてしまって続けることができないということも十分考えられます。

アーモンドダイエットに限らず他のダイエット方法でも運動でもそうですが、ダイエットでもっと難しいとされるのが続けること、いわゆる「継続する習慣をつける」ことです。

私はアーモンドが好きなので全く飽きることなく毎日でも食べたいと思うほどです。

これが一番簡単な方法ですが、これでは飽きてしまうという方もいらっしゃると思います。

どんなにアーモンドが素晴らしい食材だとしても、毎日継続的に食べ続けることができなければその効果は全く期待できません。

ではどのようにアーモンドと付き合っていけばよいのでしょうか。

実は食べ方を工夫するだけで飽きることもなくアーモンド習慣を継続することができるようになります。

ここではいくつかアーモンド習慣を続けるための工夫についてご紹介します。

アーモンドパウダーで調味料として使う

アーモンドをそのまま食べるのが飽きてきたと感じる人におすすめの方法がそのまま食べるのではなく調味料として使ってしまうことです。

あらかじめアーモンドを砕いておき、それを何かに振りかけて食べると、風味が増したり、食感が上がったりと、意外な発見に気づくはずです。

たとえば、色の濃い葉物を含むサラダにアーモンドパウダーをかけ、さらにレモンなどの柑橘系を絞って食べれば、風味や食感が上がるだけではなく、緑黄色野菜のもつビタミンA、レモンなどの柑橘系がもつビタミンC、そしてアーモンドのビタミンEが同時に摂取でき、抗酸化ビタミンの三銃士であるビタミンACEを同時に摂取することができます。

まさに、抗酸化ビタミンのエース(ACE)ですね。

また、アーモンドのもつ血糖値の上昇を抑える効果を最大限に発揮できるのが糖質との組み合わせです。

前述のとおり、太ってしまう主な要因はカラダに余ってしまうブドウ糖の量と血糖値の上昇によるインスリンの上昇です。

よくダイエットに励む人が糖質制限に走るのはこのせいです。

しかしながら、私たちが普段食している食品のほとんどに糖質が含まれています。

米や小麦が原料のパンやうどん、パスタなど主食に多く含まれる炭水化物、レタスや玉ねぎ、その他の野菜などにもほとんど糖質が含まれています。

これらを摂取しないとなると、肉や魚、卵や乳製品といったものだけを食べなければならず、食費がグンと上がってしまいます。

あなたが行いたいことは「糖質を摂取しない」という手段ではなく「痩せる」ことだと思います。

よって、痩せる手段として糖質カットにこだわることはありません。

その救世主となるのがアーモンドです。

ごはんやおかずに細かく砕いたアーモンドパウダーをかけて食べれば、アーモンドの持つ血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果と他の食品のもつ栄養素との相乗効果でダイエットの効果が期待できます。

では、アーモンドパウダーはどのように作ればよいのでしょうか。

作り方はいたって簡単です。

用意するものは、アーモンド、まな板、包丁だけです。

アーモンドは包丁で簡単に刻むことができます。

力を入れなくてもサクサクと切れていきますので、みじん切りの要領でアーモンドを砕いていけば、アーモンドパウダーの完成です。

包丁でのみじん切りが面倒くさい方は、フードプロセッサーやミキサーでアーモンドを粉々に砕くこともできます。

ただし、回し過ぎるとピーナッツバターのようにベトベトしてしまいますので、様子を見ながら回してください。

砕いたアーモンドパウダーを密閉できる容器や袋などに入れておけば、持ち運びも便利ですし、外食時にもアーモンドパウダーを振りかけて食べることができます。

アーモンドの砕き方 写真

アーモンドバターやアーモンドミルクをつかう

アーモンドパウダーとして使うのが面倒だという方には、アーモンドバターやアーモンドミルクもおすすめです。

アーモンドバターはピーナッツバターと同じようにペースト状に加工された食品です。

パンが好きな方であれば、パンにアーモンドバターを塗って食べるもよし、ペーストを調理のベースに使ってみるもよしです。

アーモンドバターは砂糖などが添付されていないタイプのものがよいでしょう。

アーモンドミルクはアーモンドを原料にした牛乳のようなものです。

豆乳は日本でも認知度が高いですが、アーモンドミルクは欧米では当たり前のように売られています。

ロジック
実際にアーモンドミルクを飲んでみましたが、アーモンドミルクは豆乳のような癖はなく、サラサラとした印象で大変飲みやすいと感じました。

牛乳ではお腹が緩くなる方もいらっしゃるかと思いますが、アーモンドミルクは牛乳のようにお腹が緩くなる心配がありませんので、安心して飲んでいただけます。

食事の前やおやつ代わりにアーモンドを複数回に分けて食べる

まとめて25粒のアーモンドを食べることは、好きな方には問題なくても、毎日継続するとなると苦痛を感じる方がいらっしゃるかもしれません。

ここでは私が継続している方法をご紹介します。

私が行っているアーモンド習慣は午前中と午後に分けておやつ代わりにアーモンドを食べる方法です。

たしかに、まとめて25粒のアーモンドを食べることもできますが、私はあえて2回に分けて食べています。

朝食のあとに小腹がすいてくる10時ころに12~13粒のアーモンドを食べるとお昼までの空腹が満たされ、昼食でもドカ食いを防ぐことができます。

午後は3時から4時ころにかけて、仕事の一服を兼ねてよくコーヒーを飲むのですが、そのときに残りのアーモンドを一緒に食べています。

このように、複数回に分けてアーモンドを食べることで、25粒をまとめて食べるときに比べて抵抗がなく、無理せずにアーモンド習慣を継続することができます。

また、きっちりと「25粒食べなくては!」と考えてしまうとかえってそれが仇となり、面倒くさくなってアーモンド習慣を止めてしまうことになりかねません。

私はだいたい25粒を目安に食べるように心がけていますので「1粒少なかった」「2粒多すぎた!」といったストレスは感じません。

ポイント

「きっちりと25粒食べなくてはいけない」と自分を縛らないことがアーモンド習慣を継続するポイントです。

まとめ:アーモンドでダイエットと健康を手に入れよう!

ここまでアーモンドの魅力とダイエット効果について解説してきました。

もう一度だけおさらいしておきますと、ポイントはたったの1つです。

ポイント

1日25粒のアーモンドを食べるだけでダイエット効果が期待できる!

アーモンドはダイエット効果はもちろんのこと、アンチエイジングや病気の予防にも役立つ万能選手であることがわかりました。

何か1つだけに効果があるのではなく、アーモンドが持つ総合力がダイエットをサポートしてくれます。

私自身もアーモンド習慣を毎日続けていますが、カラダはいたって順調そのものです。

とくにアーモンド習慣を続けるようになってからは、便通が改善したことを実感しています。

また、食生活を変えたわけでもなく、運動量を増やしたわけでもありませんが、体脂肪は低い状態をキープできています。

いくらアーモンドが万能食品だからと言って、こればかりを食べ過ぎていては栄養がかたよってしまいますし、食べすぎは太る原因にもなります。

ここから考えていただきたいことは、アーモンド習慣を続けるうえで日常の食生活で何を気にかけて食べるのかだと思います。

「食べないダイエットは痩せない|ダイエットの本当の意味を知ろう」の記事でも紹介していますが、ダイエットの本当の意味は「食習慣・食生活」のこと

このアーモンドに関するダイエット効果を実感していただくことで、ダイエットの本当の意味を体感していただけるのではないかと思います。

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